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2013年03月の記事

大阪の冷え込み 賃金センサスで浮き彫り
2013/03/25

年間賃金前年比18万減
地域全体の賃金底上げを


 厚生労働省は「平成24年(2012年)賃金構造基本統計調査(賃金センサス)」の結果をまとめ上げ、2月21日に公表しました。調査結果から推計した大阪府の男性タクシー運転者の年間賃金は278万6200円で、前年より18万6500円下がっています。

 賃金センサスは主要産業労働者の賃金実態を、雇用形態・就業形態・職種・性別・年齢・学歴・勤続年数・経験年数別に明らかにすることを目的として毎年6月(一部は前1年間)の状況を調査するものです。対象となった労働者のうちタクシー運転者(男)は大阪府で1万1120人(平均年齢59.7歳)、全国で21万9930人(同57.6歳)でした。
 大阪府・タクシー運転者(男)の賃金は、月間給与(2012年6月分)の平均額が21万9100円で前年比9700円の減、年間賞与(11年1〜12月に支給された特別給与)の平均額は15万7000円で、前年比7万100円の減でした。
 年間賃金を〔月間給与×12+年間賞与〕で推計すると278万6200円となり、大阪府・全産業労働者(男)より263万1700円下回りました。
 昨年の同調査では月給、賞与とも前年比増でしたが、今回の結果はタクシー活性化法の減車効果が頭打ちになっていることを示しています。
 年間賃金の前年比は全国平均だとタクシー、全産業とも増となっているのに、大阪府ではタクシーが18万6500円の減、全産業もほぼ同水準の18万8500円の減となっています。運動の力で大幅減車と運賃統一を実現させるとともに、大阪の全労働者の賃金底上げ、雇用安定化を図り景気を上向かせなければ私たちタクシー労働者の賃金も改善しません。

改善もとめ自交総連・中央行動
2013/03/18

改善もとめ自交総連・中央行動 むしろ旗に思いをしたため訴えるなかま

国交省 適正な台数・運賃の実現を
厚労省 恣意的雇用拒否を指導せよ


 自交本部は3月5日の中央行動で国土交通省、厚生労働省との交渉に取り組み、「地域協議会で運転者の労働条件改善へむけた点検、検討、計画が進められるようにすること」「改正高齢者雇用安定法法の趣旨(安定雇用の確保)に反するものは是正させること」などを要請しました。

運転者の賃金
今後3年調査


 国交省交渉には自交本部から高城委員長、石垣副委員長、今村書記長ら22人が出席(大阪=庭和田)。同省からは自動車局旅客課・坂田タクシー事業活性化調整官ら6人が応対しました。
 「労働条件改善へむけた地域協議会での点検、検討、計画」について省側は「地域計画の進捗状況には差があるので、適正車両数の算定などは各地域協議会にゆだねている。労働条件改善については、運転者の賃金を今後3年間調査することにした」と回答。組合側が「地方の協議会では“適正化(減車)はもう限界だから活性化(需要拡大策)だけ議論しよう”という雰囲気があるが、省もそういうスタンスか?」と質問すると、省側は「“適正化はもうしないで、活性化のみを行なっていく”と考えているわけではない。両方必要だ」と明言しました。
 組合側はさらに運転者登録制度について「登録運転者証を事業者が速やかに返却せずアルバイト運転者を乗務させるために不正に使用しているなどの実態を把握し、運転者証の申請・交付・返却などを運転者に行わせるように法改正すること」を要請。省側は「タクシー適正化特措法では、運転者証の表示義務は事業者にあることから、交付も返納も事業者の義務となっている。これを運転者にさせることは二重発行の防止にかんがみ適さない」との見解を示し、「(事業者による不正使用の実態は)承知している。不正があれば、運輸局に言ってもらえれば対処する」と応じました。

