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2007年07月の記事

「生活苦しい」8割超え
2007/07/25

「生活苦しい」8割超え 乗務員に声をかけ、調査する大阪地連のなかまたち(6日、新大阪駅で)

加速する貧困、実態調査で浮き彫り


 大阪地連(権田正良委員長)は7月6日、タクシー労働者の労働実態を調査して今後の行政交渉や運動に活かすため、千里中央と新大阪駅でアンケート調査を実施しました。

 21人のなかまと宮本たけし前参議院議員が協力して取り組んだ結果、101人から回答が寄せられ、改善されないタクシー労働者の労働実態がさらに過酷になっていることが明らかになり、2・3面では、この結果を紹介、タクシーの規制緩和が招いた弊害が重なり合い収入面でも深刻な実態が浮かび上がっています。

厚労省がコムスンを指導したように国交省もワンコインを取り締まれ!!
2007/07/25

厚労省がコムスンを指導したように国交省もワンコインを取り締まれ!! 国交省を追及する本部

国交省、公取委へ自交本部が要請


調整官 「けしからん」というのはあるが…

 自交総連本部(飯沼博委員長)は9日に国土交通省、10日に公正取引委員会と交渉し、運転者登録制度や運賃改定の問題など要請を行なったほか、悪質な法違反を繰り返している大阪のワンコインについても「安心・安全」を守る立場に立った厳しい対応を取るよう求めました。

 自交総連からは両日とも飯沼委員長、鈴木副委員長、今村書記長ら10人が交渉に臨み、国交省は蔵持企画調整官(前課長補佐)ほか6人が対応しました。

 運転者登録制度の問題で組合側は、6月8日に成立した改正タクシー業務適正化特別措置法が公布から1年以内に施行されるのに向けて、登録制度を骨抜きにしないためにも、運転者講習修了時にテストを実施するよう念を押しました。同省は「(国会の)議事録を踏まえてちゃんとやっていく」と明言しました。

 また、運賃改定問題で組合側が「改定前に足切アップなどスライド賃下げを提示している事業者がいる」と指摘すると、同省は「原則として改定前の指導はしない」としながらも、「あまりひどいようなら何か言わなければならない」と述べ、指導への意欲を示しました。

 さらに組合側は、法違反の点数累積による行政処分から逃れるために、別会社を隣接地に設立して営業を継続しているワンコインについて、「ワンコインは名義貸しではないか。運転手に確定申告させて消費税負担から免れるようなやり方が許されるのか」と指摘し、厳しい対応を取るよう求めました。また、グループ内企業への事業譲渡で処分逃れを図ったコムスンに行政指導した厚労省のようにできないのか、と迫りましたが、同省は「気持ちとしてけしからんというのはある。現実的な対応は難しいが直していくべきことは直していく」と述べるにとどまりました。 

公正取引委に規制緩和の弊害を説明

 翌日に行なわれた公正取引委員会交渉では、増車のしわ寄せを運転者が被っていること、減車はむしろ消費者の利益になることなどを組合側が説明。減車に向けた事業者や労働組合の自主的な取り組みについて、他産業と同様の基準で機械的に判断せず、独占禁止法の適用除外など特段の措置を講じるよう、同委員会に要請しました。

自民・公明・民主に厳しい審判を
2007/07/17

自民・公明・民主に厳しい審判を 乗務員に話しかけ現場実態を調査する日本共産党前参議院議員の宮本たけしさん(左)と労働実態アンケートへの協力を呼びかける大阪地連のなかまたち(6日、千里中央駅で)

自交労働者・国民を苦しめる
大本はデタラメ政治


 大阪地連(権田正良委員長)は7月6日午前、千里中央駅と新大阪駅で、タクシー労働者の労働実態を調査するアンケートを実施。この行動には、道路運送法の「改正」(タクシー破壊法)が浮上した段階から国会で自交労働者の立場にたった論陣を張り一貫して反対した日本共産党の前参議院議員・宮本たけしさんも同行し、直接労働者と対話しました。

タクシー労働者は本当に怒っています

 権田委員長は、「自民・公明の与党と、野党の民主党までが一緒になって規制緩和万能論で次々と悪法を通してきた、とくに私たちの職場に関わって「改正」道路運送法が02年2月に施行されて以降、タクシー労働者の現状を見たとき、当時から一貫して反対していた宮本さんの言った通りになっている。参議院選挙でこの法案を通した政党に厳しい審判を下そう」と呼びかけました。

