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2014年06月の記事
厚労省・2013年賃金センサス−年間賃金295万円 前年比、16万円増
2014/06/25
現場労働者と乖離 実感ない年収増加
厚生労働省が2月20日に公表した「平成25年(2013年、以降西暦で表記)賃金構造基本統計調査(賃金センサス)」の調査結果から、大阪府の男性タクシー運転者の年間賃金を編集部が推計してみたところ294万7500円、前年より16万1300円増となりましたが、現場労働者の「実感」とは乖離しています。
タクシー運転者
6月度平均22万
賃金センサスは主要産業労働者の賃金実態を、雇用形態・就業形態・職種・性別・年齢・学歴・勤続年数・経験年数別に明らかにすることを目的として毎年6月(賞与は前1年間)の状況を調査するものです。調査対象として抽出された労働者のうち、タクシー運転者(男)は大阪府で2万7270人(平均年齢58.6歳)、全国で21万9250人(同58.4歳)でした。
大阪府・タクシー運転者(男)の賃金は、6月度給与の平均額が22万2500円で、前年同月比3400円増。前年1〜12月に支給された賞与の平均額は27万7500円で、前々年比12万500円増でした。
年間賃金を〔6月度給与×12+前年賞与〕で推計すると294万7500円となり、前年より16万1300円の増という結果になりました。
最大69万差数字の一人歩き懸念
大阪地連が4月に行った「安全実態調査」の営業所平均(大阪市域交通圏・中型、5社)は2万6077円でした。年間賃金で推計すると、賃率60%(12乗務)で、225万3053円。55%で206万5298円となり、賃金センサスと比較すると賃率60%でも69万4447円もの差があります。
他方、大阪タクシー協会のまとめ(同交通圏・中型)では、4月は2万9867円でした。同様に推計すると258万0508円、同236万5466円となり、賃金センサス比では、36万6992円の減となります。
大阪府タクシー特定地域合同協議会でも資料として提示される賃金センサスですが、タクシー労働者の年収が正確に反映しているようには思えません。数字だけが一人歩きすることが懸念されます。
本流逆流(6月15日付コラムより)
2014/06/16
略奪運賃と乗務員を食い物にする賃金システムで利益を貪ってきたエムケイおよびグループ会社が国に対し、運賃変更命令などの行政処分を出さないよう求めた仮処分申請で、大阪地裁(田中健治裁判長)は5月23日、申請を認める決定を出した。
報道によると裁判長は「近畿運輸局長が定めた運賃幅は事業者の利益を具体的に斟酌(しんしゃく)しておらず、裁量権の範囲を超えている」(日経)、運賃変更や営業許可取り消しで「エムケイ側に取り返しのつかない損害が生じる可能性があり、処分を差し止める緊急性がある」(毎日)としたという。
裁判長に言いたいことはいくらでもある。利用者の安心安全を上回る「事業者の利益」とは何ぞや。長年にわたって労働者から搾取し続け業界の健全な発展を阻害しておきながら何が「損害」だ。エムケイの0円賃金事件は頭にないのか。
大阪の下限割れ運賃の台数は最も多い時でも全体の2割だった。その頃の初乗り運賃別の平均収入や年齢、走行距離を比較してみてはどうか。2割のエゴによって全体の平均年収は300万円にも届かず平均年齢は60歳を超えた、だからこそいまの規制強化の流れがある。
エムケイのような利益先取り・コスト押しつけの賃金システムは過労運転への圧力となる。規制強化前の日勤・夜勤者は血眼になって連日連夜300キロ以上走り回っていたのだ。ハイタク運転者の健康状態に起因する事故件数は02年は17件だったのが12年は46件だ。
5月21日の大飯原発再稼働差し止め判決で(司法は生きていた)と思ったとたんにこれだ。我々の運動はまだまだ足りない。今回の決定に励まされてか、政府の規制改革会議がタクシー規制見直しを言い出した。労働者を人とも思わぬ金の亡者の執念深さよ。いまこそ我々労働組合が社会的役割を発揮すべき時だ。
5.22大阪争議支援総行動 なみはや交通の不法許さぬ
2014/06/06
「なみはや交通・乾社長は組合員全員を即刻職場に戻せ!」とシュプレヒコールをあげるなかまたち
仲間を職場に戻せ
「なみはや交通・乾社長は組合員全員を即刻職場に戻せ!」──5月22日午後、門真市のなみはや交通社前になかまの唱和する声が響き渡りました。大阪労連と大阪争議団共闘会議が取り組んだ「大阪争議支援総行動」(4班に分かれ)では大阪府内で不当労働行為を犯している20使用者に対して抗議・要請を行い、なみはや交通社前での行動には80人が結集しました。
なみはや交通・乾社長が燃料費高騰を理由に乗務員を個別に呼びつけ賃下げを迫ったことから7人が決起して2月15日、なみはや交通労組を結成し自交総連に加盟申請(承認=3月11日)。しかし2月24日の第1回団体交渉で会社側は「組合は認めない、自交総連とは一切交渉しない」と表明。組合が改めて団交を申し入れると、会社は3月17日での受諾を文書で回答しておきながら、その前日・16日に同日付解雇通知(懲戒解雇)で組合員全員に通告しました。会社が解雇撤回要求に応じず、解雇の具体的理由も明示しないことから組合は4月8日に大阪地裁に地位保全等仮処分申立を行ないました。
ブラック企業は許さない!!
5月22日に同社社前で宣伝のマイクを握った大阪労連・鈴木まさよ事務局次長は「労働条件を改善するために労働組合をつくる、これは憲法27条で保障された当たり前の権利。この権利を侵害し労働者をモノ扱いするブラック企業が全国にはびこる状況を改善させていくためにも、なみはや交通で起こっている問題を見過ごすわけにはいかない」と力を込めました。
なみはや交通労組・松岡共吉委員長は支援の謝辞を述べるとともに「皆さんの力を借りながら、最後まで堂々とたたかっていく」と決意表明しました。