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2017年03月の記事
驚愕!!所管官庁ない ジャスタビ現状では取り締まれないと言うことか!!
2017/03/28
ジャスタビ問題で経産省に要請
自交総連(城政利委員長)は3月8日、「安心・安全なタクシーを守れ、白タク合法化を許すな!」「ニセ『働き方改革』反対、改善基準の改正・法制化!」を掲げた3・8中央行動を実施。午前、国土交通省前での請願行動に続き厚生労働省にも「自交労働者の労働条件改善に関する請願書」を手渡し改善を求めました。12時10分から、日比谷野外音楽堂で、全労連・国民春闘共闘の決起集会がひらかれ、2300人が結集しました。集会後、国会までデモ行進を行い、午後からは、本部代表(大阪=庭和田書記長)による経産省・国交省、全タク連との交渉を実施しました。
ジャスタビ「格安」売りに
観光タクシーターゲット
公正でない事業活動を許してはなりません――。
観光タクシーの料金と比較して格安さをアピール(別掲)し、安全コストを掛けず、手数料で儲け事故等が発生しても責任はないとの無責任な体質で事業展開をすすめる大手旅行会社「HIS」の子会社・ウェブサイト「Justavi(ジャスタビ)」(東京、三戸格社長)のビジネスとは、レンタカーの使用者に対し、ネットを介して登録ドライバーを紹介する新ビジネスとの評価ですが、実態はまさに「白タク」行為以外の何物でもありません。
ジャスタビは、事前に「指導」を受けて、資本関係を整備した上で産業競争力強化法のグレーゾーン解消制度を活用し沖縄から事業を始め、北海道、東京と事業を拡大しています。
安心・安全より儲け
白タク行為そのもの
ジャスタビの事業は実質的な白タク行為で、利用者への「安全性の担保」などを質すため自交総連は3月8日午後、参議院会館で事業展開への道を開いた経済産業省と初めて交渉しました。また、国土交通委員を務める日本共産党の清水ただし・本村伸子両衆議院議員や辰巳孝太郎参議院議員の秘書らも参加しました。
経済産業省からは、政策局蓮井産業構造課長、商務情報政策局サービス政策課藤井サービス産業室長、大臣官房伊藤産業人材政策室長他3人が参加し、その後国交省の自動車局旅客課大橋課長補佐と市川バス産業活性化対策室長が回答しました。
城委員長の趣旨説明に続き本村議員は「国土交通委員をしているが様々な事故が起こる度に、委員会で安心・安全をどのようにして守っていくのか追及しているが、ジャスタビ問題はまさに安心・安全を脅かすもので容認できない」と述べました。
清水議員は、「石井国土交通大臣も交通安全対策基本法に基づいて、国の責務、交通安全と言うところは繰り返し主張している。2月7日にも大臣は運行管理や車両設備等々に責任を負うことができないドライバーが旅客運送を行い料金を得ると言うことは問題がある。ライドシェア等も極めて慎重に検討しなければならないと述べていた」と指摘。つづけて「グレーゾーン解消と言うが解消することが、誰のためでならねばならないのか見誤るとダメだ。なぜ道路運送法に照らして認められるのか詳しく聞きたい」と迫りました。
経産省は、ジャスタビ問題について「新たなサービスについては、経産省が窓口として対応している。経産省は事業所管官庁として、(道路運送法という)法律を所管している国交省に照会し、国交省が合理性を判断した結果を両大臣の連名で公表した」と回答。
オウム返しの経産省
新経済連盟と同発想
同省は安全性の担保について「取り組む事業者が様々な工夫を行うと思う。例えばライドシェアの場合は過去に使った人たちがマナーや安全性を評価し使った人たちの積み上げで安全が担保できる。競争原理のなかで考えていかなければならない」と述べました。
