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2006年10月の記事

飯沼博中央執行委員長決意表明
2006/10/25

飯沼博中央執行委員長決意表明 新執行部を代表して決意を語る飯沼博中央執行委員長(19日) 自交労働者のくらしと権利守る

第2ラウンドの闘い全力で


 「めざそう輸送の安心・安全、誇りと働きがい、地域への貢献 実勢3万人の回復、自交労働運動の新たな飛躍を」をスローガンに自交総連第29回定期大会(領家光徳委員長)は10月18、19日の2日間、都内の台東区民館で開催し、全国のなかまが、交政審タクビジョン小委員会の「報告書」を実践させる第2ランドへのたたかいに向け、活発な議論を交わしました。

 司会の権田副委員長(大阪地連委員長)が開会宣言し、「10月9日、北朝鮮の核実験に強く抗議するとともに核の廃絶を強く求める」と冒頭述べ、「規制緩和の弊害を正す運動をともにがんばろう」とあいさつ。

 今期で勇退する領家委員長は、「過去に経験したことのない『規制緩和』攻撃の中で、自交労働者は荒れ狂う大海原に放り出された訳ですが、欧米の規制緩和失敗と、たたかいの中から学びながら確立してきた『タクシー運転免許政策』の正しさが証明され、第2ランドのたたかいへバトンを渡すことができた……」と感慨深げにあいさつしました。

 「安心・安全・地域貢献をめざす」07年度運動方針を今村書記長が提案し全会一致で採択されました。

 中央執行委員長に飯沼博(58歳)氏が新たに選出されました。

【第一闘争】佐野第一偽装解散・解雇事件控訴審
2006/10/25

原点に復帰して第一本社にも地位確認と賃金請求


 17日、第一交通産業による偽装解散・解雇事件控訴審(大阪高裁民事3部)の「弁論準備」が同部書記官室で開かれ、原告・被告の弁護団と裁判官の間で、手続きや理論上の問題について論議されました。

 組合側の小林弁護団長は原告団・支援者に向けた説明で、裁判所から「どの部分を不法行為として主張してるのか」と問われた上、「区分けをきちんとしてほしい」と要望されたことを明らかにし、裁判所が第一交通の不当労働行為について解散・解雇前と後の区別ができていないと思われる点を指摘しました。

 つづいて説明に立った高橋弁護士は、第一交通本社に対する地位確認・賃金請求を付帯控訴に付け加えたことを明らかにし、「『御影第一に対して地位はあるけど第一本社にはない、賃金は御影からもらえばいい』という1審判決の枠組みは最高裁(5月22日)で決まったものだということで、第一本社に対しては控訴に上げてなかった」と経緯を説明。前回の裁判長とのやりとりを踏まえて「これはやはりもう一度言っておこうということで、当初の原点に復帰した」と説明しました。

 さらに今回の「弁論準備」での裁判官の様子について 「むしろ『地位とか賃金の問題は第一本社にあるんじゃないか』というようなニュアンスを持っている」との見解を示し、「どちらになるか予断を許さないが、弁護団としてはどっちに転んでも認められるように準備していきたい」と決意を表明しました。

 次回の控訴審は11月29日、民事2部の判決言い渡し後の15時から行なわれます。

キタ・ミナミで待機の乗務員切実に訴える
2006/10/25

キタ・ミナミで待機の乗務員切実に訴える タクセンがサインカーで訴える(10日、御堂筋金龍ラーメン前で)

運転手生かす方法考えて


 大阪タクシーセンターの指導権限強化を受け、大阪地連が10日に実施した実態調査で得た「現場の声」を前号に引き続き紹介します。

 今回の調査では、チャブリ行為を現認できませんでしたが、ミナミ・堺筋で活動中の指導員は調査団の問いに「指導しようと近付いていくとすぐ逃げてしまう」「私らが反対側を巡回してる間にまたもとどおり」とため息をつきました。

 また金龍ラーメン前で活動中の指導員に、指導時間を延長できないのかと質すと「法律にのっとって(午前1時まで)やってますので…」とあきらめ顔。また駐停車禁止場所での客待ちについて「なるべく角が立たないように『ここはダメですので』と指導しても『あの車はどうなんだ』とやりかえされます」と顔を曇らせました。

 北新地・スエヒロ前で客待ちしていた乗務員は「行政はタクシーの運転手を殺すことしかやっていない。一般の違法駐車をどけるとか、いい場所に乗り場をつくるとか、もっと運転手が生きていける方法を考えてほしい。自交総連がこの実態を行政に言ってくれ」と切実に訴えていました。

【第一交通】際だつ第一交通産業の異常性
2006/10/16

これがタク業界の最大手とは情けないかぎり
いい加減目を覚ませ!!


