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2019年06月の記事
大阪タクセン管内年600人減 実働減底打ちも営収増頭打ち
2019/06/25
大阪のタクシー「求職者に選ばれる業界」へ道のり遠く
大阪タクシーセンターの統計によると、管内の5月31日現在の運転者証交付数(個人タクシーは事業者乗務証)は22801人で前年同月からの1年間で605人の減。また大阪タクシー協会の「輸送実績」によると前年比増が続いていた日車営収が1月を境にマイナスに転じています。
運転者証交付数を5歳ごとに区分した統計をみると、「65歳以上70歳未満」が902人減、「60歳以上65歳未満」が170人減、「55歳以上60歳未満」が70人減、「50歳以上55歳未満」が45人減。一方、70歳を境に、「70歳以上75歳未満」が281人増、「75歳以上」が291人増となっており、高齢化が進行していることがわかります。仮に65歳ですべての乗務員が引退していたら交付数は11194人、現実の半数以下しか残っていないことになります。
近年は実働率の低下とそれにともなう日車営収の増加傾向が続いていましたが、大阪タクシー協会の「輸送実績」から大阪府下全域・全車種について、今年3月から1年間さかのぼってみると、実働率が前年比微増の月と微減の月がおよそ半々となっており、特定地域計画による供給力削減の影響と思われます。
しかし車庫で眠っている車を減らしただけで日車営収が劇的に改善するわけもなく、1月を境にマイナスに転じてしまいました。10月の消費税増税で乗り控えが起こり、さらなる営収低下が懸念されます。
地方都市の衰退に驚き
2019/06/17
〈寄稿〉京都地連・福田徹副委員長
白タク・ライドシェア阻止行動も含め、この数年は京丹後、養父、大津と他市での宣伝の機会が多くなっています。
今回は、和歌山駅から紀勢本線沿線での宣伝行動となりました。私がまず驚いたことは、駅に出入りする人の少なさです。和歌山、紀伊田辺、白浜は関西ではよく耳にする駅名です。観光客も含め、もっと人が多いと思っていましたが、あまりの人影の少なさにとても驚きました。都会に人が流れ地方が過疎化している様を、まざまざと感じさせられました。
和歌山県のタクシー台数は法人と個人を合わせ1700台弱で、京都の5分の1、大阪の10分の1以下ほどです。やはり、駅周辺で目にするタクシーはとても少ないものでした。大阪や京都とは営業の様子がまったく違い、これでタクシードライバーが生活できるのかと思ったほどでしたが、現状では需給バランスが京都ほど酷くなくなんとか食べていける状態なのかなとも思いました。
しかし和歌山もドライバーの高齢化が進んでいます。ドライバー不足に付け入り、白タク推進派が、今以上に勢いを増すのが目に見えます。これを防ぐには、宣伝行動も大事ですが、この情報を受け取る地域の労働組合を組織し仲間を増やして、共同で白タクの危険性を地域の住民に伝えていくことが必要です。
労働者不足の原因は、人口の減少です。地方都市の衰退は地域の努力不足ではなく、安倍内閣が進める、大企業を優先する政策が原因ではないでしょうか。和歌山宣伝行動は、とにかく人の少ないことの驚きの連続でした。今の政治が地域社会の崩壊を進めているのです。大企業や富裕層ではなく中間所得者層を厚くする政治が、和歌山でも求められていることを痛感しました。白タク・ライドシェア問題とともに困難ではありますが格差社会を是正して、タクシードライバーの生活や社会的地位の向上につなげることが重要と考えます。
自交関西ブロック宣伝キャラバン・和歌山〜白浜
2019/06/17
有田交通・箕島営業所の従業員にライドシェアの危険性を説明し、運動への理解と協力を要請する大阪地連・福井委員長(5月29日、箕島駅で)
危機感乏しい現場
自交総連関西ブロック(議長=大阪地連・福井勇委員長)が5月29〜30日に和歌山県の紀勢本線・白浜以北の主要駅で取り組んだ宣伝キャラバンでは、危険な白タク・ライドシェア合法化阻止と組織拡大に向けて市民や乗務員に旺盛に訴えました。
キャラバンは1日目は和歌山→海南→箕島→湯浅→御坊→南部→紀伊田辺→白浜、2日目は白浜→紀伊田辺→御坊→藤並→海南→和歌山の順に各駅を巡りました。
白浜駅でマイクを握った未来都労組・黒井さんはライドシェアの問題点について「ドライバーは個人事業者として業務を委託される立場であり、労災や各種保険制度の福利厚生がない。利用者が安心・安全を担保されないのと同時にドライバーも安心・安全を担保されない」「需要と供給のバランスで料金が変動するため、米国では災害時に料金が10倍以上に跳ね上がった事例も報告されている」などと紹介。「ライドシェア推進勢力のソフトバンクや楽天がスポンサーとなっているテレビなどのメディアは真実を伝えることができない」と指摘し、「白タク合法化反対の世論拡大に協力を」と呼びかけました。