 大阪地連のなかま21人が両駅で労働実態を調査するアンケート活動に分散すると、日本共産党の前参議院議員・宮本たけしさんも、客待ちするタクシー労働者に話しかけ実態を聞いてまわりました。

 宮本さんは新大阪駅で「誇りを持ってはたらける業界にしよう、事業者も胸を張れる業界にしなくてはならない」とし、「千里中央でタクシー労働者のみなさんが『食べていけない、生活やっていけない』『そんなこと聞くな(どうですか)分かったことやないか』と叱られた」と紹介したうえで、現在の自交労働者の苦しみの根源ともいえる道路運送法「改正」審議の二階運輸大臣(現自民国会対策委員長)とのやりとりを話しました。

「今の日本あまりにもおかしい…」

 また、今の日本の状況を「額に汗して働く人が報われない。あまりにもおかしい…無法地帯になっている」と指摘し、「年金問題や税金にしても国民から金を搾り取るだけとっといて使い方はデタラメ、バブル期でもなかった3兆円も儲けている銀行へは法人税がゼロ、一番早い銀行で3年後、一番遅い銀行は7年後、ふざけています。自民・公明にお灸を据えるには、確かな野党・日本共産党が増えるのが一番です」と支持を訴えました

動き出す労使 政策課題で合意
2007/07/05

動き出す労使 政策課題で合意 合意書案に目を通し事業者側代表として回答する東洋タクシーの関社長=中央(6月21日午後、政策課題第3回集団交渉で)

大阪の再生めざす


 自交総連大阪地連関係の17事業者と19労組は、6月21日午後、「大阪のタクシー再生をめざして」とする合意書(別掲)に合意し、7月1日現在、労使の調印作業を進めています。その後、具体的行動に移ります。

大阪のタクシー再生をめざして


 「改正」道路運送法で、運賃は大幅に緩和され、増車は事実上自由化になった。

 大阪では下限割れ運賃事業者(法人)、36社2061両(3月31日現在)にのぼっている。なかでもワンコイン車両に至っては法人・個人を合せると1472両に達している。また、規制緩和前に比べて2959両が増車されている。

 営業収入は、右肩下がりで26年前の営業収入まで落ち込み、労働者の賃金は年収321万円(2005年:厚生労働省調べ)で大阪の男子常用労働者の年収614・7万円と比べて293・2万円も格差があり、若年労働者はもちろんの事、失業者にも見向きもされない状態に陥り、今やタクシー労働者の50%が60歳以上(年金併用者が多数)という年齢構成になっている。

 こうしたなか自交総連は、関係する事業者に「大阪のタクシー再生」を願う一点で集団交渉を呼びかけ、17事業者19労組が参集した。

 交渉では、大阪のタクシーの現状に憂い、運賃問題の元凶である下限割れ運賃、中小型車運賃格差など歴史をひもとき議論した。

 とくに、全国で始まっている運賃値上げ申請や値上げ後の現状を出し合い、大阪の現状は、運賃値上げだけでは問題の抜本的な解決策になりえないこと。運賃競争の元凶である下限割れ運賃を自動認可運賃枠に収斂させるとともに、中小型車運賃などの根本的解決なしには、「大阪のタクシー事業に将来はない」こと。また、需給調整も視野に「どうしたら展望が開けるのか」などについて真摯に意見交換を行なった。

 その結果、実効措置を具体化していく「大阪のタクシー再生をめざす確認書」に合意し共に行動を起こすことを確認した。

 集交団の17事業者19労組は、「確認書」に基づき大阪のすべてのタクシー事業者・団体、個人、労働組合に大阪のタクシー再生をめざして共同行動を呼びかけるものである。

大阪のタクシー再生をめざす確認書


 自交総連大阪地方連合会に関係する17事業者と19労組は、労働条件改善と経営の安定化、そして、安心・安全なタクシー輸送の確立をテーマに集団交渉を行い、真摯に討議した結果、以下の事項を確認した。

