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2013年09月の記事
貧困撲滅へ最賃819円では
2013/09/17
異議申出書提出行動で局側に趣旨説明する大阪労連・続(つづき)副議長(こちら向き最左、9月5日)
大タ協は公共交通の責務放棄するな!
労働条件改善で「公正な競争」確保せよ
大阪地方最低賃金審議会は8月21日、大阪労働局長に対し、大阪府最低賃金を10月18日から「19円引き上げ、時間額819円に改正決定することが適正である」との答申を行いました。大阪労連は9月5日、264団体・個人の異議申出書を同局に提出、「全国一律最賃制を確立し、時間額1000円とすること」を求めました。
9月5日の異議申出書提出行動で、生協労連の代表は「なかまが急性心不全で亡くなった。賃金が低いために昼夜を分かたず長時間働き続けてきたことが大きな原因。こんな悲しい思いは二度としたくない。長時間働かなくても生活できるように最低賃金を引き上げてほしい」と訴え、再審議を強く求めました。
同書ではその理由として、最賃法の目的(第1条=労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与する)に照らせば「819円では余りにも低すぎ、貧困と格差の是正、非正規労働者の均等待遇への接近、賃金底上げによる生活改善にはつながらない」と指摘しています。
高齢化放置するな
異議申出書は、経営者側からも大阪タクシー協会など2者が提出。大タ協は「事業者の賃金支払い能力を無視し、廃業に追い込まれる。最賃は年金受給額も考慮されるべき」として、引き上げの撤回を求めていますが、公共交通事業者としての責務を放棄する主張だと言わざるをえません。
年金を考慮するような最賃では、事業者はいつまでたっても逆ピラミッド型の年齢構成の是正に真剣に取り組まないでしょう。家族を養えない低賃金ゆえに求職者から敬遠され、人の命を預かる職業でありながら高齢化が進行する現状をいつまで放置するのでしょうか。
最賃法第1条で謳(うた)われている「労働力の質的向上」「事業の公正な競争の確保」がいままさに求められているのがタクシー業界です。“公共交通の担い手である乗務員に時間額1000円以上を保障しなければならない”として国交省や国会に台数や運賃、賃金制度の規制強化を求め、自らも供給過剰やバラバラ運賃の是正に努力する、これがタクシー事業者の正しいあり方ではないでしょうか。