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2018年07月の記事
自交関西ブロックが大津市北部で白タク阻止宣伝
2018/07/26
京都駅でライドシェアの危険性を訴える(18日、右から京都地連・森長書記長、大阪地連・福井委員長、松下書記次長、黒井執行委員)
大津の公共交通守れ
自交総連関西ブロック(福井勇議長=大阪地連委員長)は7月18〜19日、危険な白タク・ライドシェア導入の国家戦略特区申請が出されている滋賀県大津市の北部を中心に、ライドシェアの危険性を市民に訴える宣伝に取り組み、大阪・京都両地連からのべ21人が猛暑の中で奮闘しました。
大津市(越(こし)直美市長)は2月28日、内閣府に対し9項目の国家戦略特区提案を行い、その中で「自家用自動車の活用」(道路運送法の規制を緩和して、観光客を対象とした自家用有償運送を導入、民間事業者による乗車マッチングシステムの活用を検討)を求めています。
「自家用自動車の活用」とは、市民の安心・安全を脅かすことが諸外国でも歴然としているライドシェア、いわゆる「白タク」(無許可営業)の解禁です。同時に越市長は、過疎地・交通空白地対策として中・長距離ライドシェア「notteco(のってこ)」の導入ももくろみ同社と協定を交わそうとしています。
炎天下、汗流し奮闘
京都駅前での宣伝第一声でマイクを握った大阪地連・福井委員長は「ライドシェアは繁忙時や災害時に料金が跳ね上がる。公共交通ではあり得ない」と指摘。京都地連・森長書記長は「危険なシステムを導入するのではなく、いまあるタクシーをより良いものにしていく、そして国の補助などで過疎地の公共交通を守っていく必要がある」と訴えました。
大津市では、JR湖西線沿線の旧志賀町(2006年合併)地域でビラと宣伝用ティッシュの全戸配布に取り組みました。比良山麓に点在する集落は旧家が多くポストの場所を探すにも一苦労、また和邇(わに)駅西側の虹ヶ丘住宅は傾斜地に加えて1軒の敷地が広いため歩数も増え、37度を超える猛暑の中、なかまは文字通り大量の汗をかきました。
大阪労連「三四労の会」第15回学習交流会ひらく
2018/07/17
大阪労連・各産別で奮闘している30〜40代の活動家のつどい、「三四労の会」(岩城伸会長=生協労連)は6月24〜25日、神戸市北区で第15回学習交流会を開催。大阪労連・川辺和宏議長が「歴史に学び、展望を切りひらこう」と題して講義を行いました。
各産別の代表者が産別・職場で抱えている課題や、日々の活動について報告。自交総連からは大阪東洋労組・山本宣雄書記長が発言しました。
〈三四労の会〉自交総連からの発言
大阪東洋労組・山本宣雄書記長
タクシー労働条件改善急げ
白タク合法化絶対阻止する
厚生労働省が毎年行なっている賃金調査の最新の数字から大阪府の男性タクシー運転者の年収を推計すると346万4700円となりますが、全産業労働者の平均より大幅に下回っており、243万円もの開きがあります。
劣悪な賃金・労働条件が一部運転者の職業意識に悪影響を及ぼし乗車拒否、近距離利用者への対応の悪さなど、苦情が後を絶ちません。そして社会全体の自動車事故は減っているのにタクシーは高止まりしたままです。事故や苦情の背景には累進歩合制賃金の問題もあると考えています。
労働条件の改善が一向に進まないことから若い人が業界に入ってきません。運転者の高齢化だけが進行し、大阪タクシーセンターの管轄地域では平均年齢が62歳を超え、65歳以上の運転者が半数を超えています。私の職場でも70代が全体の15%を占める異常事態になっています。そして運転者数は毎年約1000人減少しており、営業車の3割が稼働せず車庫に眠っている状況です。
公共交通が崩壊
労働者無権利に
このようにタクシー産業の存続自体が危ぶまれる中で、ライドシェアという白タクが合法化されようとしており、反対運動に労使・労組組織の壁を越えた共同で取り組んでいます。
車で移動したい利用者と、二種免許を持たない自家用車ドライバーをスマホアプリで仲介し、アプリを運営するIT企業は輸送や雇用について責任を負わず、利益だけを貪るのがライドシェアです。これを許せば地域公共交通は崩壊し、庶民の移動手段はすべて自己責任になってしまいます。海外ではライドシェア運転者による強盗や強姦などの事件が多数起きており、ライドシェアを禁止している国もあります。
