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2007年08月の記事
【第一交通闘争】第一交通は社会的責任果たせ
2007/08/06
争議解決と職場復帰 1 日も早く
第一交通産業争議がぼっ発して6年4ヶ月、佐野第一交通の偽装廃業によって佐野南海労組のなかまが職場を失ってから4年3ヶ月になります。この間に80件もの係争事件が起りましたが、ほぼすべての裁判で組合が勝訴しています。
卑劣かつ野蛮な攻撃で労組を破壊し、低賃金の押し付けと労働強化で利益を拡大してきた第一交通産業は、01年3月に南海電鉄グループのタクシー会社7社を1株1円で手に入れると、各社の労組にすぐさま牙をむきました。
金銭をなかまの目の前にぶら下げての分裂工作。嫌がらせの配置転換。そして炎天下の長時間虐待点呼。
なかまが受けた精神的苦痛は筆舌に尽し難いものがあります。昨年11月に大阪高裁第2民事部が下した判決はこれらの組合攻撃を「不当労働行為」と認定し、断罪しました。
各社の労組が第一の軍門にくだる中で、佐野南海労組(佐野第一交通)のなかまは攻撃に耐え抜き、団結を守り続けて反撃。ほぼすべての裁判で勝訴しました。
業を煮やした第一交通産業は03年4月、佐野第一交通の営業エリアに御影第一泉南営業所を設置。組合員以外の従業員を新営業所に移したうえで佐野第一を廃業、組合員を解雇しました。いま大阪高裁第3民事部で雇用責任の所在が争われている偽装廃業事件です。
今年4月には最高裁が第一交通産業の上告を「不受理」決定し、「佐野第一の廃業は親会社の共同不法行為による偽装廃業」との司法判断が確定しています。
「“お父さん何で仕事行かへんの”と言われた時ほど、辛かったことはありませんでした」
7月25日の大阪高裁83号法廷。原告側最終弁論に立った佐野南海労組の岩永書記長は、偽装廃業によって職場を奪われた当初をこう振り返り、言葉を詰まらせました。争議を1日も早く解決して職場に復帰することが原告団の切実な願いです。
争議が長引くなか、第一交通産業の醜い実態がなかまの宣伝行動で多くの市民・利用者の前にさらけ出され、同社の社会的信用は失墜しました。失われた信用を取り戻すには、労働者の人権を踏みにじった非を認めて体質を改め、日本最大のタクシー企業に相応の社会的責任を果たすしかありません。
【第一交通闘争】佐野第一偽装廃業事件・控訴審が結審
2007/08/06
第一交通の雇用責任問うこの裁判がすべてを決定
第一交通闘争は7月25日、佐野第一交通の偽装廃業による不当解雇事件以後の雇用責任について争われた控訴審(大阪高裁第3民事部二係・島田清次郎裁判長)が結審し、重要な局面を迎えました。判決は10月26日に下されます。
審理の締めくくりとなる原告側(組合側)最終弁論は同高裁83号法廷で開かれ、大阪地連の権田委員長、佐野南海労組の堀川委員長と岩永書記長がこの裁判にかける思いを綴った陳述書を読み上げ、組合つぶしと法違反で拡大を続けてきた第一交通への断罪を求めるとともに、解雇された組合員の職場復帰を訴えました。
閉廷後、組合側弁護団は原告団や傍聴支援に駆けつけたなかま90人にあいさつ。6年4ヶ月もの間、第一交通の攻撃に屈せずたたかい続けてきた原告団・なかまへの敬意と、闘争勝利に向けた決意を表明するとともに、審理内容について解説しました。
勝利めざして署名を
横山精一弁護士は、控訴審の冒頭に「1審判決(御影第一の雇用責任を認める)の判断枠組みはとらない」と発言した島田裁判長が、最終的な準備手続でも同じ発言を繰り返したことを明かし、「偽装廃業の受け皿である御影第一だけではなく、第一交通産業本体に雇用責任をとらせるべき」との組合側の従来からの主張が認められたものと推測。
さらに「第一交通側が提出した最終書面は組合側の主張にまったく反論できていないうえ、偽装廃業については“この問題については述べない”として反論を放棄しています」と指摘し、なかまは控訴審勝利への確信を強くしました。
横山弁護士は続けて「この裁判がすべてを決定します」と強調したうえで「判決日までに、裁判官が確実に私たちの主張を認めるよう、最後の最後まで気を抜かずにがんばりましょう」と奮起をよびかけました。
最後にあいさつした権田委員長は「全労連すべての単産・支部・なかまから団体・個人署名を集めます。全国的に注視されているこの裁判を勝ち抜いて、佐野南海労組のなかまがもとの職場に戻れるよう大阪地連としてもがんばっていきたい」と述べ、最後までの支援と協力をよびかけました。