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2019年09月の記事
神奈川地本・箱根登山ハイヤー争議の解決を
2019/09/25
小田急電鉄子会社の実態を告発する(8月8日、新宿・小田急百貨店前)
元の職場に戻せ
自交総連大阪地連は9月17日に開いた第4回拡大執行委員会(議事要旨3面)で、自交総連神奈川地方本部(神奈川地本)の要請に応えて箱根登山ハイヤー争議の早期解決に向けた支援を強化することを再確認しました。
小田急電鉄の100%子会社、箱根登山ハイヤー(神奈川県小田原市、伊藤悦充代表)では、残業や公休出勤時の割増賃金が一切支払われていません。これを支払うように求めた那賀智恵美さん(現、神奈川地本・箱根登山ハイヤー支部長)に対し、会社は長年勤務してきた箱根エリアから売上が落ちる小田原エリアに一方的に異動させました(昨年4月)。組合員・山田みや子さんも経理から一般事務へ一方的に変更しました。会社にものを言う労働者への報復、不当労働行為であることは明白です。
ハラスメントの温床
同年5月、箱根登山ハイヤー支部として自交総連に加盟しますが、体調を崩した那賀さんに営業所長が「まだ生きていたのか」とパワハラ・人権無視発言(同年7月)。それ以前にも御用組合の役員が支部書記長を集団で囲み、「男なら裏へこい」「おまえ、帰りは気をつけろよ」と押し倒したり、ネクタイを引っ張りあげるなど暴行。
他の支部組合員も乗客の吐瀉物処理が不十分だったと言いがかりをつけられ、「誠意を見せろ、毎日でも追いかけ回すぞ、家まで行くぞ」と脅迫されました。それでも会社はこれらの暴行や脅迫、ハラスメントをすべて放置しています。
県労委三者委員も理解
同年8月、組合側は神奈川県労働委員会に不当労働行為の救済申立を行いました。11月には「那賀支部長が心身ともに追い詰められた状態では審査の実効性が阻害される」として、すぐに箱根勤務に戻すよう「実効確保の措置勧告」を求めました。県労委の三者委員(公益委員、使用者委員、労働者委員)は、那賀さんと山田さんを「元の担当エリアに戻すよう要望する」との文書を会社側に手交しています(今年7月25日付)。
会社側に対し、那賀さんと山田さんを無条件で元の担当エリアに直ちに戻すよう求める文書送付を、神奈川地本ら争議支援共闘会議が自交総連各地方組織に要請。大阪地連は第4回拡大執行委員会で要請に応えることを確認しました。
南西地協総括会議
2019/09/25
すべて自己責任 これが“ウーバーのやり方”
南西地区協議会(吉田栄二議長)は9月14日午後、自交会館で2019年度総括会議を開催し、同年度運動総括・決算報告及び監査報告を原案通り全会一致で承認するとともに、全役員を再任しました。
総括会議は松原副議長の司会で開会。主催者あいさつを行った吉田議長は運賃改定について「8月31日に公示された大阪の新運賃は消費税だけが転嫁されたものだった。国土交通省の説明では、運賃値上げについて『継続審査』と言っているが、いつまでにやるとは一切言及しない。この分だと運賃改定は難しい」と指摘しました。
さらに吉田議長は、大阪でも目にするようになったウーバーイーツの内情を告発した新聞を手に、「配達人が原付バイクで転倒負傷した事故の翌日、ウーバーに連絡すると、返ってきたメールには『お見舞い申し上げます。配達パートナー様の不注意による事故の場合、配達パートナー様はUberシステムへのアクセスを失うことにもなりかねません』『厳しい注意喚起ではございますが、今回のようなことが再度あれば、あなたのアカウントは永久停止となるかもしれませんのでご注意下さい』と、脅しともとれる内容が書いてあった。このことからも分かるようにウーバーの配達人は個人事業主ですべて自己責任。このやり方がそっくり白タク・ライドシェアにつながる」と注意喚起し、白タク阻止闘争への奮闘を呼びかけました。
20年度役員は議長・吉田栄二(未来都)、副議長・松原伸一(朝日)、会計監査・杉山元昭(佐野南海)、同・山本宣雄(大阪東洋)の各氏を選任しました。
北東地協 白タク闘争に首長選主体的な役割果たした1年
2019/09/15
北東地協の1年を振り返り挨拶する福井議長
北東地区協議会(福井勇議長)は9月8日午後、関西中央交通労組(城東区今福南)事務所で、19年度北東地協総括会議をひらき、同地協加盟単組代表者ら17人が参加しました。
主催者を代表し福井議長は10月1日から実施される運賃改定について「消費税だけが転嫁される結果になった。先んじて東京で距離短縮値上げ運賃が実施されたが、大変な状況になっている事業者が少なくない。大阪は先送りになったが、乗務員は運賃競争に巻き込まれたくないというのが思いだ」と指摘。
つづけて「所管省庁の権限を飛び越えて内閣府から物言いがつく、国・政府はいかなる手を使っても自分たちの思い通りにやる。今回の件でも自交労働者を救える政治の必要性がはっきりした。19年度は白タク闘争、首長選挙の繰り返しの1年だったが、大阪地連の要請にも北東地協は積極的に応え主体的な役割を果たせた。今後とも団結してがんばっていこう」と語気を強めました。
庭和田担当が、19年度運動総括案、同決算報告、20年度役員体制(福井、荒木、庭和田)案を提案後、19年度監査報告を片岡(大商ユニオン)監査が報告し、全議案とも全会一致で承認されました。
