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2011年05月の記事
2011年度安全運転実態調査の結果まとまる
2011/05/25
調査車、金曜でも3万届かず
2011年度安全運転実態調査(4月20〜26日)の結果がまとまりました。この調査はタクシーの過酷な労働実態を明らかにすることを目的に、79年から毎年実施しているものです。調査では実施車両(以下、調査車)が出入庫や休憩時間など各社労使で定めた労働条件、速度など交通ルールを遵守して営業を行います。
1週間を通した平均値で営業所平均と調査車の差を見てみると、営業収入は、1503.7円(昨年367.1円)、走行距離は21.7`(同1.2`)、営業所平均が調査車を上回りました。昨年と比べて営収、走行距離ともに差が拡大しています。
差が最も開いたのは22日(金)で、営業収入は7606.2円、走行距離は41.8`も営業所平均が上回りました。調査車は金曜日でも3万円に届きません。
平均営収は営業所平均が昨年と比べ1595.6円の増、調査車は459円の増でしたが、私たちが求める適正賃金水準を考えれば遠く及びません。
過労運転を防止し、安全運転に徹したうえで生活できる賃金が得られるようにするためには大幅減車の実現と、不当な安売り運賃の是正が急務です。
また、平均稼働率は75.2%で、昨年より4.6ポイント下落しています。これは各社とも一定の減車を行っていての数字です。
今回の調査にご協力いただいた関中旅客守口、関中親和、朝日、東洋、大宝、国際タ、以上6社の労使に感謝いたします。
非協力事業者に経営実態調査
2011/05/16
減車完全実施へ取り組み強化
国土交通省はタクシー活性化法の附帯決議の趣旨をふまえ、特定地域内で減車に協力しないタクシー事業者の経営実態調査・監査を実施する方針を決め、4月13日付通達で各地方運輸局などに指示しました。
同通達によると、各地方運輸局の輸送部門における対応は、@地域協議会に参加しない事業者、減車に協力しない事業者など調査の対象となる事業者のリストを作成。減車が進んでいない特定地域では原則として全事業者を対象にする→A対象事業者に、直近1か月分の収支状況・輸送実績などについての調査票を送付し、30日程度以内に報告するよう指示→B調査票の提出を受けて乗務距離の最高限度、拘束時間の遵守状況を精査→C事業者に調査票の記入根拠となる資料を用意させたうえで対面調査を実施→D調査の結果、法令違反の疑いが生じたら内容を精査して事業者に事実確認、改善指導という流れです。
さらに、各地方運輸局の輸送部門は「調査結果に関係資料を添えて、監査部門に情報提供」「適正化、活性化の状況を踏まえ、必要と判断する場合には、本調査を定期的に繰り返し実施」すること、と定めています。
特定事業計画に基づく減休車が2月末に完了しましたが、大阪市域では194事業者のうち64者が減休車を行なっていません(3月4日現在)。国交省は昨年11月の自交本部との交渉で「(減車しない事業者の)ただ乗りを許さない」と明言していましたが、本腰を入れた形です。
大阪市域の3月輸送実績は中型車日車営収2万7588円で、前年同月比は減収に転じました。第2次の大幅減車が早急に必要ですが、その実現に向けたステップとして第1次減車をすべての事業者に完了させなければなりません。
タクシー運転者年間賃金の推計
2011/05/06
全国=278万2500円
大阪=265万円 厚労省・賃金センサス
全国ハイヤー・タクシー連合会(富田昌孝会長)は4月1日、同会がとりまとめた「平成22年タクシー運転者の賃金・労働時間の現況」をホームページ上で公開し、2010年のタクシー運転者(男性・全国)の推定年収が「前年に比べ8・9%、2万5000円減の278万2500円であった」と報告しました。
このレポートは、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査 (賃金センサス)」・平成22年(2010年)分の調査結果から、全タク連事務局が参考資料としてとりまとめたもので、〔2010年6月度給与×12+2009年の年間賞与〕で年間賃金を推計しています。
なお、「都道府県別のデータは必ずしも実態を正確に反映したものとは評価できない」として、全国計についてのみ掲載しています。
賃金センサスによると、男性タクシー運転者の2010年6月度給与の全国平均額は21万7000円で、前年比400円の減少。2009年中に支払われた年間賞与平均は17万8500円で、前年比20200円の減少でした。
この金額を元に前出の計算式で年間賃金を推計すると278万2500円、前年に比べて2万5000円の減少となりました。
また同レポートは、男性タクシー運転者と全産業男性労働者との年収格差を、244万7700円と算出しています。
編集部が同年賃金センサスの都道府県別結果から、大阪府の男性タクシー運転者(対象=8990人)について数値を拾ってみたところ、2010年6月度給与の平均は20万3000円、2009年の年間賞与の平均は21万4000円。年間賃金を推計してみると265万円でした。
昨年(295万6900円)、一昨年(350万4000円)の金額と比較して「ようやく賃金センサスが実態を反映するようになったか」というのが現場の実感ではないでしょうか。
大阪タクシー協会がまとめた2月の輸送実績によると、大阪市域・中型車の日車営収は2万7963円。前年当月比で5.8%増ですが、私たちが求める適正賃金にはほど遠い金額でした。しかも東日本大震災の発生以後、「自粛ムードで営収が大幅に落ち込んでいる」との声が多くのなかまから寄せられています。
同輸送実績によると実働率は79.2%。近運局は実働率を80%と想定した場合の適正車両数を13500両と打ち出しましたが、第1次減車実施後の大阪市域の車両数は13533両。それでこの金額ですから、もう答は出ています。第2次の、それも大幅な減車が早急に必要です。
1日も早く!! 東北を元気に
2011/05/06
タクシー労働者に義援金カンパを呼びかける南地協のなかま(堺東駅で)
「ハンドル5の日行動」で義援金カンパよびかけ 南地協
南地協(山本均議長)は4月26日、東日本大震災・被災者支援の募金活動を「ハンドルおおさか・5の日行動」と併せて取り組み、関中自(2人)・佐野南海・未来都・鳩・大同・商都・国際タの各単組から計8人が参加。天王寺(阿部野橋)駅と堺東駅で、待機中のタクシー労働者に義援金カンパを呼びかけました。
宣伝カーの上からマイクで被災者支援を訴えた南地協・山本議長は、復興財源について「消費税などの庶民増税は日本経済をいっそう冷え込ませ、復興の障害になります。政党助成金や在日米軍への思いやり予算といったムダづかいにメスを入れるとともに、労働者を犠牲にして257兆円もの内部留保を貯め込んでいる大企業に社会的責任を果たさせなければなりません」と強調しました。
2か所合計で4950円の義援金が寄せられました。大阪地連および各地協・バス部会が集めた義援金は大阪労連を通じて各被災地の現地対策本部にに送られます。