厚労省 必要以上の空白 指導対象

“雇用確保”が
安定法の趣旨


 厚労省交渉には自交本部から高城委員長、石垣副委員長、今村書記長ら14人が出席。同省からは労働基準局監督課・岡崎監察係官ら5人が応対しました。
 組合側は改正高齢者雇用安定法(4月1日施行)について「定年を迎えた労働者をいったん退職させ、日にちをおいたのちに改めて雇用契約を結ぶという手法など、安定した雇用を確保するという法の趣旨に反するものは是正させること」「継続雇用後の有休付与の基準となる勤続年数は通算されるものとして扱うよう事業者に徹底すること」を要請。省側は「定年後、必要以上に空白をおくのは不適当で指導の対象となる。ハローワークに相談してほしい」「勤続年数は、実質的に雇用関係が継続しているかどうかで判断する。定年後の再雇用は実質的に雇用関係が継続しているとみられ、通算した勤続年数に応じた有休を与えなければならない。違反があれば指導する」と回答しました。

就業規則変更相当の合理性

 また、継続雇用拒否の理由にするために就業規則を変えようとする事業者について省側は「就業規則を労働者に不利益に変更するには相当の合理性が必要であり、労働者の意見を聞くなどの手続が必要。(規則の)内容を恣意的に解釈することは指針に反する」との見解を示しました。
 さらに「最低賃金法違反の根絶にむけての監督強化」を組合側が要請すると、省側は「国交省とも相互通報制度を設け、関係各部署が行う集団指導のときに連携して最賃の説明もしている。関係団体の会合の場も活用して周知していく」と回答。組合側は「オール歩合制ではなく、最低賃金を固定給部分で保障するようにすれば最賃違反がなくなる」と説明、将来にわたって違反が繰り返されることのないように賃金制度の見直しを含めた指導を実施するよう要請しました。

自交総連本部3・5中央行動
2013/03/18

自交総連本部3・5中央行動 多すぎるタクシー減らし「賃金増やせ」とアピールする自交総連のなかま(国交省前で)

賃金増やせ


 自交総連本部(高城政利委員長)は3月5日、東京・霞ヶ関を中心に「3・5中央行動」を展開。全国から駆けつけたなかま523人が国土交通省への個人請願行動、日比谷公会堂での決起集会(全労連・国民春闘共闘主催)、デモ行進に奮闘しました。

 国土交通省への個人請願行動に全国から集まったなかまを前に、高城委員長が主催者あいさつに立ち、「最低賃金を1000円以上に引き上げることが、多くのタクシー労働者の賃金底上げにつながり、また社会全体の労働者の賃金を引き上げることになる、需要も拡大し、そのことが公共交通機関で働く我々の労働条件を改善するとともに、利用者の安心・安全を確保することになる」と訴えました。そして「安倍内閣が行おうとしている消費税増税は、労働者だけではなく業界にとっても大打撃となる。みんなで必ず阻止しよう」と呼びかけました。
 つづけて全労連の大黒作治議長と交運共闘の安藤高弘副議長(国土交通労組委員長)が「規制緩和、構造改革の流れを断ち切る運動をともにがんばろう」などと連帯あいさつしました。
 高城委員長が請願趣旨を読み上げ、全国代表や東京・埼玉・神奈川のなかまが国交省の職員に請願書を提出し改善を求めました。
 請願中、福島地連の沼倉書記長は東日本大震災の復興が進まない福島の現状を述べ、また福岡地連の内田書記長は閑散とする繁華街の実態を述べ、「タクシー労働者が1日も早く人並みに生活できるよう国交省は責任を果たせ」と語気を強め決意表明しました。
 その後、日比谷公会堂で全労連・国民春闘共闘主催の決起集会が行われ、13時半から銀座を通って東京駅まで、「多すぎるタクシーを減らせ」「法違反事業者を指導しろ」「運転者負担をなくせ」「貸し切りバスの規制強化を」など要求をプラカードやむしろ旗、ゼッケンで市民にアピールしました。
 また、同時刻に国交省、厚労省交渉も行いました。