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2007年06月の記事
【三和争議】第1回府労委調査
2007/06/25
新家社長の不正ただす闘い
三和交通梶i新家照正社長)の不正経理に端を発した労働組合法第7条2号(団交拒否)及び第3号(支配介入)の不当労働行為に対し、三和交通労組が救済を求め申し立てていた事件の第1回調査が行われました。
十河委員長 宣伝行動にも取り組む
三和交通事件(平成19年〈不〉第20号=米澤公益委員、田中使用者側委員、岩佐労働者側委員)の第1回調査に、大阪地連の権田委員長、久保書記長、三和労組三役が出席しました。
公益委員は組合側に対して、@3月27日の団体交渉の議事録など、内容が詳細に分かるもの。A申立以後、新たな団交の申し入れなど、本件に関わる労使間の交渉などの求釈明の提出を求めました。
また、会社に対しても同様に3月27日の団体交渉の詳細を求めたうえで、公益委員は、「3月28日に大谷次長が組合委員長に電話をかけた旨記載されていますが、電話をかけたことは事実ですか。事実であれば、目的および会話の内容について説明してください」と述べました。
双方、第2回調査日の7月18日の1週間前までに求釈明を提出することを確認し調査は終わりました。
調査終了後、十河委員長は「府労委闘争とともに今後、南地協のなかまの支援を受け新家社長が出社する本町や自宅の奈良・学園前で、早期の決着をめざす宣伝行動に取り組んでいきたい」と決意を語っています。
[速報] 激論交わし第3回集交で「確認書」
2007/06/25
大阪のタクシー再生をめざす「確認書」を提案し、趣旨説明する組合側(21日、ウェルサンピアなにわ銀河の間で)
下限割れ運賃への実効措置が柱
労働者の労働条件改善や経営の安定化そして、「安心・安全」なタクシー輸送の確立などをテーマに話し合われ、第3回をむかえた政策課題集団交渉(17事業者19組合)は6月21日午後、住之江区のウェルサンピアなにわで開催。大阪のタクシー再生をめざす「確認書」(案)を議論し合意に至りました。
権田委員長は、「組合として1台あたりの単価(売上げ)と、労働条件をあげて欲しいこれが思い」と述べたうえで「集交の焦点は、下限割れ運賃をどうするのか、大阪全体の問題だが、とりわけワンコイン運賃をどう自動認可枠に収れんさせるのか、そして、適正な需給をどうしていくのかの二つ。協会内での環境整備は当然だが、並行的に梅田G、三菱G、ワンコイン、個人など、協会外の団体に働きかけていかなければ始まらない」とし、事業者側の回答を求めました。
「確認書」案について、事業者を代表し東洋タクシーの関社長(大タ協副会長)は「総論としてのまとめとしては良いのでは」と異論がないことを述べました。
また、関西中央グループの薬師寺代表(大タ協最高顧問)は、「大阪の状況を見れば、総論をいくら言っても解決に近づかない、各論の各論でつぶしていく(諸問題を処理していく)労使で空砲を撃っている場合ではない。500円運賃を修正していくには戦う意志、リスクを取ってでもやっていくという努力が必要」と強調。
そして、「20社ぐらいだが、今までになかった労使の取り組みで、少しは前進しているのでは…」との認識も示しました。
ここで各業界紙の記者に退席を願い各論について激論を交わし、4項目の確認書(下記)に合意しました。
大阪のタクシー再生をめざす確認書
1、下限割れ運賃をなくすため、労使 共同して実効ある措置を講じる。
2、行政当局へ需給の適正化を求めて いく。
3、上記1、2の確認事項の実現をめざ すために、労使は、大阪のすべての タクシー事業者(個人タクシー含む)、団体及び労働者・労働組合に 対して、確認事項への賛同や共同行 動の呼びかけを行う。
4、集団交渉参加労使は、適宜、参集 し意見交換を行う。
【第一交通闘争】“最大の山場”
2007/06/15
55人 職場復帰めざす闘い
究極の組合つぶし(会社ごとつぶす偽装廃業)を強行した第一交通産業(黒土始会長・田中亮一郎社長)とたたかう佐野南海交通労組は6月4日早朝、大阪地裁前で大阪争議団のなかまとともに総勢45人が裁判闘争の勝利と争議の全面解決をめざす宣伝行動に取り組みました。
今春、アステラス製薬男女差別裁判(3月)やトキワ工業不利益裁判(4月)など、大阪高裁、地裁で和解が成立し争議が解決。「がんばってよかった」と原告・支援者が喜び合えるのも、大阪労連、単産、地域、大阪争議団など大きな輪でなかまが支え合って理不尽な資本の攻撃と真正面からたたかいを継続できたからこそ成し遂げられたものです。
大阪高裁第3民事部
雇用責任を審理中
第一交通闘争は最大の山場をむかえています。4月17日に最高裁第三小法廷が裁判官全員一致で第一交通産業の上告を退け、大阪高裁第2民事部の「判決」(第一交通の共同不法行為)が確定。現在進む大阪高裁第3民事部2係(平成15年4月16日の偽装廃業後の雇用責任の所在)の審理にも影響は必至です。
第3民事部の裁判官は職権で和解勧告し進行協議がつづいていますが、7月25日には結審をむかえます。
また、6月27日に大阪地連は、無法な組合つぶしを繰り返し不法行為を省(かえり)みない第一交通に対して、大阪交通運輸共闘会議、第一交通闘争支援共闘会議と連帯して「抗議団」を結成し、現地のなかまの支援も受け同社の社会的・道義的責任の追及と争議の全面解決をめざす「北九州市行動」に取り組みます。
第一交通産業は争議を解決せよ
予告
組合つぶし糾弾!
