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2022年05月の記事

本流逆流(5月15日付コラムより)
2022/05/17

 編集長として16年、「ハンドルおおさか」に携わってきたがこの号を最後に離任することになった。
 着任する前年に福知山線脱線事故が起きた。安全性よりも効率を重視するJR西日本が、「日勤教育」で運転士を精神的に追い詰めた末に起きた大惨事だった。本紙は常に公共交通の安心安全を主眼に置いてきた。
 タクシー業界は02年の規制緩和を受けた新規参入・増車、運賃値下げ競争でボロボロになった。09年にタクシー適正化・活性化特措法という規制強化を勝ち取ったが業界再生の道は険しい。
 本紙1面を飾ったトピックで最も嬉しかったのは第一交通闘争の勝利だ。各地のタクシー会社を次々と買収し、卑劣な組合つぶしで拡大を続けてきた第一交通産業相手に8年2か月の激闘の末、勝利を収めた。
 白タク・ライドシェア合法化阻止闘争では19年3月、東京のソフトバンク本社に怒りのシュプレヒコールを響かせた。怨敵・竹中平蔵氏をして「ストロング・ユニオン」と言わしめた。闘う労働組合・自交総連の本領発揮だった。
 編集部を離れ、職も変わるが自交総連組合員としての活動は続く。タクシー労働者の社会的地位向上という目標は持ち続けたい。

事業用自動車の重大事故発生状況
2022/05/09

乗務員起因事故・ハイタクの走行キロ当たり件数増止まらず



 事業用自動車の重大事故発生状況2020年分が国交省から公表されました。発生件数は19年に比べて全体的に減っていますが、「乗務員に起因する事故」の走行キロ当たり件数はハイタクだけが増えています。

 全体の発生件数が前年比減となったのは、バス・ハイタク・トラックの3業種ともコロナの影響で走行距離が減り、特にバスとハイタクでは稼働が極端に減ったためだと思われます。
 ハイタクの「乗務員に起因する事故件数」は135件減っていますが、走行キロ当たりでは増加しています(1億キロあたり4.96→5.17)。タクシー需要がコロナ前の水準に回復しつつある中での懸念材料です。
 運転者の高齢化が指摘されて久しいタクシー業界ですが、運転に必要な視力や運動能力、認知機能などが加齢により低下するのは必定(ひつじょう)です。将来を担う世代が業界に入ってこなければ未来はありません。労働条件の改善、とりわけ他産業との賃金格差是正を急がなければなりません。

京都地連・総評 ラジオCMで業界告発
2022/05/09

事故弁済金や手数料等の乗務員負担


 京都総評(梶谷憲議長)と京都地連(福田徹委員長)は4月14日午後、京都市左京区の京都教育文化センターで組織拡大に向けた「総がかり行動」の調整会議をひらき、京都のタクシー業界でひろく行われている乗務員負担問題を告発するラジオCM(5月10日〜20日)と、主要ターミナルや繁華街での宣伝行動を5月31日に実施することを決めました。

 新型コロナウイルス・オミクロン株の拡大で「総がかり行動」の宣伝を延期してきましたが、蔓延防止も解除され本格的に行動を再開するため14日、15時から京都教育文化センターで調整会議(座長=京都総評の柳生剛志事務局長)をひらき、5月〜6月の行動について議論しました。
 昨年12月の「総がかり行動」を最後に宣伝は控えてきましたが、調整会議は継続し今後の取り組みについて協議を重ねてきました。
 京都は新型コロナの影響で苦しむタクシー労働者が少なくなくありません。その過酷な実態を1日も早く改善するため、従前と違う取り組みが必要だとの結論に達し、費用対効果も考慮してKBS京都ラジオでCMを流すことにしました。

5月10日からCM流す

 この日、最終的に5月10日〜20日にかけて、1週目は火木土で2回ずつ、2週目は月水金で2回ずつの計12回放送することにし、内容については「タクシードライバーに転職しました!この仕事、やりがいはあるけど…事故の修理代もクレジットの手数料も、給料から勝手に天引きされるんですよ」と男性の声で始まり、「運転手さん、それ違法です!ご相談は、フリーダイアル0120-378-060。労働組合の京都総評まで」と女性の声で呼びかける仕様になっています。
 このCMに決定したのは京都地連の松田副委員長の一言が決め手になりました。「タクシーはやりがいもある仕事なので、そこも強調し、悪いところの改善を求める内容の方が良い」。