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2023年05月の記事
参議院・国土交通委員会は協議運賃制度を廃案にしろ
2023/05/08
「協議運賃制度で不当な競争と利用者の公平性を破壊するな」と横断幕で抗議するなかま
国土交通労組のなかまも座り込み
自交総連は4月17日、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律案」の廃案をもとめ、参議院議員会館前で東京地連、神奈川地本と交運共闘のなかまとともに、「協議運賃制度で不当な競争と利用者の公平性を破壊するな」「参議院国土交通委員会は協議運賃制度を廃案にしろ」と横断幕を掲げ座り込み、抗議しました。
参議院議員会館前で行われた抗議・座り込み行動で自交本部のコ永副委員長(東京地連委員長)は、「タクシーの運賃という根幹に関わる問題でありながら『協議運賃制度の創設』が一括法案として盛り込まれ、まともな審議すらされていない」と憤り、「政府や行政は過去の過ちを再び繰り返そうとしている」と語気を強め抗議しました。
タクシー事業者が
疲弊する制度導入
城書記長は、「20年の改定では自家用有償旅客運送の拡大、さらに今回は、協議運賃制度をタクシーに拡大しようとしている。既存の事業者との競合などでタクシー事業者が疲弊するなど、ライドシェアにつながる危険性がある」と参加者に説明しました。
冨松常任執行委員(神奈川地本委員長)は「協議運賃制度の導入は、タクシー事業をより疲弊させる。国は協議運賃制度の導入を止めて、公的補助金等でタクシーを守るべきだ」と強調し、東京地連の各副委員長が国会議事堂に向けて訴えました。
交運共闘の国土交通労組後藤書記長は、国土交通行政のあり方にも疑問を呈し「国民の自由な移動を担保するには、運送を担う労働者の労働条件改善もセットで安心安全を確保するたたかいをともに強めていこう」と連帯あいさつをしました。
緊急の抗議行動でしたが、東京地連から53人、神奈川地本4人、常執3人、そして国土交通労組を中心に交運共闘のなかまが9人参加しました。
関ブロ未組織宣伝 大阪・京都・滋賀で実態アンケート
2023/05/08
キャッシュレス決済手数料
乗務員負担の増加傾向顕著
自交総連関西ブロック(議長=福井勇・大阪地連委員長)は4月18〜19日、運賃競争を招く「変動運賃や地域協議運賃」の創設と白タクライドシェア法制化の阻止にむけた市民宣伝と未組織労働者への働きかけを一連の行動として、新大阪駅・京都府・滋賀県内の主要ターミナルで、実態を調査するアンケートに大阪・京都地連のなかまが取り組みました。
福井議長は、行動の皮切りに取り組まれたJR新大阪駅での第一声で「数年前に自交総連は、現場で働くなかまの声を聞く実態調査を実施し、6割の事業者が有給休暇を付与していない実態が判明した。今回はコロナ禍で大変な状況に追い込まれたタクシー労働者の実態をアンケート形式で大阪、京都、滋賀で調査し、実情をまとめて機関紙でも伝える」と述べて、協力を求めました。
京都地連の浅井執行委員は「京都は5月1日から運賃が1キロ500円に改定される。これまでもスライド賃下げや各種手数料を乗務員に課す事業者が後を絶たず、3月に行われた準特定地域協議会で経営者側の一人から『障がい者割引については、総営収から(経費分を)先に差し引いて、その上で水揚げ計算する』との発言があった」と明かし、「自交総連に加盟して、事業者の違法な搾取をともに力をあわせてなくしていこう」と呼びかけました。
日車営収と有給休暇自由取得は改善傾向
大阪では47人の乗務員がアンケートに答えました。 日勤・昼勤(32人)の日車営収は、最低が1万で最高は3万円、大半は2万円ぐらいとのこと。隔日勤務(15人)の日車営収は、同3万5千円、同7万円で5万円ぐらいと答える人が多数でした。
