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2014年04月の記事
自交総連未組織宣伝キャラバン 新大阪〜浜松
2014/04/28
愛知県でも乗務員負担まん延
力合わせて異常な業界正そう
九州から北海道まで全国を縦断する自交総連の未組織宣伝キャラバンを引き継いだ関西ブロックは4月14〜16日の3日間、新大阪から浜松までの主要駅で宣伝に取り組みました。各地で自交総連への加入を呼びかけたほか、労働実態の聞き取り、労働環境の調査も行いました。
スライド賃下げ許すな
1日目は新大阪→新神戸→京都→大津の順に巡りました。
新大阪駅で第1声をあげた大阪地連・秋山委員長は、「タクシー業界ではいまだに前近代的なやり方で労働者を食い物にする事業者が少なくない。事故を起こした労働者に損害金の全額あるいは高額負担を科す、クレジットカードの手数料や各種機器使用料を“受益者負担”と称して労働者から搾取するなど、社会規範に照らしても異常なことを続けている。こうした悪質事業者を業界から放逐する実効性のある制度が必要」と訴え、「労基法違反などの問題でお困りの時は自交総連にご相談を」と呼びかけました。
京都駅でマイクを握った京都地連・浅井委員長は、4月1日に京都市域で消費税増税による運賃改定と、1月に認可されながら延期されていた運賃改定が併せて行われたことについて「運賃改定は労働条件改善が目的。営収増を理由に足切りを引き上げたり賃率を下げるスライド賃下げは許されない。近畿運輸局もその旨の通達を発出している」と強調しました。
安心して仕事できない
2日目は草津→彦根→米原→岐阜羽島→岐阜、3日目は名古屋→岡崎→豊橋→浜松と巡り関東ブロックに引き継ぎました。
滋賀県では昨年8月に運賃改定が行われましたが、初乗り距離を短縮して初乗り料金を下げた上で、爾後料金を値上げしています。彦根駅で待機中の乗務員に「昨年の運改で初乗り利用者が増えましたか」と訊ねたところ、「全然増えていないし、全体の利用者が減って賃下げになった。消費税増税で営収はさらに落ち込んでいる」とのことでした。
名古屋駅で対話した乗務員によると、名古屋では事故損害金の乗務員負担は一般的だといい、「事故を起こしたら修理代の金額に応じて何割かを引かれる。大きい事故だと大変。安心して仕事やっとれんよ。事故はつきもんだでねぇ」と表情を曇らせました。職場に労働組合があるか訊ねたところ、「うちはないです。“共済会”しかない。“共済会”じゃどうしようもない」。
悪質事業者どこも同じ
岡崎駅で対話した乗務員も「事故を起こしたら全額自己負担。有休なんか関係ない。休むのは自由だけど働いた分しかもらえない。賃率は下の方は38で上は40」「障害者の1割引きも負担させられる。どこの会社でも全部会社が見とるやろ?違法じゃない?」「うちには組合がないから社長のいいなり。社長が何でも勝手に決めちゃうんだ、そういうのまずいやね」といい、組合づくりに関心を示していました。
大手のエゴに泣く個人
豊橋駅では個人事業者が私たちに話しかけてきました。同駅のタクシープールでは昨年9月から事業者別に並んで待機しています。事業者は法人4社と個人。待機スペースは3社と個人が1列ずつ、地域最大手の東海交通は2列あります。利用者がチケットの都合などで乗りたい事業者を乗り場に呼べる仕組みです。
話によると、「何十年と先着順で並んで何も問題なかったのに、東海交通がいまのルールを提案して各社とも右にならえで決まった」とのこと。「大手の車が先に出ていくので個人は2時間待たされることもある。月の売上げが4〜5万円落ちてしまった」「我々が個人的に抗議してもダメなんだ。お宅さんたちがタクシー協会に“豊橋では何でこんなかわいそうなことを”って言ってくれたら変わるかもしれない」と切実に訴える個人事業者に、なかまは東京個人タクシー労組の例を示し自交総連への加入を勧めました。
引き継ぎ地の浜松駅で関東ブロックと合流。同駅での宣伝で東京地連・川崎書記長は「まじめに働く者が報われる社会をつくることが自交総連の目標。みんなで力を合わせれば夢は必ず実現する。共にたたかおう」と呼びかけました。
問題だらけの大阪駅タクシー乗り場
2014/04/28
「大阪駅正面にタクシー乗降場を!」と書いたビラを配る大阪地連のなかま(4月21日)
西口移転で事態悪化
JR利用者目線欠落
大阪の代表駅であるにもかかわらず、正面口にタクシー乗降場がないJR大阪駅の現状を改善しようと、大阪タクシー協会と在阪タクシー労働4団体が協力して4月21日の朝と夕、同駅に隣接する阪急百貨店前で宣伝行動に取り組みました。自交総連大阪地連からは秋山委員長ら4人が参加しました。