まさに新経済連盟と同じ主張をしたため、庭和田副委員長(大阪地連書記長)は、「犯罪者や性犯罪者等がシステムをすり抜けて高評価を得ていたが実際事件を起こすなど、諸外国の実態を知って言っているのか…」と迫ると、課長が割って入り「経産省は、国交省の認識に基づいて回答しただけで、安全性が担保されていると判断したわけではない」と、取り繕いました。平然とこうした回答を行うこと事態、経産省が新経連のオウム返しの考えがあることが透けて見えます。
行政責任放り投げる不利益被るのは国民
利用者、国民の安心・安全を担保するという基本的な行政責任を放り投げた経産省の無責任極まりない考え方がジャスタビに道を開いたということです。
国交省も「ドライバーと自動車が一体でなければ道運法に抵触せず、資本関係などがなくとも事実上一体であれば(道運法違反に)該当する」とは言うものの、日々ジャスタビが事業を展開している現状に照らせば、道運法が及ばないと言うことになります。
組合は「沖縄は飲酒運転や飲酒事故が全国ワーストワンである。そうした下で派遣されるドライバーへの点呼もない、アルコールチェックもされない、何か遭った時に不利益を被るのは利用者だ、契約に基づくものなので『民民』の問題だとでも言うのか、安全性の担保がない。所管するのは、経産省か国交省か消費者庁か警察庁か何処なのか…」と再三質すと、質問に答えず頷くだけでした。
今回の交渉ではっきりしたことは、安全性の担保も、所管する官庁もない、ということが明白になりました。経産省、国交省は何らの手立てもなくジャスタビの手法を野に放ったことになり、その責任は重大です。国会での議論が急がれます。
2017年春闘勝利! 3・16大阪総行動
2017/03/28
「白タク合法化阻止」宣伝行動に奮闘する大阪地連のなかま(3月16日午前、新大阪駅で)
白タクに道開くな
大阪春闘共闘・大阪労連(川辺和宏議長)は3月16日、2017年春闘勝利をめざす最大の取り組みとして宣伝や集会・デモなど「3・16大阪総行動」を大阪府内で終日展開、「大幅賃上げと安定雇用で景気を回復しよう!」などとシュプレヒコールの声を張り上げました。また同日午前、自交総連大阪地連(福井勇委員長)は同行動の一環として「白タク合法化阻止」宣伝行動に取り組み、新大阪駅・大阪駅・阪急梅田駅・南海難波駅でライドシェアの危険性、白タク阻止運動への理解と協力を訴えました。
新大阪駅での「白タク阻止」宣伝でマイクを握った大阪地連・福井委員長はライドシェアについて、「運転者は“いつでも好きな時に働くことが可能”というのが新経済連盟のうたい文句だが、労働者の空き時間をシェアするのがライドシェア」「運転者が本業のかたわらで十分な休息や睡眠もとらずに乗務するのは想像に難くない」と指摘。「危険なライドシェアを許せば、利用者・国民が多大な犠牲を払うことになる」と訴えました。
さらに福井氏は「私たちは既得権を守るために運動しているのではない」として、自交総連が実現をめざしている「タクシー運転免許構想」を紹介。「地理や接客などサービスの質を高めることで利用者から喜ばれ、私たちの地位も労働条件も上がる」「私たちは地域公共交通としての安心安全を守るために今後とも運動を進めていく」とアピールしました。
白タクが無法地帯で
難波駅での宣伝でマイクを握った庭和田書記長は、レンタカー利用者に運転者をマッチングする「ジャスタビ」について、「有料で人を輸送しているにもかかわらず、その安全性について国交省も経産省も“我々の所管ではない”と言っている。無法地帯で白タクに道を開くようなものだ」「ジャスタビの先にあるのがライドシェア。安心安全をおざなりにしながら利益を追求する輩を許してはならない」と力を込めました。
政商・白タクで金儲け
2017/03/15
「ライドシェアも使えない国・日本はなんて遅れた国なんだろう」と日本を訪れた外国人観光客に思われると、主張し、白タク・ライドシェアを推し進めようとする新経済連盟ですが、代表理事の楽天・三木谷浩志取締役会長兼社長は、ただ単に自身がリフトに投資した約350億円に見合う儲けが欲しくて、公共交通の先進国・日本に危険な白タク・ライドシェアを持ち込もうとしています。