手数料負担は「ない」と答えた人が27人、わからないが2人、「ある」と答えた18人は、身体障がい者割引、チケット、クレジットの順で、キャッシュレス決済の手数料を引かれている人が14人、複数の手数料を課せられている人が多いこともわかりました。
事故弁償金制度は、「ない」と答えた人が12人、わからないが3人、「ある」と答えた人が32人で、最高額は「10万円」で「1回3万円」「月3千円〜1万5千円引かれる」などでした。
有給休暇の自由取得は「とれない」と答えた人は3人、わからないが2人、「とれる」は42人で、有休の単価は3か月の平均賃金と答える人が多数でした。
京都は、観光需要が多くビラの受け取りは良いのですが、時間のかかるアンケートは難しく、一人しか取れませんでした。しかしその一人から「バック事故は全額負担」との衝撃的な回答がありました。
4・18「怒りの行動」 交通弱者の切り捨て許さぬ
2023/05/08
国交省タクシーの公共性壊すな
自交総連大阪地連(福井勇委員長)は4月18日、タクシー規制緩和(2002年2月1日)を強行した行政に対する「怒りの行動」を実施。近畿運輸局が入る合同庁舎4号館前(大阪市中央区)で抗議・宣伝行動に取り組み、国交省、厚労省に対して「ダイナミック・プライシング(変動運賃)、協議運賃反対」「勤務間インターバル9時間では過労死は防げません」などと横断幕でアピール(上写真)し是正を求めました。
タクシーの規制緩和が実施された2月1日に合わせ取り組む「怒りの行動」は、昨年に引き続き新型コロナ・オミクロン株の影響を受け実施日を変更し、今年は4月18日に行いました。
早朝から約20人の組合員が「ダイナミック・プライシング(変動運賃)、協議運賃反対」「勤務間インターバル9時間では過労死は防げません」と横断幕でアピールし、タクシーになじまない「変動運賃制度」や「地域協議運賃」を導入しようとしている国土交通省に対して抗議行動を展開。組合員らは、出勤途上の市民や合同庁舎に勤める労働者に、変動運賃や協議運賃の問題点を指摘するビラを配り支援を呼びかけました。
特区活用し
白タク狙う維新
宣伝カーから福井委員長は、受益者負担と称し未だ乗務員負担を課している事業者がいることを告発し、運賃改定と同時に業界から乗務員負担を一掃するよう近畿運輸局の指導を強く求め、つづけて「先の総選挙や統一地方選挙でライドシェア解禁を公約に掲げる維新の会が議席を増やした結果、関西・大阪万博を口実に国家戦略特区を活用したライドシェア解禁が強行されかねない」と強い危機感を吐露しました。
そして同委員長は「国交省はダイナミックプライシングの実証実験の検証も十分にしないままタクシーに導入しようとしている。変動運賃制度は、需要の増減にあわせて運賃が5割も上下するもので、日常的にタクシーを使う高齢者や障がい者など交通弱者が一番困る制度だ。地域公共交通は、いかなる状況でも誰もが平等に、一定料金が当たり前でなければならない」などと訴えました。
運賃競争が
起こってしまう
松原副委員長は、地域協議運賃について「国交大臣は都市部で準特定地域指定(新規参入などの規制)が解除されれば、その地域は都市部ではないという詭弁を弄しているが、指定が解除となれば協議運賃の適用が可能となり、またもや運賃競争が起こってタクシーの安心・安全が脅かされる。過疎地などでは逆に割高な運賃が設定される可能性があり、ここでも交通弱者が被害を受ける。このような制度は、地域公共交通にはなじまない」と指摘し、「国がやるべきことは、地域公共交通としてのタクシー、バスを持続的に維持できるよう十分な補助金を出し利用者の利便性を高めることだ」と語気を強めました。
庭和田書記長は2024年4月から実施される「改正」改善基準告示について、「今後3年間も勤務間インターバル9時間が放置される。交通運輸職場の過労死や重大事故も後を絶たず、厚労省のダブルスタンダードには呆れるが、犠牲者を出さない制度づくりが急がれる。少なくとも国交省が運用面で歯止めをかけるべきだ」などと訴えました。