JR大阪駅では再開発により、現在の御堂筋口(東口)タクシー乗り場を200メートル西の桜橋口(西口)付近に移転する計画が進められようとしています。
全国の主要駅には必ず駅正面にタクシー乗り場があり、バリアフリーにも対応していますが、現在、大阪駅の乗り場は東端にあるため、初めて同駅を訪れたタクシー利用者が乗り場を見つけることができず、さんざん歩き回るケースが少なくありません。同乗り場の列に並ぶ車が中央口に差しかかった時に利用者を引き受け、信号無視などを犯して難波方面に向かう光景も常態化しています。
苦労たえない乗務員
また、タクシー利用者が同駅正面口での下車を希望しても降車場がないため、後続の市バスや一般車からクラクションを鳴らされるなど乗務員の苦労もたえません。
JRの計画通りに乗り場が桜橋口のみになってしまうと御堂筋口・南口・中央口からの距離もあり、特に阪急百貨店からは駅ビルをはさんで最も遠い位置になります。買物客を目当てにバックづけする車が現在でも問題になっていますが、事態がより悪化することは目に見えています。また、ここが乗り場に並ぶ車の先頭になると最後尾がグランフロントに達して渋滞を引き起こす恐れもあります。
工事完成後に問題が認識されたとしても修正は困難です。JRはいまのうちに計画を再考すべきです。
大阪交運共闘が大阪労働局・近畿運輸局に要請
2014/04/15
長時間労働の罰則強化を
大阪交通運輸労働組合共闘会議(大阪交運共闘、南修三議長)は3月24日、大阪労働局・近畿運輸局との交渉にそれぞれ取り組み、交通運輸産業の安心・安全を守るために必要な労働条件改善に向けた政策を要請しました。また同日夕には難波・高島屋前での街頭宣伝にも取り組みました。
大阪労働局
労組と方向性は同じ
累進歩合重点に指導
大阪労働局交渉で組合側は、「交通運輸産業では長年にわたる規制緩和政策のもとで労働者の労働条件を無視した過当競争・コスト削減競争が進められた。その結果、異常な低賃金や健康破壊をもたらす長時間労働が今なおまん延し、安心・安全の低下とともに交運労働者が第一当事者となる交通事故も高止まりしたままだ」と指摘、(1)過労運転防止の実効性が上がるように厚労省告示「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)を改定・法制化(罰則強化)すること、労働時間を不当に休息期間・休憩時間扱いするような事業者を適切に指導し是正すること、(2)貸切バス業界で改善基準告示に違背する旅行日程が組まれている実態を是正すること、(3)タクシー業界の累進歩合制賃金廃止を徹底するために大阪タクシー協会はもとより非加盟団体・事業者へも文書で勧告すること、(4)指導・監督体制の強化などを要請しました。
積極的に司法処分行使
局側は「自動車運転者に関しては、トラック、タクシー、バスに関わらず所定外労働が他の業種に比べて多い。全産業の年124時間に対して運輸業は286時間」「大阪では脳・心臓疾患の労災申請件数が109件あったが、そのうち34件が運輸関係(2012年度)」「労働時間の問題に関しては、労働組合とベクトル(方向性)は同じ」との認識を示した上で、改善基準告示の改定・法制化については「当局で対応できる問題ではないが、労働者側から罰則強化の要望が非常に強いということは十分承知している。これまでも要望がある都度、本省に上申しているが改めて上申する」と応じました。
組合側は「圧倒的に立場の弱い労働者側でなく事業者側に立って申告も受け付けない監督官がいる。監督官によって、対応が違うのはなぜなのか」と指摘・質問。局側は「重要な位置づけとして公正な監督指導を掲げている。悪質な事業者は積極的に司法処分を行使するようにと本省が言っている。大阪労働局としても行使するように労基署には言っている」と答えました。
また局側は累進歩合制の廃止徹底について「累進歩合に重点をおいて監督指導する方向性には変わっている。事業者団体への通達は今後の検討としたい」としました。
近畿運輸局
公定幅運賃範囲内へ
手続速やかに進める
近畿運輸局交渉での組合側要請項目のうち、タクシー関係は、「“供給過剰を効果的に解消するとともに、運転者の労働条件の改善やタクシーのサービス水準の向上などを実現し、利用者にとってさらに安全で、安心して利用できる公共交通機関として進化させること”を目的とした改正タクシー特定地域特措法の実効性を、どのようにして上げていくのか具体的に明らかにすること」。