 大阪地連・佐野南海交通労組と第一交通産業(黒土始会長・田中亮一郎社長)との争議事件は、平成13年6月4日に大阪地裁岸和田支部に申し立てた賃金未払「仮処分」裁判に始まり、5年半が経過した10月10日現在で76件に及んでいます。

 現在、裁判闘争も平成15年4月16日の組合つぶしを目的とした第一交通産業による佐野第一交通の偽装解散を境に、2つの時期に分かれ、裁判も2つの系統で争われています。

 一つは解散・解雇までの事件〈平成18年(ネ)1949号〉で、これは大阪高裁民事2部で結審し、11月29日に判決が言い渡されます。今後、メインの裁判となるのが同高裁民事3部で争われている解散・解雇後の裁判〈平成18年(ネ)1950号〉です。

 この裁判にも関係し、第一交通産業は御影第一の泉南第2営業所(泉佐野市南中樫井672−1=元佐野第一交通)の新設申請(24両)を近畿運輸局に行い10月4日付けで、認可されました。今のところ大きな動きはありません。

仮処分も10月6日、組合側全面勝利
 5月31日の大阪地裁堺支部の「勝利判決」(第一交通・御影第一は連帯して賃金相当額の損賠金を支払えなど命じる)の強制執行を免れようと、第一交通は画策し9000万円の供託金で強制執行停止の「決定」を得ていました。これに対し、組合側は6月27日、仮処分を申し立て8月4日、大阪地裁堺支部は06年4月から控訴審判決まで支払えとする「決定」を下し、第一交通が異議を申し立てていましたが、同社の主張をすべて退ける組合側勝利の決定が10月6日下されました。

乗務員に対する聞き取り調査
2006/10/16

怒号飛び交う北新地


 午後10時、ミナミの堺筋三津寺に到着した調査団は客待ち中の乗務員に、あらかじめ用意した質問項目(左表)に沿ってヒアリングを開始。ほとんどの乗務員が罰則強化について認知していました。「気になるね。(乗車禁止場所では)あかん言われても(やむなく)乗せなあかんときもあるし」「ほんまに悪いヤツをつかまえたらええのに(普通の乗務員への罰則強化は)不公平や」などと不安や不満を訴える声が相次ぎました。

 午後11時、調査団はキタに移動。北新地ではステーキ店「スエヒロ」前から乗り込む客が多く、正規の乗り場はそこから西に外れているため、多くのタクシーが「スエヒロ」前に殺到します。正規乗り場の停車スペースの外側を空車が二重に列をなしバック付けも加わって混乱の極みでした。

 調査中には、バック付けを指導員に現認・指導された個人タクシーの乗務員が逆に食ってかかる一幕も。乗務員と指導員両人の怒鳴り声が現場の混乱ぶりを象徴するかのように辺りに響きわたっていました。

乗務員に対する聞き取り調査

@10月1日から大阪タクシーセンターによる「タクシー 乗務員等の違法行為に対する罰則強化策」が実施さ れますが、ご存じですか。

A法人・個人事業者・法人乗務員に対して違反点数が 20点に達したら事業者に車両停止処分や乗務員には タクシーセンター登録取り消し処分が行われます  が、ご存じですか。

B処分内容は、・乗車拒否20点・チャブリ行為5点・不 法駐停車5点・不法乗り入れ3点・接客不良3点などで すが、ご存じですか。

Cタクシーセンター指導員の指導のあり方等について 何か意見がありますか。

Dチャブリ(客引き)行為が一番目につく場所はどこ ですか。

E10月1日以降、チャブリ行為は減ったと思いますか。

Fタクシーセンターに対する要望などがありますか。

G罰則強化措置について何か意見などありますか。

H罰則強化措置の実施以降、あなたの営業方法が変わ りましたか。また、点数制が気になりますか。

Iその他

【第一交通】大阪高裁民事2部 第1回弁論で結審
2006/10/16

第一交通側の反論は筋違い勝利を確信
 平成15年4月の佐野第一交通偽装解散・解雇事件以前の未払賃金(新賃金体型による差額)や地位確認など、組合側主張を認めた大阪地裁堺支部判決を不服とした第一交通産業が控訴した事件の第1回弁論(組合側も附帯控訴)が大阪高裁民事2部(松山恒昭・小原卓雄・吉川愼一・吉岡真一裁判官)82号法廷で開かれ結審しました。

 松山恒昭裁判長は「民3でも別の事件が争われていますが、この事件の和解はムリに思うので第1回弁論で終結とし、11月29日13時15分、この法廷で判決を言い渡します」と告げ閉廷しました。