100年余の歴史を刻む日本のタクシーが、昔から世界的に評価されるタクシーでは、残念ながらありませんでした。とくに1950年代のタクシーは「神風タクシー」と呼ばれるほど無謀な運転ぶりだったと記されています。特に昭和33年1月に東大赤門前で東大生をひき殺すという事故を契機に社会問題化され、行政も動き出しました。その後オリンピック招致が決まったことで国策として取り組んだ結果「神風タクシー」はなくなりました。当然、労働組合もこの運動に全力を注ぎ、行政・事業者・労働者が共同して完結できた問題です。
歴史は繰り返すと言いますが、2020年に開催される東京オリンピックで、白タクを解禁しなければ、世界の笑いものになると主張する三木谷氏が率いる新経済連盟ですが、遅れているのは貴方たちで、都内の交通インフラを補完するバスや先進的な日本のタクシーに外国人が驚くことはあっても遅れていると感じる人はいないでしょう。様々な理由を付けていますが、規制緩和時にも数々あった「政商」が再び行われようとしていますが、彼らの思惑を許してはなりません。
自交総連本部「3・8中央行動」
2017/03/15
「国交省はライドシェア反対を堅持しろ」と声を張り上げるなかま(3月8日、霞ヶ関で)
危険なライドシェア
白タク認めるな
自交総連本部(高城政利委員長)は3月8日、自交労働者の労働条件改善をめざし、白タク合法化阻止、安心・安全を守る規制の強化などを掲げ、国土交通省と厚生労働省への個人請願行動や、経済産業省・全タク連交渉などを「3・8中央行動」として実施。関東を中心に全国から600人以上のなかまが東京・霞ヶ関に集結し、「白タク合法化は許さないぞ!」と拳を突き上げました。
全労働者のたたかい
国交省前での宣伝行動で主催者あいさつを行なった自交本部・高城委員長は、安倍政権の「働き方改革」について、「労働者を個人事業主に置き換え、働く者を労働法制から排除しようと目論んでいる」「安倍政権がライドシェアを突破口としてあらゆる産業の労働者性を破壊しようとしているのは明らか。白タク合法化阻止は自交だけではなく、すべての労働者のたたかい」と強調しました。
さらに高城氏は「トラック・バス・タクシーなど自動車運転者の過労死は全産業の3割にのぼる。過労死認定基準を超える時間外労働を可能とする改善基準告示を是正し法制化することが必要。行政・労働者・使用者による協議を行うことが喫緊の課題」と指摘。「今春闘で企業の社会的責任を追求し、自交職場の労働環境改善に向けて全力を挙げよう」と呼びかけました。
国の責任明確にせよ
全労連・小田川議長、交運共闘・安藤副議長、全労連公務部会・猿橋代表委員、日本共産党・清水忠史衆議院議員が連帯あいさつ。
清水氏は、石井国交大臣が2月7日の記者会見でライドシェアについて「極めて慎重な検討が必要」と述べたことについて、「“反対”とは明言せず“賛成するかもしれない”という余地を残しているのは重大な問題」「国民の安全、タクシー運転者の生活を脅かす白タク行為・ライドシェアについてはきっぱり“解禁させない”という国としての責任を明確にすることが必要」と批判。
また、レンタカーを使った白タク『ジャスタビ』が沖縄で始まっていることについて清水氏は、「これを実績の積み重ねにしてライドシェア解禁の口実にさせてはならない。たたかいはまさしくこれから」と強調しました。
〈2・16春闘学習決起集会〉
2017/03/07
大阪地方最低賃金審議会・労働者委員
立候補者を代表しての春闘決意表明
白タク阻止に奮闘
自交総連大阪地連・松下末宏書記次長
私たち6人の候補者は最賃をまず時給1000円に、そして1500円の実現を求めて奮闘する決意です。
タクシー業界では02年の規制緩和以降、事実上のオール歩合制賃金に台数増が重なって最賃法違反がまん延しました。一部事業者のエゴによって減車が進まないため、青森県弘前市では真面目に最賃法を守っていた会社だけが倒産するという異常事態が起こっています。