6・27北九州市行動
近運局・自動車部長と意見交換
2007/06/05
業界良くしたいは共通
新垣部長
「体制強化はしているがイタチゴッコ」
近畿運輸局・新垣(あらかき)慶太自動車交通部長からの懇談の申し入れに応え大阪地連(三役・専従)は5月29日午前、同部長室で大阪のタクシー業界の実態について意見交換しました。大阪地連が以前から調査した結果からも、ワンコインタクシーなどの下限割れ運賃事業者は、労働時間の管理、安全コストなど担保する実態にないと明言し、運賃の認可基準の見直しや運用面での強化を強く求めました。
道運法「改正」して悪質企業の放逐を
名義や代表者替え事業継続
開口一番、権田委員長は「現場に行って審査してもらいたい」と新垣部長、宮内旅客2課長に求めました。そして、「書類上だけみればグレーながら現行法では通っているワンコインタクシーだが、現場から見た場合、(乗務員任せ)労働時間の管理や車両整備など、『安心・安全』が担保されていないのは業界関係者ならみんな熟知している薄氷を踏む思いだ、冬柴国交相は大阪のワンコインは規制緩和の光の部分としているが、まったく実態を理解していない」と指摘。
その上で“市場の失敗”とした表現で規制緩和の失敗(弊害)を認めたタクビジョン小委員会「報告」(問題のある事業者が市場から撤退せず温存されている)にふれ、「まさに大阪のこと、法違反、違背が後を絶たず、局が点数制を科しても、悪質事業者は50点、80点に近づけば、名義や代表者を替えるだけで事業を継続、拡大している。法改正時に公言した社会的規制は、完全に形骸化し体制の強化もなされていない、やはり参入時の厳格な審査や事後チャックを強化し法の不備は改正すべき」と述べました。
新垣自動車部長は「現状では、批判は甘んじて受けなければならないが、体制強化は行っている。業界の法違反、違背が多くイタチゴッコになっているのも事実」と吐露し、「業界を良くしたという思いは共通の認識、局として努力していく。今後とも意見交換していきたい」と応えました。
労組も経営者も安心安全のための共同を
2007/06/05
5月28日、大阪タクシー協会(坂本克己会長)が大阪市内で催した労働組合4産別との懇談会に、自交総連から権田委員長と久保書記長が参加して、意見を交わしました。
冒頭、4産別が同じテーブルについたことに謝意を述べた坂本会長は、問題が山積している大阪のタクシー情勢について「乗務員の生活が保障されなければ、利用者の安心・安全、利便性の向上はあり得ない。運賃、需給調整問題は避けて通れない」との認識を示し、「労使が共通認識を持って、できるところから共同を」と呼びかけました。
権田委員長は「キーワードは“共同”だ。労組も経営者も一致する課題・問題での共同が不可決」として「大タ協は、各事業者団体や大手事業者に対しても同じテーブルでの話し合いにつくよう努力をしてもらいたい」と要望を述べました。
また、大阪交運労協が取り組んでいる「円卓会議」への自交総連の参加など、労働組合として可能な共同についても問題提起しました。
【三和交通争議】表面化する“不正経理”問題
2007/06/05
(左から)田中部長、大谷次長に争議の解決を求める十河委員長(中央)=昨年5月の争議支援総行動で
新家社長 法を守って経営を
三和交通労組(十河〈そごう〉委員長)は5月10日、「不正経理問題の解決金の支払い」など団交での「回答」を白紙撤回した三和交通(新家〈しんけ〉社長)の不当労働行為(不誠実団交)を大阪府労働委員会に告発、救済の「申立」を行いました。
三和交通の労使が大阪府労働委員会の要請に応えるかたちで、一連の争議の解決を図るために、労働協約「団体交渉ルール確認書」を締結したのは05年12月21日のことでした。翌年5月21日、新家社長は労務責任者として、大谷修氏を担当次長「団体交渉担当者」に任命しました。
労組は、社長が団体交渉に出席しないことに不満を抱きつつも、今年3月まで12回にわたって大谷次長を相手に、過去の未払い割増賃金の清算や、不正経理による損害金の解決を要求してきました。またこの間、大阪南労働基準監督署からは、就業規則・賃金規定を実状に合わせるよう「是正勧告」が出されました。
「今後、組合さんとは、組合員の身分や労働条件については事前に充分、協議をして決めます」――第45回団体交渉(06年7月10日)の冒頭、就任後初めて団交に出席した大谷次長は、久保大阪地連書記長との名刺交換の際に述べ、会社の労組敵視の姿勢が改まったかのように思われました。
そして今年3月27日の第57回団交で、不正経理による損害に対して解決金を支払う。さらに、当時一方的に5%値上げして問題になっていた走行経費についても、値上げ分は早急に払い戻すと回答。ところが翌28日の午後、大谷次長は十河委員長に「社長の了承が取れなかった。かんべんしてくれや」と電話をかけ、「回答」の白紙撤回を求めてきました。
「走行経費の値上げ分払い戻す」との大谷次長の回答は会社を代表したもの
委員長は「会社から任命された責任者である大谷次長の回答は、新家社長の発言と同じです」と厳しく抗議し、「これからは(支払方法を)どのように実行(書面回答)するかだけです」と即答しました。
この「回答」は、半年以上を費やした交渉を経たうえで出てきたものであり、その不履行は「不誠実団交」(労働組合法第7条・第2号違反)に当たります。
新家社長は責任を持って「回答」内容を履行し、争議の早期解決を図るべきで、コンプライアンス(法令遵守)が求められます。