ライドシェアの代表的な企業が米国のウーバーですが、同社は日本進出の足がかりとして地方の交通空白地での自家用有償運送に関与しています。そして将来の大儲けを狙う楽天やソフトバンクは海外のライドシェア企業に出資しています。楽天の三木谷会長が代表を務める新経済連盟はライドシェア合法化を提案しています。
安倍首相もライドシェア推進を公言し、政府の諮問機関である規制改革推進会議でライドシェア解禁に向けた議論が行われています。ライドシェアの運転者は「雇用によらない働き方」であり、労働法制に守られません。公共交通を破壊してIT企業を儲けさせるのと同時に、労働者から権利を引きはがすのが安倍政権や財界の狙いです。
私たちは労働者の権利を守り、安心・安全なタクシーを守るために反対運動に取り組んでいますが、大阪労連の皆さんにもご理解・ご協力をお願いします。
6・18大阪北部地震 災害にも強い安心・安全なタクシー
2018/07/05
他の公共交通全面休止
6月18日、通勤・通学時間帯に大阪府北部を震源とする震度6弱の地震が発生しました。
通学途中の小学生が倒壊したブロック塀の下敷きになり、尊い命が失われたことは各メディアで大きく報じられておりますが、この震災で犠牲になられたすべての方のご冥福をお祈りいたします。
全体の被害を含め、他人事と思っていたことに改めて自然災害の恐ろしさを痛感させられました。
また、新幹線やJR在来線、各私鉄の交通機関が全面運休となる中で、タクシーが公共交通機関として多くの利用者の移動手段として役割を果たしました。
どんな状況であろうと、決められた料金で、利用者の目的地までお送りすることができました。
いま各国で問題になっているアメリカ発祥のIT関連産業のウーバー社によるスマホアプリを使った自家用車での営業行為に対して、海外駐在の経験がある利用者は「何かあった時に料金がとんでもない値段になり、以前週末という理由で4万円を払った事がある」と話してくれました。
その人はライドシェアの拡大に危機感を持っていて「ウーバーのやろうとしていることには反対だ」と言って降車されました。
ライドシェアを許せば、今回のような災害時にはとんでもない料金を請求されることが懸念されます。
(投稿=M社・K乗務員)
タクシー特定地域・大阪市域交通圏
2018/07/05
実働低迷、営収は微増
指定解除の現実味増す
大阪タクシー協会が毎月公表している「タクシー輸送実績」を最新の今年4月分から1年さかのぼって検証してみると、大阪市域・中型車は日車営収が3〜3.5万円台、実働率はおおむね65%前後で推移しています。
昨年の5月分から今年の4月分で、日車営収が最も高かったのは12月分(35804円)、最低は5月分(30306円)でした。前年の同じ月と比べてみると日車営収はすべての月で増、実働率は減となっており、実働率低迷による営収微増の傾向が依然として続いています。実働率が最も高かったのは6月分(66.3%)、最低は1月分(60.6%)でした。
5月31日に開かれた第6回大阪市域交通圏特定地域協議会では賛成多数で来年3月31日までの指定延長が承認されましたが、それ以降の指定については不透明です。
特定地域の指定要件のひとつとして「日車営収入は日車実車キロが平成13年度(2001年度)と比較して10%以上減少していること」とされていますが、国交省の資料によると、大阪市域の2016年度の日車営収は30055円で、2001年度(31712円)よりマイナス5%となっています。
業界紙によると、タクシー規制緩和を政策に掲げる大阪維新の会・松井一郎代表が知事を務める大阪府の担当者も「今回の指定(延長)も賛成しかねる」と表明しており、今後も指定解除への圧力を強めていくことは目に見えています。
特定地域に指定されている間は禁止されている新規参入・増車が、準特定地域に規制レベルが下がることで新規参入は許可制、増車は認可制となります。
特定地域指定要件の比較基準が2001年度とされているのは、02年2月にタクシー規制緩和が行われたからですが、その時点ですでに供給過剰と劣悪な労働条件が問題になっていました。労働条件改善をなおざりにしたまま規制緩和の時代に逆戻りさせるわけにはいきません。