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2012年04月の記事

悪質事業者へ徹底指導を
2012/04/25

悪質事業者へ徹底指導を 大阪労働局・近畿運輸局の前で宣伝行動に取り組む大阪地連のなかま(4月12日)

タクシー業界の「常識」は世間の「非常識」


 有給休暇未付与、最低賃金法違反などの不法行為、さらには事業者が負担すべき経営コストの労働者への押しつけなど、世間の常識からかけ離れたタクシー業界の体質を変えるため、大阪地連(園田公作委員長)は4月12日、大阪労働局・近畿運輸局前での宣伝行動、大阪タクシー協会前での宣伝行動及び同協会への要請行動に取り組みました。

 「スーパーで買い物をしたお客さんがクレジットカードを使った場合、レジ係の労働者は手数料を賃金から引かれるでしょうか。“受益者負担”と称して労働者に負担させているのはタクシー業界だけです!」
 大労局や近運局などが入る合同庁舎(中央区)前で取り組んだ宣伝行動では、ビラやマイクでタクシー業界の実態を告発。園田委員長は「我々が大労局・近運局に実効性ある指導や監査を要請して以後、両局とも対応がスピーディーになり、指導内容が細分化されるなど一定の成果は出てきているが、まだ足りない。両局には相互通報制を活用するなどいっそうの指導・監査強化に奮闘していただきたい」とアピールしました。
 さらに、民主党政権による公務員人件費削減によって両局の人員が不足し、悪質事業者への対処に実効性を欠いている、と指摘し、「専門性を有した職員の育成とともに、自動車監査官や労働基準監督官を大幅に増員しなければ労働者の権利や利用者の安心・安全が守れない」と訴えました。
 大阪タクシー協会(同区)前でも宣伝行動に取り組み、マイクを握ったなかまは「“DX車使用料”などと称して減価償却費を労働者に課す事業者があるが、生産設備投資や営業コストは会社が負うべきものだ」と強調。
 園田委員長らなかま4人が「タクシー事業者の法令遵守を求める要請書」(左に別掲)を携えて同協会事務局を訪問し、応対した井田信雄常務に要請書を提出。同常務は「先般も労働問題研修会を開き、協会としても法令遵守に向け周知、啓発などしているが、なかなか実態は伴ってこない。法違反のないよう指導していきたい」と述べました。
 宣伝行動に戻った園田委員長は「指導を続けるだけじゃなくて徹底されなければ意味がない。地域全体から不法行為が一掃されるまで、この運動を継続していく」と力を込めました。

自交本部と日本共産党・穀田議員が意見交換
2012/04/17

自交本部と日本共産党・穀田議員が意見交換 穀田議員(最奥)にタクシー労働者の現況を説明する自交総連本部要請団

活性化法は全会一致総括して国会で追及


 自交総連本部(飯沼博中央執行委員長)は3月13日、全タク連への要請行動(3月下旬号で報道済み)に続いて日本共産党・穀田恵二衆院議員(国土交通委員)と懇談、国会情勢や労働条件改善に向けた国会質問の準備などを話し合いました。

 懇談で組合側は、民主党タクシー議連のタクシー事業法案要綱、タクシー活性化法成立以降の減車の状況、労働条件改善はいまだ不十分な状況、消費増税がタクシーに与える影響などについて穀田氏に説明し、意見交換しました。
 タクシー事業法案については「免許制にすることなど積極的な内容になっている」と評価した上で「国会での協議で各党の意見をまとめるのは容易ではない」との認識で一致しました。
 また、活性化法施行後3年間を総括してどうだったのかを国会の場で問う必要があり、減車の進行状況、地域協議会での議論の中身、運転者の賃金について検証するとともに、今春闘でも焦点となっている運転者負担など非常識・不適切な労働条件の問題などの追及、消費税がタクシー事業、運転者の労働条件に与える深刻な影響などを含めて、国会質問の準備をしていくことになりました。
 タクシー運転免許については、当面して資質の向上、登録制の強化などを図っていくことで協力を約束。野田内閣の悪政に反対して、労働者のくらしを守っていくための協力・共同をすすめていくこととしました。

第25回自交労働学校 本部・今村書記長が最賃問題を講義
2012/04/05

第25回自交労働学校 本部・今村書記長が最賃問題を講義 模擬団交では組合側と会社側に分かれ論戦を展開。委員長役の沢田特執(左列、手前から2人目)、専務役の本部・今村書記長(右列、最手前)、社長役の園田委員長(同2人目)が激論交わす

労使で知恵出し合って合法賃金を


 大阪地連(園田公作委員長)は3月27日、「第25回自交労働学校」を開き、各単組の幹部ら70人が参加。自交総連本部の今村天次書記長が最賃問題について、大阪地連・沢田茂特別執行委員が団体交渉についてそれぞれ講義を行なったほか、模擬団交にも取り組んで2012年春闘ヤマ場に備えました。

 主催者あいさつで園田委員長は「大阪地連はいま、大阪のタクシー業界全体の無法体質を変えるために、大阪タクシー協会、大阪労働局、近畿運輸局に向けて運動を強めている。同じことを各単組が職場で取り組むために必要な力を、この労働学校で学習していただきたい」と激励しました。

労働時間の区分が重要

 「労働時間なくして賃金はない。タクシーは変形労働時間制だから厳密に計算しなければならない」
 講義で自交本部・今村書記長は、法定最低賃金と自分の賃金を比較する際の注意点として、所定労働時間と残業・深夜など割増対象の時間を「区分」して計算しなければならないことなどを解説。
 さらに『全ての賃金には残業給、深夜割増給を含む』というような賃金体系では「区分」が判別できないことから、「割増賃金を払っていないのと同然」と指摘。「労使で知恵を出し合って合法の賃金体系≠考えないといけない。しかも1企業だけでの取り組みでは矛盾が出てくる。法律を守れば守るほど経営が苦しくなる構図にさせられてしまっているわけだから、地域全体をどう変えていくかという視点に立たなければ問題は解決しない」と強調。
 そして「事業者は賃金制度の問題から逃げられないのだから、最賃部分を固定給にするのが手っ取り早い。そういう賃金制度に追い込まないと減車が進まない。ハイヤーの減車が進んだのは固定給だから」と論じました。