単組報告で、関空リムジン労組の三野委員長は「8月31日にやっと団交が行われた。欠勤控除や各種手数料問題などお互いの意見を交わし、年休継続問題は善処する姿勢をみせるとともに、運賃改定時のノースライドとアプリを入れるつもりはないと言及した」と報告しました。
前代未聞、大阪の運賃改定
2019/09/15
国交省・近畿運輸局苦しい弁明に終始「審査継続中」
消費税が8%から10%に変わる10月1日に合わせタクシー労働者の労働条件改善を目的とした24年ぶりの運賃改定が大阪で実施される予定でしたが、関係者の思いが踏みにじられる結果になりました。
8月31日に告示された「新公示運賃」は、前日に開催された「物価問題に関する閣僚会議」を経て、全国すべての運賃改定について、消費税増税分の転嫁のみということになりました。国交省・近畿運輸局の説明によると、閣僚会議で複数の関係省庁から「より丁寧な検討が必要」との意見があり、国交省は引き続き審査することにしたとの苦しい説明を繰り返しています。しかし、そもそも「物価問題に関する閣僚会議」にかかる「運賃改定事案」は東京都特別区と武三地区だけです。それなのになぜ今回だけ大阪も含め全国で申請されている運賃改定が同会議にかかるのか、納得できる説明は誰からもありません。
今回の「決定」について、国土交通省は主体的な「判断」だとしていますが、同省の頭越しに決定したのであって、消費税増税による景気への「リスク」をできるだけ排除したいという官邸の意向が直接反映された「結果」です。近畿運輸局も「審査継続中」と説明するものの期日も示せない状況で、過去に遡っても聞いたこともない前代未聞の「判断」です。
タクシーの根幹を揺るがしかねないアプリやキャッシュレス決済機等の手数料問題が差し迫る中での「運賃改定」を政府が頓挫させた責任は重大です。運賃説明会でも消費者団体代表が揃って労働条件改善や安心・安全を守るコストの捻出を目的とする運賃改定に賛成したことをも踏みにじる結果です。関係者が協議を重ね24年ぶりの運賃改定を機に「小型」「中型」の運賃格差も「普通車」1本に集約。新大阪駅乗場も統一し新たなスタートを切るはずでしたが、延期せざるを得ない事態に直面しています。
大阪府A地域の8月末運転者証交付数 前年同日比754人減
2019/09/15
「65歳以上70歳未満」年811人減 底見えぬ総需要減・乗務員数減
大阪タクシーセンターの統計によると、管内の8月31日現在の運転者証交付数(個人タクシーは事業者乗務証)は22578人で前年同日からの1年間で754人の減。また大阪タクシー協会の最新の「輸送実績」(6月分)によると、実働率が前年同月比で3・1ポイント減っているのに日車営収も534円減となっています。
運転者証交付数を5歳ごとに区分した統計で1年間の増減をみると、最も変動が大きかったのが「65歳以上70歳未満」。811人減っており突出しています。2番目に変動が大きかったのは「75歳以上」で159人増、3番目は「60歳以上65歳未満」で152人減となっています。
「70歳以上75歳未満」は80人増にとどまっており、「65歳以上70歳未満」の減少分の大半は引退したものと思われれます。一般車の高齢ドライバーによる重大事故が続発した影響でしょうか。
「輸送実績」の推移をみると、日車営収は1月を境に、4月を除いて前年同月比マイナスが続いています。近年は実働率減と日車営収増が同時進行していたのが、特定地域での減車もあって実働率減は底を打ったかに見えましたが、6月の実働率は3・1%減。にもかかわらず日車営収も534円減となっており、乗務員数減も総需要減もいまだに底が見えません。
ライドシェア合法化阻止市民宣伝 新大阪・大日・寝屋川市・枚方市
2019/09/05
新大阪駅のタクシープールで白タク合法化阻止宣伝に奮闘する大阪、京都両地連のなかま(8月27日)
危険な白タク解禁許すな
自交総連大阪地連(福井勇委員長)は8月27日、新大阪駅、大日駅、寝屋川市駅、枚方市駅で「危険な白タク・ライドシェア合法化阻止」市民宣伝と組織拡大宣伝に取り組みました。宣伝には京都地連のなかまも駆けつけました。
各駅頭で宣伝のマイクを握った福井委員長は、「昨年、中国でライドシェア運転者によるレイプ殺人事件がたて続けに2件起きた。ライドシェアはその危険性から禁止、規制に向かっているのがいまの世界の流れだ。にもかかわらずソフトバンクの孫正義氏は、白タクを法律で禁じている日本を『バカな国』という」「ソフトバンクグループは世界のライドシェア企業に150億ドルもの出資をしている。孫氏がライドシェア解禁を求める本当の理由は、出資額に見合う金を儲けるためだ」と指弾し、「私たちは安心・安全・快適な地域公共交通を守るため、危険な白タク・ライドシェアの合法化を絶対に認めるわけにはいかない」と力を込めました。
安全な公共交通守れ
大日駅でマイクを握った京都地連・浅井大二氏は、ライドシェア企業が過疎地域の自治体に自社のアプリを売り込む動きについて、「住民の移動の権利を保障するために行政が考えるべきことは、危険なライドシェア導入に走るのではなく、安全な公共交通機関をどうやって維持していくか」「公共交通はつぶれたら元に戻らない。白タクが解禁されたらライドシェア企業は儲けにならない過疎地を切り捨てる」と警鐘を鳴らし、運動への理解と協力を訴えました。