 1、下限割れ運賃をなくすため、労使共同して実効ある措置を講じる。
 2、行政当局へ需給の適正化を求めていく。
 3、上記1、2の確認事項の実現をめざすために、労使は、大阪のすべ てのタ クシー事業者(個人タクシー含む)、団体及び労働者・労働組 合に対して、確認事項への賛同や共同行動の呼びかけを行う。
 4、集団交渉参加労使は、適宜、参集し意見交換を行う。
    以上

 2007年6月21日

  自交総連大阪地方連合会 「政策課題集団交渉団」

事業者(順不同)       労働組合(順不同)

最低限のルール守れ富田林交通
2007/07/05

府労委に「斡旋申請」


 富田林交通労組(上原委員長)は6月28日午前、中央区の大阪府労働委員会に対し、嘱託組合員への有給休暇付与やそれに伴う不利益扱いの是正、誠実な団体交渉の実施などを求める「斡旋(あっせん)申請」を行いました。

 上原委員長は「会社は、労使協定や確認したことも守らない、やりたい放題しています。今回は斡旋ですが、不利益扱いについての訴訟も視野に準備しています。会社に最低限のルールを守らせるこの1点で今回、申請に踏み切りました。早期の是正を求めていく」とたたかう決意を語っています。

【第一交通闘争】株主に無法行為の実態告発
2007/07/05

【第一交通闘争】株主に無法行為の実態告発 マイクロバスや宣伝カーで第一交通産業の本社がある北九州市小倉に入り、意思統一し奮闘を誓い合う大阪の行動団(6月27日早朝、小倉駅北口で)

小倉に鳴り響く第一交通産業糾弾の声


 6月27日、大阪地連や争議支援のなかま150人は第一交通産業・第43期株主総会が開かれるのに合わせ、北九州市小倉北区の各所で、同社の無法非道の組合つぶしの実態を地元市民に告発、糾弾する宣伝行動(主催=大阪交運共闘、府的支援共闘、大阪地連)を展開しました。

 前夜9時に出発した行動団は翌朝6時に小倉入り、8時から小倉駅南口と北九州市役所前に分散し宣伝を開始。駅待ちタクシーの乗務員や市民に争議支援を訴えるビラを配りました。

 宣伝カーの上でマイクを握った府的支援共闘会議のの植田議長(大阪労連)はミートホープ社による牛肉偽装事件を引き合いに出し、「第一交通産業も、組合つぶしのために佐野第一の廃業という“偽装”を行ないました」「このような卑劣な行為を許していたのでは、いまの日本の社会は一向に変わりようがありません」と強調しました。

不当解雇した55人を職場に戻せ

争議解決求める北九州市行動


 早朝宣伝を終えたなかまは株主総会開催中の第一交通本社前に移動。横断幕やプラカードを手に宣伝行動に取り組み、各団体の代表が同社の役員や株主に向けて争議の早期全面解決・組合員55人の職場復帰をハンドマイクで訴えました。

 「今日は炎天下の中で行動に取り組んでいますが、平成13年の夏も暑かった」。

 佐野南海交通労組の堀川委員長は、一方的な賃金引き下げや1時間50分に及んだ長時間虐待点呼といった「兵糧攻め」の組合つぶしで「生活に追われたなかまが泣きながら組織から離れていった」と怒りをにじませ、ほとんどの裁判で組合側が勝訴し、7月に結審する控訴審も「私たちの勝利は間違いない」とした上で、判決を待つのではなく労使対等な団体交渉で解決するよう黒土会長・田中社長に向けて強く訴えました。

 大阪地連のなかまはその後、同会長の自宅周辺のビラ全戸配布や繁華街での宣伝にも汗をふきながら市民に訴え続けました。

 行動の締めくくりに開かれた集会で大阪交運共闘会議の仲議長(行動団長)は「門司港でのビラ配布では市民の反応が良く、第一交通の不当性が伝わった。今後も完全勝利をめざしてがんばっていきましょう」と述べ、7月25日に結審を迎える裁判の傍聴支援と、第一交通闘争勝利に向けた団結決起集会(9月7日)への参加をよびかけました。

 大阪交通運輸労働組合共闘会議、第一交通闘争府的支援共闘会議、大阪労連、大阪争議団共闘会議、九州交通運輸労働組合共闘会議、福岡県労連、北九州地区労連、北九州市第一法律事務所、自交総連本部、同山口地連、同福岡地連(順不同)
各団体のご協力に感謝いたします
(大阪地連・佐野南海交通労組)