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2010年07月の記事
最賃1000円以上への引き上げ求め署名・意見書を提出
2010/07/26
大タ協は最賃割れの責任を放棄するな!!
8月の地域最低賃金答申に向けて大阪地方最低賃金審議会の議論が大詰めを迎えることから、大阪労連は7月16日、「最低賃金を1000円以上に引き上げることを求める」個人・団体署名および意見書の提出行動に取り組み、40人が参加。一次分として個人署名4721通、団体署名118通、意見書280通を同審議会事務局に提出しました。
日本の最低賃金は47都道府県ごとに決定され、全国平均は時給713円、大阪府は762円です。世界の多くの国では全国一律の制度として設定されており、フランスやイギリスなどは1100 〜1300円という水準です。最低賃金を1000円以上に引き上げることはワーキングプア問題の解決や、景気回復を図るためにも急務です。
昨年11月に労働運動総合研究所(労働総研)が公表した試算結果によると、最賃引き上げの対象となる労働者の階層では可処分所得の89.9%が消費に回ることから、同じ金額の賃上げでも他の階層より内需拡大効果が大きく、最賃1000円が実現すれば娯楽・理美容などの「個人サービス」、「食料・飲料・たばこ」、「運輸・通信」など中小企業が多い分野の商品・サービスの生産が誘発されます。国内需要は5.8兆円拡大し、それによって国内生産が13.4兆円、付加価値(≒GDP)は7.3兆円誘発。国税および地方税は合計1.3兆円増収となります。
また同試算では、最賃を1000円に引き上げるために必要な資金は5.9兆円で、1998〜2008年度の間に増加した内部留保(218.7兆円)の2.7%にすぎない、としています。
営収の低迷にあえぐタクシー産業にとって、最賃引き上げによる景気回復は真剣に取り組むべき課題のはずですが、大阪タクシー協会は大阪地方最賃審に「最賃法9条2項の“通常の事業の賃金支払い能力を考慮して定められなければならない”を十分考慮願いたい」との使用者意見を提出しています。
16日の意見書提出行動で大阪地連の庭和田書記長は、同最賃審事務局に「事業者が累進歩合制賃金を背景に増車した結果、多くの労働者が最賃を割っているのが実態であり、大タ協の意見は自らの責任を放棄するものだ。何としても最賃を1000円以上に引き上げてもらいたい」と要請しました。
「事業再構築」を遊休車両の整理だけで終わらせるな!!
2010/07/15
大阪の総車両数に対する減車率14%
7月3日付「交通読売新聞」の報道によると、20%減休車の目標をたてた大阪業界の「事業再構築」申請状況は、7月2日までに132事業者が減・休車計1344両の計画を申請し、基準日である昨年7月11日からの減・休車両数は2544両に達しました。しかし、大阪の総車両数1万8118両(昨年9月30日時点)に対する平均減休車率は14%にとどまっています。
大阪タクシー協会がまとめた「ハイヤー・タクシー輸送実績表」から大阪市域の中型車、1日1車当たりの数字を今年5月度から半年分さかのぼって拾い出してみました。
昨年12月度は、繁忙期でありながら3万円に届かず、年明け以降は2万6〜7千円台、大型連休が影響する5月度は2万5千円余り。6か月の平均は2万7千340円で、仮に月14乗務、賃率55%の条件で年間賃金を計算してみると厚労省の「平成21年賃金センサス(大阪府・タクシー・男子)」を大幅に下回る252万6千216円となりました。
私たちの生活危機を打開し、利用者の安心・安全を守るためにも大幅減車は待ったなしの状況ですが、同表の実働率をみると、12月でも80%を切っていて、常に20%以上の車が休んでいます。このような状況で20%に満たない減休車を行なっても、私たちの賃金改善に結びつくとは思えません。
国土交通省は昨年に公示した「適正化及び活性化に関する基本方針」で、「タクシーが地域公共交通としての機能を十分に発揮できるよう」解決すべき問題のひとつとして「タクシー運転者の労働条件の悪化」を明記しています。
実効性のある大幅減車で「適正賃金」を実現するためにも、行政にはここ一番の指導力が求められます。
6・21近畿運輸局交渉詳報
2010/07/05
大阪地連交渉団(手前側)に自己紹介する竹内旅客二課長(中央、6月21日)
安心・安全担保するのは運賃
行政も利用者への呼びかけを
6月21日の近畿運輸局交渉(前号で速報)で大阪地連交渉団が特に力を込めて訴えたのは、チャブリ行為への取り締まり強化でした。
組合側は、2003年の交渉でも同局が「(取り締まりの)具体的な法的根拠が乏しい。旅客二課内でも研究する」と回答していた、と振り返ったうえで、タクシーセンターの取り締まりがイタチごっこに終わっていることや、タクセンの指導員と悪質乗務員が癒着しているところを、多くのなかまが目撃していることを指摘。北新地でチャブリの車に利用者を誘導した指導員になかまが抗議したところ、逆に「早よ行け!」と排除された事例、同じ場所で悪質乗務員から「わしら金払ってるんや、出ていけ!」と週に2度もなかまが脅かされた事例も紹介しました。
さらに、新大阪駅のタクシー乗り場が小型車・中長距離・近距離と分かれていて、小型車が乗車拒否してもポーターがそれを黙認して利用者を近距離乗り場に誘導している問題も紹介し、局の見解を質しました。
同局自動車交通部の竹内旅客二課長は「現場の皆さんの憤りもわかるが、見た目では(チャブリの)数は減ったのではないか、と認識している。まだまだ(取り締まりの成果が)足りないのは理解している。努力しないといけないと思う」と回答しました。
組合側は「我々はチャブリにせよ、白タクにせよ、調査は体を張ってやっている。以前に客を装って白タクに乗ったが、猛スピードで走るので怖かった。彼らは時間効率を追求するからいつ大惨事を起こしても不思議ではない。利用者が危険に晒されている」と強調。「規制緩和でアウトサイダー≠ェ増え、安心・安全が壊れてしまった。運賃がバラバラになる前は相対運賃はほとんどなかった。利用者に対して安心・安全を担保するのは運賃なんです≠ニ呼びかけるキャンペーンを行政も打ち出してほしい」と要請しました。
適正賃金めざし減・休車上積みを
2010/07/05
大阪市域の「事業再構築」2489両に
大阪タクシー協会(関淳一会長)が6月10日から同30日までを大阪市域における特定事業計画認定申請の提出期間に設定したことから、30日までに基準日(昨年7月11日)との比較で減・休車総計2489両の申請が出されました。なお、受付は7月以後も続きます。
近畿運輸局は「大阪府タクシー特定地域合同協議会」(昨年10月〜今年3月)で大阪市域の適正車両数を12000〜13500両、昨年9月末の車両数である15697両と比べて3700〜2200両が供給過剰と提示。この数字は「地域計画」に盛り込まれました。
これを受け大タ協は5月24日の「特定事業計画等に関する特別委員会」会合で、休車を含む減車率について、大阪市域の場合「20〜25%の範囲を参考値に事業者の判断に委ねる」と確認しました。
30日までの減・休車総計2489両は昨年9月末車両数の約15・9%にあたります。「20%程度の減車では遊休車両を整理するだけで市場の現状は変わらない」と見る向きは経営者の中にもあります(関中G薬師寺代表=交通界21351参照)。
大阪地連は、「適正賃金を実現するためには7千〜1万両の減車が必要」と主張していますが、今回の減車を第一歩として、少しでも現状を改善するために、引き続き運動を強めていきます。