箕島駅では大阪地連・福井委員長が有田交通の営業所を訪問し、宣伝の趣旨を説明。従業員が「うちのような田舎のタクシーには関係ないのでは」との反応を示すと福井氏は「ライドシェア企業は地方を都市部進出の足がかりにしようと狙っている。合法化を許せば地域公共交通は間違いなく崩壊する」と警戒を促しました。
待機中の乗務員に自交総連への加入を呼びかけた京都地連のなかまは「仕事を始めて6か月たてば10日の年次有給休暇が付与される。嘱託・定時制・アルバイトであっても付与される」「有給休暇を保障し、法定最低賃金を支払い、少なくとも私たちが生活できる賃金を経営者は支払う責任がある」「私たちとともに汗を流そう、生活を改善していこう」と呼びかけました。
〈白タクライドシェア合法化阻止〉〈組織拡大〉紀州路でよびかけ
2019/06/05
ライドシェアの危険性を市民に訴える大阪地連・福井委員長(右)と京都地連・福田副委員長(5月30日、和歌山駅で)
自交関西ブロック宣伝キャラバン
自交総連関西ブロック(大阪・京都・和歌山・奈良各地連で構成、議長=大阪地連・福井勇委員長)は5月29〜30日、和歌山県の紀勢本線・白浜以北の主要駅で白タクライドシェアの危険性を市民と乗務員に訴えるとともに、自交総連への加入を乗務員によびかける宣伝に取り組み、14人(大阪9、京都3、和歌山2)が参加。9か所・14回の宣伝で1千個を超えるビラ入りティッシュを配布しました。
ライドシェア「解禁」を求める楽天に抗議
2019/06/05
宣伝カーからライドシェアの危険性を告発する自交本部・高城委員長(5月23日、東京・二子玉川駅前で)
安心して乗れるタクシー・バスを壊すな
自交総連本部(高城政利委員長)は5月23日午前、楽天本社近くの二子玉川駅前(東京都世田谷区)で、ライドシェアの解禁を求める楽天(三木谷浩史社長)に抗議する宣伝行動を実施し、埼玉・東京・神奈川・大阪・福岡の5地方から57人のなかまが参加しました。
自交本部は5月23日、楽天が本社を構える二子玉川駅前に集結。二手に分かれて、白タク・ライドシェアの解禁を求める同社に対し「みんなが安心して乗れるタクシーを壊すな」「ライドシェアの解禁は許さないぞ!」などと横断幕やプラカードを掲げ、ライドシェアの危険性を告発したビラ入りティッシュを市民に配布しました。
高城委員長は、三木谷氏がライドシェア企業である米リフト社に3億ドル(約340億円)を出資し、取締役にもなっている一方、国家戦略特区を利用し、新経済連盟や未来投資会議、規制改革推進会議などさまざまな機関にライドシェアの解禁を要請している、と告発しました。
ライドシェアは危険
世界で再規制の動き
同委員長はつづけて、ライドシェアを先行導入した諸外国でドライバーによる殺人事件や性犯罪が多発している実例を紹介、「ライドシェアは危険であるとして再規制の動きが世界でひろまっている」とし、利用者の安心・安全の面からもライドシェア導入を断固阻止すべきだと語気を強め訴えました。
庭和田副委員長(大阪)は、「ソフトバンクや楽天などのライドシェア推進勢力は、ライドシェアは保険を掛けレイティングシステム(相互監視)を活用するので安全が確保できると喧伝するが、昨年5月と8月に中国の滴滴出行(ディディチュウシン)を使った若い女性が連続してレイプされ殺された。犯人は登録した父親の車を使い営業し犯行に及んでいた。まさにレイティングシステムなど絵に描いた餅で、実際には機能しないことが立証されている。推進勢力にだまされてはいけない」と実態を告発し、反対闘争への協力を呼びかけました。
「ゼロ円」タクシー
不当な運賃競争誘発
内田常執(福岡)は、株式会社nommoc(ノモック)(吉田拓巳代表)が福岡市中央区天神で「ゼロ円タクシー」の営業申請をしていることに対し、「運賃にかわる運行コストを広告費から賄う『ゼロ円タクシー』なるものを走らせようとしているが、都内で行われた『どん兵衛タクシー』ようなイベントではなく継続的に行おうとしている。極めて脱法的な手法であり、不当な運賃競争を誘発する。こうしたものを国土交通省は断じて認めるべきではない」と不当性を訴えました。
冨松常執(神奈川)、石野常執(埼玉)、中村常執(東京)、堀井常執(同)、菊池書記長らが、宣伝カーから通行人に、企業の自己利益のために世界に誇れる安心・安全なタクシー・バスを破壊することは許されないと訴えました。