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2017年05月の記事
国交省が規制改革ホットラインに回答
2017/05/25
白タク「対応不可」堅持
国土交通省は、規制改革ホットラインで新経済連盟から要請されていたライドシェア実現のための法整備について、3月31日付で「対応不可」との回答を出しました。このほど規制改革推進会議のホームページで公表されました。
回答では、新経連の要請が、プラットフォーム(仲介企業)に運転者管理など一定の責任を負わせるとしているのに対し、「運行管理や車両整備管理等について責任を負う主体を置いたものとは言えない」としたほか、プラットフォームとドライバーに保険加入を義務付けるとの提案にも、保険だけでは「国民の理解を得られない」、タクシー運転者の労働環境に影響を与えるなどとして、「提案の内容は、安全確保、利用者保護等の観点から適切ではない」としています。
規制改革(推進)会議にライドシェア解禁の提案が出されたのは3回目で、1回目は15年4月、2回目は15年10月に新経連が提案、それぞれ15年6月、16年8月に国交省が「対応不可」と回答しています。3回目の提案となった今回も、「不可」が維持されましたが、規制緩和をとなえる勢力は根強く、執拗に解禁を求めてくることが予想され、規制改革推進会議で今後、議題にのぼる可能性もあります。(自交総連本部「自交労働者情報」5月10日付)
大阪市域交通圏の特定地域計画決まる 供給削減目標8〜12%、ただし強制力なし
2017/05/16
3年要して結実
開催期日が順延されるなど紆余曲折を経ている第4回大阪市域交通圏タクシー特定地域協議会(安部誠治会長=関西大学社会安全学部長)は5月8日午後、天王寺区の大阪国際交流センターで開催され、強制力を持たない供給削減目標8%〜12%の地域計画が合意(大阪府は採決棄権)されました。
本来、強制力を伴う減車措置ができる仕組みですが、大阪府や一部の事業者の反対が予想される中、地域計画の合意を優先した結果といえます。そもそも労働環境の改善を所期の目的としたタクシー特措法に基づく協議会なのですが、様々なハードルの高さからスピード感が伴うことなく進められてきたこともあって、現在の状況では意味をなしません。
実車率が70%を切る実態にある大阪市域交通圏で、12%削減しても労働環境の改善や市場への供給には全く効果が見込めません。
この間の協議でも大阪の事業者は未だに車両を「財産」だと考える経営者が少なくなく、協議会の運営は困難を極めました。そうした中で、安部会長は舵取りをしてきたのであって、「地域計画」の合意にたどり着けたのは同会長の奮闘はもとより大阪タクシー協会(三野文男会長)をはじめとした関係者の働きかけが実を結んだと言えます。
「強制力」はないが、真面目に将来を見据え事業運営する事業者にとっては、有効に経費削減ができる「全休車」ができることになります。地域計画の「認可」に2か月程度かかり、その後各事業者が「事業計画」を作成し、早くて10月頃の実施になると思われます。結果的に「特定地域」の指定から3年を要し、「大阪の闇は深い」といわざるを得ません。