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2015年04月の記事
労働条件改善の約束果たせ!4・17自交総連統一行動
2015/04/27
「特定地域指定に同意するよう事業者への働きかけを強めよう」と新大阪駅で宣伝行動に奮闘する大阪地連のなかま(4月17日、車上左は秋山委員長。写真は一部加工)
特定地域指定に向け
自交総連大阪地連(秋山民夫委員長)は4月17日、全国の「自交総連統一行動」の一環として新大阪駅、南海なんば駅、堺東駅で宣伝行動を展開。30人が参加して「国は労働条件改善の約束を果たせ」とアピールしました。
宣伝のマイクを握った大阪地連・秋山委員長は改正タクシー特定地域特措法について、「国土交通省が規制改革会議の圧力に屈して骨抜きにしてしまった」「元の特定地域(供給過剰地域)が準特定地域(供給過剰のおそれがある地域)に格下げされた上、新しい特定地域(強制減車が可能)には実働実車率や総実車キロ 交通圏人口など6つもの要件を満たさなければ指定されない。人口が30万人以上の交通圏に限定されたため指定候補は全国で29交通圏に狭められ、大阪では大阪市域交通圏のみとなった」と指摘。
ハードル越え業界の改善を
さらに秋山委員長は「特定地域に指定されたとしても機能しないよう幾重(いくえ)にもハードルが盛り込まれており、はらわたが煮えくりかえる」と語気を強めました。
事業者については「地域協議会を前に大阪タクシー協会が揺れている。特定地域指定同意でまとまるか、先を見通せない」と危機感を示し「大阪市域が特定地域に指定されるよう大タ協は結束すべきだ。私たちは座して死ぬわけにはいかない。事業者に対して働きかけを強くしなければならない」と訴えました。
業界のセーフティネット
特定地域指定に結束せよ
福井副委員長は、自交総連が昨年の8月1日に規制改革会議に対して「国民の安心・安全より『営業の自由』を上に置くことは許されない」とする要請を行なったことを紹介し、「応対した内閣府の担当者は、規制改革会議の中に“タクシーは規制緩和が中途半端になった、もっと緩和すべき”と主張する委員がいることを明かした。全国のタクシー労働者のみならず事業者も惨憺(さんたん)たる状況だが、規制改革会議は過去も現在も、自分たちが起こした“規制緩和失敗”の罪の意識がまったくない」と厳しく批判しました。
吉田副委員長は市民に向けて「タクシー業界ではいまだに前近代的なやり方で労働者を食い物にする事業者が少なくない。交通事故を起こせば全額負担や高額負担を科す事業者も後を絶たない。クレジットカードの手数料や各種機器使用料を“受益者負担”と称して労働者から搾取するなど、社会規範に照らしても異常なことを続ける事業者がいる。大阪労働局や近畿運輸局に対し“ブラック企業を野放しにするな”と声を大にして訴えている」と私たちの運動を紹介。
さらに「歩合給と固定給のバランスの取れた給与体系の再構築、累進歩合制の廃止、事業に要する経費を運転者に負担させる慣行の見直し等賃金制度等の改善等に努める」ことなどをタクシー事業者に求めた衆参附帯決議を紹介、「業界はいまだに改善していない」と指摘し、運動への理解と協力を訴えました。
労働条件改善は置き去り
2015/04/15
「特定地域指定を巡って業界が迷走」――。4月27日に開催される大阪市域交通圏の準特定地域協議会(安部誠治会長・関西大学社会安全学部教授)を前に、大阪タクシー協会(三野文男会長)が揺れに揺れています。
「特定地域指定」に向け協会加盟会社への「同意」取り付けに事務局幹部が精力的に動いていますが、業界誌の報道によりますと「同意」「不同意」の優劣不明との見出しが躍っています。先の協会理事会での意見を受け同事務局が加盟事業者に対し13日締め切りで、特定地域指定同意の「意向調査」を行いましたが、返信状況が勢いよく返ってきている状況ではないようです。
“総論賛成各論反対”が常の業界であることは、組合員や読者も熟知してるとは思いますが、「また労働条件の改善は置き去りか」と感じている人は少なくないように思います。
02年に規制緩和され、大阪のタクシー業界は“底なし沼”に落ち込んだと言っても過言ではありません。労働者は生存権を脅かされる事態に直面し、今日に至っては事業者も赤字会社が大半を占める状況です。
「規制緩和の実験場にされた大阪のタクシー業界を何とかしなくては」との思いから労使が共同して運動(08年9月3日の大阪タクシー業界危機突破決起集会)した結果、09年(タクシー適正化活性化特措法・略称)、14年(タクシー特定地域特措法・同)に帰結したと言え、少なくとも事業者自らが求めた「法律」であることを理解した行動が求められます。
三野会長が「ザル法」と指摘した法律の不備(強制減車)を改善した「タクシー特定地域特措法」でしたが、国土交通省が規制改革会議の圧力に屈して骨抜きにされました。“供給過剰”であった特定地域指定条件を、“供給過剰のおそれ”とする準特定地域に格下げしたうえ、30万都市に限定したため特定地域指定候補は29交通圏(大阪=大阪市市域のみ)に狭まりました。そればかりか特定地域に指定されたとしても幾重に機能しないようにハードルが盛り込まれています。
読めば読むほど腑(はらわた)が煮えくりかえる指定基準ですが、規制緩和に近い“おそれ”の準特定地域より“供給過剰”の特定地域であるべきです。強制減車や営業方法の制限、不平等解消等、事業者が心配する問題は近畿運輸局が示した資料を読み込めば“言わずもがな”です。
「低額」事業者の公定幅運賃訴訟 大阪地連が裁判所に向け宣伝行動
2015/04/06
エムケイ・ワンコインの実態
しっかり見て公正な判断を
タクシー乗務員の労働条件を改善して安心・安全を守るために「改正」タクシー特定地域特措法が昨年1月に施行、同年4月から義務化された公定幅運賃(大阪府=初乗り660〜680円)をエムケイグループやワンコイングループなどが不服として裁判に訴えています。自交総連大阪地連は3月24日に大阪高裁・地裁合同庁舎前で宣伝行動に取り組み、両グループの「実態を理解して公正な判断を」と訴えました。
「低額運賃」可能にしているのは労働者からの違法搾取
大阪地裁は昨年5月23日、近畿のエムケイ4社と14の個人事業者「MKパートナー」が国からの運賃変更命令や処分を差し止めるよう求めた仮処分申請を認める決定を出しました。今年1月7日には大阪高裁が地裁決定を支持し、国側の即時抗告を棄却しました。
現在は、エムケイ側が国を相手取り大阪地裁に起こした正式裁判(田中健治裁判長)が係争中で、同様の裁判がワンコイングループなどからも提訴され審理が続いています。
まっとうな会社は薄利
宣伝でマイクを握った大阪地連・秋山民夫委員長は「タクシー運賃は総括原価方式で“適正な原価(経費)に適正な利潤を加えたもの”とされている。その“適正な利潤”は約2.5%に過ぎず、まっとうな商売をするタクシー事業者であれば薄利」とした上で「その真逆の代表といえるのがエムケイグループやワンコイングループであることを裁判所は理解すべき」と強調しました。
そして、エムケイやワンコインなどが“公定幅運賃が営業の自由や経営の努力を阻害する”と主張していることについて、両グループとも「事業を行う上で発生するリスクやコスト負担を運転者に課し、労働者犠牲の上で成り立つ低額運賃を用いて営業している。ブラックな手法で“他社から利益を略奪する”こんなやり方が許されていいはずがない」と語気を強め、公正な判断を下すよう裁判所に向けて訴えました。