局側は「過度の値下げ競争に起因したタクシー運転者の所得の低下を防ぐとともに、運賃以上にサービス面での競争の活発化を促進し、タクシーサービスの質の改善や高度化を実現していくため、公定幅運賃制度を導入した」「公定幅の範囲外で届出がされれば、複数回の指導、勧告そして変更命令という手順を踏んでいくことになるが、現時点で、何か月で公定幅に収れんされるかは不明な部分もあるが、速やかに手続を進めていきたい」と回答。また、強制力のある供給削減措置をとることになる特定地域指定について「現段階では指定基準は示されていない。パブリックコメントで出された意見や、平成25年度の収支実績の検証を行なって基準を定めることになっている。具体的な基準はまだ示されていないが、地域指定されれば適切に対応していきたい」と答えました。
また、組合側はバス労働者からの要請として「乗合バスに傭車(ようしゃ)(下請けのバス会社に発注する)で運行できる制度が導入されているが、傭車運行は臨時的な運用とし、恒常的な要員不足の補充として運行を行わせないような法的整備を行うこと」、「公共交通としてバス事業はなくてはならないが、運転者の確保が難しくなっている現在、賃金の底上げ、労働条件の向上が急務となっている。国からの補助、労働時間の短縮に向けた法整備を行うこと」を要請しました。局側は「要望については本省に伝える」としました。
大タ協 累進歩合は労務委員会で
2014/04/07
大阪地連は3月13日午前、中央区の大阪タクシー協会(藤原悟朗会長)を訪れ、タクシー労働者の労働条件改善、累進歩合給制度の廃止を求め、同協会は「厚労省・国交省の通達もあるので累進歩合について、労務委員会で検討したい」としました。
秋山委員長は、1月27日に施行された「改正」タクシー特定地域特措法の趣旨に基づいて、「要請項目を絞っているので、回答を得た上で意見交換したい」と述べました。
改正法は一定評価
大阪タクシー協会の足立専務理事は、「全国のタクシー業界として望んでいた改正タクシー特定地域特措法の施行ということで、全タク連ともども一定の評価をしている。改正前の特措法でできなかったことが、今回の改正で何歩かは進んだということだが、公定幅運賃の設定が最大のポイント。ここから先は、特定地域にならないと物事が解決しないという要素も含んでいるので、注視していきたい」と回答しました。
大阪地連は、衆参の附帯決議にある労働条件の改善や厚労省・国交省の累進歩合に関する「通達」に対し、協会としてどう対応していくのか質すと、足立専務は「協会として脱法は認められない」「労働者負担問題は、労使協定等あるところまで踏み込めないが問題意識はある」「累進歩合については、労務委員会で検討したい」などと回答しました。
大阪地連「第27回自交労働学校」
2014/04/07
許すな合理化14春闘
歴史に学び未来に展望
大阪地連(秋山民夫委員長)は3月27日午後、「第27回自交労働学校」を自交会館で開催。自交総連本部・今村天次書記長が「自交総連の過去、現在、未来」と題して講義を行なったほか、14春闘勝利への確信を深める模擬団交にも取り組みました。
失敗した経験に学べ
本部・今村書記長は、自身の40年にわたる労働運動の経験、自交総連の結成後35年を越えるたたかいの中で学び取ったこととして、(1)「原点・原則に立ち戻る」、(2)「失敗した経験から学ぶ」、(3)「目標を持つ」ことの重要性を強調。
(1)について、「労働組合としてやっていいことと悪いことがある。労働組合が何のために生まれたのか、“何のために”を忘れた時には必ず問題が引き起こされる」として、自交総連の前身である全自交労連が分裂に至った経過を紹介。政党支持・政治活動の自由に対し一部幹部が実質的な特定政党支持を提起、組合民主主義に反する策動を行なった上、年度別賃金(運改時の賃金スライドダウンを当然視する賃金方針=労使協調路線)を打ち出したことなどから、自交労働者の真の利益の守り手として自交総連が誕生、「労働組合の原点・原則をずっと守り続けていまの到達点がある」と話しました。
めざすべき目標持て
さらに今村書記長は、「特定地域指定の時期が先送りされる中で消費税増税が強行される。さらに10%に上げられる危険性もある」「経営がどう動くか。恐れる必要はないが起こりうる問題に対する危機感を持たなくてはいけないし、それに備える対応もとらなくてはいけない。大阪地連の一人ひとりが考えないといけない」と警鐘を鳴らした上で「目標を持つ」ことの重要性を重ねて強調。
めざすべき目標として「安心・安全を守る」「乗務員が誇りと働きがいを持てる職業」「地域社会への貢献」を挙げ、「この3つを念頭において政策、方針を考えることが大事。そのひとつの大きな方向性を示しているのがタクシー運転免許構想」と強調、供給過剰の解決策として「車を減らすことだけが減車ではない。国家資格を持つ運転者の数が限られることで、間接的な減車になり、働き方の選択も増える」と指摘しました。