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2020年07月の記事
最賃違反 後から対応
2020/07/27
京都労働局「速やかに雇用調整助成金支給したい」
京都地連(吉村勇路委員長)は7月10日午前、京都労働局を訪れ、雇用調整助成金に係る最低賃金法違反に対する同局の考え方や対応について懇談し、現場実態(不利益変更)も含め申告するとともに適切な指導を行うよう求めました。
京都地連は10日午前、京都労働局を訪れ雇用調整助成金(以下、「雇調金」)の休業手当における最低賃金保障やコロナ禍に乗じた労働条件の不利益変更について、局の見解を質しました。
吉村委員長は「京都は日本で一番新型コロナ感染症拡大の影響を受け、まだ組合があり雇調金の運用を受けているところは良いが、組合が組織されていないところでは4月、5月も通常営業を行い営業収入は通常の1割から2割程度しか得られない状況だった。大半の所で最低賃金法違反が発生したが、最賃保障されていないとの声が寄せられている。労働局として最賃違反を調査し正して欲しい」と述べるとともに雇調金の運用状況を訊ねました。
労働局は、職業安定部職業対策課の吉田誠課長他2人が応対し、同課長は「雇調金は7月3日現在、8401件の申請があり、6012件(71.6%)支給している。業種的には1番が宿泊関係で次いで製造業、卸業、4番目に運輸関係、旅客は67件の申請があり52件支給している」と回答しました。
組合は、雇調金の受付で「最賃違反まで対応仕切れない」との声を聞いているが、雇調金に係る最賃違反についてどのように対応するのか質すと、同課長は「後から調査し、対応することになる」と明言しました。
雇調金の上限引き上げ さかのぼって増額可能
2020/07/15
6月12日に雇用調整助成金の上限が引き上げられました。この措置はさかのぼって適用されるということで既に増額の再交渉に取り組む単組もありますが、一部の地方で労働局やハローワークの相談窓口に問い合わせた際に、「一度払った休業手当は変えられない」という回答があったことから、自交総連本部(高城政利委員長)は日本共産党の高橋千鶴子衆院議員の協力を得て、厚生労働省の担当者を招いてレクチャーを受けました。厚労省職業安定局の雇用開発企画課・宮本淳子課長補佐の説明で、雇調金の増額はさかのぼって申請でき、差額が支払われることや、地方の労働局などには改正点を周知徹底することを確認しました。
◎(厚労省の説明) 6月12日に特例措置を改正して、上限を1万5000円、助成率を10/10(100%)にした。上限が上がったので、再度、申請を認める。過去の休業手当を増額し、追加で増額分を支給した場合、追加の手続きをすれば助成金を追加支給する。さかのぼって変更できるのは、休業手当を増額した場合で、減額した場合はだめ。休業していなかったのに休業したことにするのも認められない。
地方の労働局などで、不適切な回答をしたところがあれば、具体的にわかれば対処する。さかのぼって変更できるという点は地方に周知徹底していきたい。
――(質問)労働者が要請しても、手続きが面倒くさいなどと言って休業しない会社がある。そういう会社で、労働者が自主的に休んだ場合、休業したことにならないのか?
◎ 使用者の明示の休業指示がなくて、労働者が自分で休んだ場合は休業にならないので、雇調金の支給はできない。不正受給とみなされると後から最大3倍の返却が命じられることもある。「仕事がないから休んで…」というようなあいまいな指示だったのを、あとから、あれは休業の指示だと確認することは可能。
――休業せず仕事をした場合は、どんなに営収が少なくても、最低賃金が支払わなければならないはずだ。最賃を支払っていない場合に、雇調金の支給が停止されることがあるのか?
