HOME < タクシートピックス
タクシートピックス
更新情報・ニュース
月別バックナンバー
2012年05月の記事
自交総連西日本未組織宣伝キャラバン行動
2012/05/07
新大阪駅で宣伝行動に取り組む大阪・京都両地連のなかま(24日)
都市部ほど労働条件劣悪
大阪地連と京都地連は4月24〜26日、「自交総連未組織宣伝キャラバン」の一環として新大阪駅を皮切りに兵庫県、岡山県での宣伝行動と労働実態調査に取り組み、新大阪駅には両地連合わせて20人、兵庫・岡山には大阪地連から三役ら8人と京都地連・石原書記長、浅井執行委員が参加しました。
新大阪駅で宣伝のマイクを握った大阪地連・園田委員長は「タクシー労働者の年収が大きく落ち込んだのは98年、前年に消費税が5%に上がり医療費の窓口負担も増えるなど国民負担が増え、景気が冷え込んだ。そして、その後の規制緩和でさらに大きく落ち込み、他産業との格差が大阪では263万円に拡がっている。タクシーの労働条件を良くするためには国民負担を減らして景気を良くするとともに、規制緩和で増えすぎたタクシーを減らさないといけない」と強調。
さらにタクシー業界では悪質事業者による最低賃金法違反や有休未付与などの違法行為、クレジットやチケットの手数料、車両負担金、事故弁済金など経営コストの押しつけが乗務員を苦しめていると指摘し、「大阪だけではなく日本全国で同じ問題が起こっている。このキャラバンで兵庫や岡山の実態を調査し、運動の前進と組織拡大につなげたい」と述べました。
阪神間 ほとんどがアルバイト
新大阪駅での宣伝を終えるとキャラバン隊はJR尼崎駅→阪神尼崎駅→西宮北口駅→新神戸駅→三ノ宮駅→西明石駅の順にタクシープールを巡りました。
阪神間では対話した乗務員の約半数が「有休はない」と回答。嘱託者の割合が高く、そのほとんどの人が「私はアルバイト」と話していました。JR尼崎で対話したAさん(正社員)は「売上は2〜3万円。事故を起こしたら被害額の10%が乗務員負担。会社が勤務時間を一方的に書き換えたので労基署に訴えようと思っている。独りでもたたかう!」と怒りをあらわにしていました。他にも「甲子園球場で大阪の車が区域外営業している」(JR尼崎)、「エムケイが一般車の降車スペースから利用者を乗せていく」(新神戸)など日ごろの鬱憤を吐露する声が相次ぎました。
初日は姫路市で投宿。2日目は姫路駅→相生駅→倉敷駅→岡山駅で宣伝、調査を行いました。
姫路 大阪とタメはる劣悪さ
姫路駅では「足切り36万円以上で賃率48%、切ると35%」「身障者割引の10%までも乗務員負担」など驚くべき実態が明らかになったほか、大阪と同様に供給過剰が深刻で、安売り運賃の車も幅を利かしており、多くの乗務員が怒りの声を寄せました。
中でも理髪店を廃業してタクシー業に入ったというBさんは「散髪屋も酒屋もタバコ屋もみんな規制緩和でアカンようになったんや!みんな小泉(=元首相)が悪いんや!」とまくしたて、「あんたら岡山まで行くんか。わしらの話聴いとったら1日かかるで」と笑っていました。
岡山県に入り、倉敷駅では5人中2人、岡山駅では4人中3人が「有休なし」。同駅では「JCBの手数料をとられる」「事故弁済金は3万円までが乗務員負担」との回答もあり、事業者による法違反や経営コスト押しつけは全国的な問題であることを改めて確認しました。
2日目の宣伝を終えるとキャラバン隊は、岡山市内で山陽交通労組の山上書記長(岡山地連委員長)と合流しました。
岡山 山陽交通は解雇撤回を
山上書記長は定年後1年契約の嘱託乗務員として働き毎年契約を更新してきましたが、2011年6月、63歳の更新時に、次期契約が一方的な賃下げ、雇用者を選別する内容だったため労組書記長としての立場から抗議し、署名を保留したところ会社に契約更新を拒否され、雇い止め解雇されました。
行動最終日にキャラバン隊は山上氏と山陽交通(岡山市中区)に赴き、同社の職制に争議解決「要請書」を提出。会社側は組合側の人数に驚きつつ「要請書」を受けとりました。