劣悪な労働条件が乗務員の高齢化・人数減を招き、業界は存続の危機を迎えています。経営者団体は「タクシーに最低賃金はなじまない」として大幅引き上げに反対していますが、賃金の裏付けなしに安心・安全を守れるのでしょうか。早急に大幅減車を行い、最賃割れを起こさない賃金体系構築に取り組むべきです。
実効性なき改善基準
タクシーやバス、トラックなど自動車運転者の労働時間は、いわゆる改善基準告示で規制されていますが最大で月100時間以上の時間外労働を容認しているため、運転者の過労死は全産業の30%にも及んでいます。自交総連は交運共闘のなかまと共に改善基準告示の改正・法制化を求める運動に取り組んでいます。
いま政府が行おうとしている「働き方改革」では残業の上限を月平均60時間、一時的に事務量が増加する場合は過労死認定基準まで容認するとしています。もし実施されればバスやトラックなどのように労働時間が上限に張り付いてしまいます。もっと実効性のある残業規制が必要です。
「労働者」が「請負」に
日本のタクシーには法人事業者と個人事業者があり、個人タクシーが許可を受けるには法人での乗務歴10年以上、10年間無事故・無違反、健康診断や運転の適正診断など高いハードルがあります。ところがいま新経済連盟が進めようとしているライドシェアの運転者はプロの経験不要で健康管理もされません。事故が起きてもアプリを運用するウーバーやリフトなどのIT企業は責任を一切とりません。すべて運転者任せです。そして運転者は「労働者」ではなく「個人請負」として扱われ、最賃や労働法制は適用されません。
自交総連は今春闘で賃金底上げ、過労死根絶を求めるともにライドシェア・白タク合法化阻止に奮闘することを申し上げて決意表明とさせていただきます。
厚生労働省2016年「賃金センサス」まとまる
2017/03/07
タクシー年収368万円
ほんまかいな月4万円増
厚生労働省が2月22日に公表した「平成28年(2016年、以後西暦で表記)賃金構造基本統計調査(賃金センサス)」の調査結果から、大阪府の男性タクシー運転者の年間賃金を編集部が推計してみたところ368万1300円となり、実態を反映しているのか疑わしい結果になりました。
賃金センサスは主要産業労働者の賃金実態について、毎年6月(賞与は前1年間)の状況を調査します。
大阪府・タクシー運転者(男)の賃金は、6月度給与の平均額が29万9000円で、前年同月比6万8700円増。この時点で眉つばものですが、前年1〜12月に支給された賞与は9万3300円で、前々年比34万8200円減。どうもチグハグです。
年間賃金を〔6月度給与×12+前年賞与〕で推計すると368万1300円となり、前年より47万6200円(月当たり約4万円)の増という結果になりました。
大阪府の全産業労働者(男)を見てみると、6月度給与の平均額が39万5700円(前年同月比2500円増)、賞与の平均額は113万8300円(前々年比2万7600円増)で、こちらの変動幅はタクシーよりは穏やかです。年間賃金推計額は588万6700円(前年比5万7600円増)。全産業とタクシーの賃金格差は220万5400円、前回より41万8600円縮小したことになりますが、これらの数字を信用できるなかまは少数派ではないでしょうか。
1乗務1万円の差が
自交総連大阪地連が昨年4月下旬に行なった「安全運転実態調査」では、日車営収の営業所平均(大阪市域交通圏・中型、4社)が3万2066円(小数点以下切り捨て)でした。この金額に×0.6(賃率)×12(乗務)×12(月)で年間賃金を推計すると277万502円で、賃金センサスより91万円797円下回ります。
逆に賃金センサスの大阪府・タクシー運転者(男)の年間賃金推計額から、日車営収を賃率60%、12乗務で逆算すると、368万1300÷12÷12÷0.6=4万2607(円)となります。調査月が異なるとはいえ、1乗務1万円も上回っては誤差の範囲内とはいえません。実態とかけ離れた数字に基づいて大阪市域を特定地域から外し、規制緩和を再開するなど絶対に許されません。