◎ 最低賃金を支払うのは当然だ。雇調金を受給している事業主が、一方で最低賃金を支払っていない場合、従来は雇調金が停止されたが、今回の特例措置では、雇調金はとりあえず支払うことになっている。ただし、労基署と連携して最賃法違反については後で対応することになる。
厚労省がコロナ対応休業支援金・給付金の概要を公表
2020/07/15
労働者の申請により支給
会社から休業手当が支払われない場合に、労働者が申請して、労働者に直接給付される「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」の概要、申請手続きの方法などが厚生労働省から公表されました(※)。この制度は、会社の指示で休業したのに休業手当の支払を受けられなかった労働者が対象となります。原則として雇用調整助成金を使って会社に休業手当を支払わせることが第一で、会社に手持ち資金がなかったり、倒産したなどで休業手当が支払われなかった場合に、この制度で支援金を受けられることになります。
6月12日に雇用保険特例法が成立し、休業手当をもらっていない労働者に直接給付する支援金「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金」が創設されました。
自交総連本部が6月30日に厚労省の担当者から受けたレクチャーでは「新しい制度なので、内容の詳細を決めるのに時間がかかり、現在検討中。法律で1か月以内には申請を受け付けると決まっているので、7月12日までには内容を発表する」とのことでした。この制度に関するレクチャーの問答は次の通りです。
――(質問)どういう手続きが必要になるのか?
◎(厚労省の説明) 労働者が申請できるものだが、事業主から、この日は確かに休業させたという事実を確定する書類を求めることになる。労働者がこの制度で休業手当を受給して、あとで会社から休業手当が支払われた場合は、先に支払った分は返還してもらうことになる。二重払いや不正受給を防ぐため、事実を調べて対応することになる。
――会社が休業の手続きをとらずに、労働者が自分で休んだ場合は対象にならないのか?
◎ 対象にならない。会社が指示して休業した場合で、会社から休業手当が支払われていない人が対象になる。
事業主が面倒くさがって休業をしないというのは、雇調金の手続きを面倒だと思っているのだろうから、手続きについては簡素化をして、できるだけ使いやすくした。その点は今後も周知していきたい。
――会社が雇調金の申請手続きをしているが、まだ助成金がでないので、当面、今月の休業手当が支払えないとなった場合、労働者が申請することができるか?
◎ 申請できる。会社が支払う休業手当を立て替えるのではなく、別途の手続きになる。後から、会社が払えるのに払っていないのではないかなどの事実は調べて対応する。
※新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金
(厚生労働省ホームページ https://www.mhlw.go.jp/stf/kyugyoshienkin.html 参照)
■厚生労働省新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金コールセンター
電話 0120-221-276 月〜金 8:30〜20:00 / 土日祝 8:30〜17:15
1か月有期契約は管理職のミス?
2020/07/06
近運局の見解を述べる山本康彦旅二課長(左手前)と保安・環境課の野口英樹専門官(左奥)
東京・日交 お粗末な話
全国ハイヤー・タクシー連合会の会長を務める川鍋一朗氏が率いる東京・日本交通グループ(京都営業所)で、運輸規則第36条違反が発生したことについて、関西地連(福井勇委員長)の庭和田書記長は6月30日午後、近畿運輸局に赴いて局の見解を質(ただ)しました。
近畿運輸局は、自動車交通部旅客第二課の山本康彦課長と自動車技術安全部保安・環境課の野口英樹専門官が応対しました。
この問題を報じた「ハンドルおおさか」6月上旬号、同中旬号を庭和田書記長が示しながらこの間の経緯を説明し、局の見解を質すと、山本課長は「『ハンドル』は読みました。なぜこうしたことになったのか、本社は知らなかったのかな…」などと首を傾(かし)げました。
庭和田書記長が「明確な運輸規則違反。選任規定で1か月は認められていないし、こうした悪質な契約は今まで見たことがない」と強調すると、野口専門官は「これが事実なら運輸規則違反に当たる」と言及し、山本課長も追認しました。
また、山本課長は「(ハンドルおおさかの)続報も読みました。雇用契約が元に戻されているようなので良かったとは思うが、なぜこうした事態になったのかとも思う」と吐露しました。
庭和田書記長は「ハンドルの報道を受けて東京・日交に取材した業界紙によると、同社は『管理職が間違えた』と言っているとのことだが鵜呑みにはできない。もし本当に単純な間違いであったのなら、間違いも訂正できずに代表印を押印した書類を発出するような会社だということ。どちらにしてもお粗末な話だ」と述べ、局に「現場の状況も含め、京都運輸支局からも事情を聞いていただきたい」と要請しました。