 閉廷後、弁護団の横山精一弁護士は「堺支部で全面勝利した判決が解散・解雇以前、以後に分けられ控訴審として、争われていますが、今日の民事2部は第1回目で結審し、1カ月半後に『判決』がもらえる。相手方の反論はまったくの筋違いだった。形式的に見ても判決は覆らないと思う」と述べ、「勝利の上に立って第3民事部でも第一交通産業を追い込もう」と激励しました。

太平洋交通合資会社の件で近畿運輸局へ申し入れ
2006/10/16

太平洋交通合資会社の件で近畿運輸局へ申し入れ 近畿運輸局(左)を質す組合側(6日、近畿運輸局で)

安心・安全の観点から質す


 安心・安全を守る観点から9月28日以来、太平洋交通合資会社(門真市沖町・29台)の西川社長が行方不明となり、同社社員から相談を受けた大阪地連は10月6日午後、沢田副委員長と久保書記長他が、近畿運輸局に出向き大阪市内で営業を続けていることへの対応について質しました。

 局は「同社社長が行方不明であることは、大阪運輸支局の情報でつかんでいる」と答え、「合資会社は、無限責任社員(個人)に債務が行く、『次の代表者を何時までに決めなくてはいけない』と言う期間の定めはないが、運行管理者がいても事業の継続が良いとは考えていない。無法状態は容認できないし、今日も支局が調査している。重大事故が発生した後では大変なことになる。代表者不在が続くようであれば事実確認し、旅客2課と監査指導部で法的手段を行使し、処分も含め対応していく」と回答。

 同社は平成17年4月から許可を受け営業開始後、平成18年2月16日に旅客自動車運送事業運輸規則第24条第3項、第25条第2項、第3項、第38条第2項違反で35日車の行政処分を受けました。処分からも明らかなように、労働者を管理する、事業者として法律を守る姿勢が稀薄でその結果としての経営破綻とも言えます。

 規制緩和後、誰でも小資本で参入し、儲けのためだけにタクシー業を営むだけでは公共輸送機関を担う事業者としての責任も果たされない。まさに規制緩和が生み出した失敗例と言わざるを得ません。

 許可する門戸を広げ、事後チェックを強化するというものの実態にそぐわない入り口チェックでは、今後も短期間で同様の経営破綻を招きます。法的なセーフティー(資金供託など)の整備が急がれます。

キタ・ミナミでタクセン指導の実態調査
2006/10/16

キタ・ミナミでタクセン指導の実態調査 「指導するなら公平に」と調査団に話す乗務員(10日、午後10時15分堺筋大阪富士屋ホテル前で)

怒り渦巻く現場


 近畿運輸局が不法駐停車や乗車拒否など違法行為に対して点数制度を導入し大阪タクシーセンターの指導権限強化策を10月1日から実施していることを受け大阪地連は10月10日深夜、6人の調査団を編成し、同センター指導員の指導に伴うトラブルがないか、また、呼び込み・客引き行為など、いわゆる“チヤブリ行為”の実態も調査するため、ミナミの堺筋、御堂筋(金龍ラーメン)、北新地本通り・国道2号線周辺を中心に調査しました。

 強化策では、累積点数が20点を超えると法人事業者、乗務員、個人事業者に車両停止処分や乗務員登録取り消し処分などペナルティーが科せられます。

 大阪は規制緩和後、過当競争による値下げ運賃や増車を起因とした営業収入の低下が著しく、それに伴い労働条件が一段と悪化したことが、いっそうの乗務員の質低下につながったと考えられます。事業者にも法令遵守の精神を欠いた新規参入事業者や既存事業者間における低レベルな競争激化でモラルハザードが発生しました。また、運賃は労働条件改善、安心・安全、教育コストなどを担保するものでなくてはならないのに、ワンコインなど下限割れ運賃が横行した結果、乗務員教育まで疎かになっていることも原因しています。

 現在頻発しているモラル低下による違法行為は、残念ながらタクシー産業についてまわる構造的なものと言わざるを得なく、違法行為をなくすための方策、いわゆる“伝家の宝刀”となりうる改善策は現時点では見あたりません。まして今回のような罰則強化策では一定の抑止的効果があるものの、悪質な違法行為はなくならないと思われます。

 タクシーを安全でサービスの行き届いた利用しやすい輸送機関とするためには、過当競争にストップをかける法体系の整備やタクシー乗務員の資質向上を目的とするタクシー運転免許制の導入、さらに業界全体で違法行為をなくすための地道な活動が不可欠です。

 今回の実態調査では、チャブリ行為は現認できませんでしたが、現場では怒りが渦巻いています。大阪地連は、定期的に今後も同様の調査を実施しつつ、乗務員の要求・要望・意見などを組織し、近畿運輸局や大阪タクシーセンターに改善策など要請していきたいと考えています。

【弾圧事件】本件を速やかに不起訴にされたい
2006/10/05

弁護人意見書


 第1 意見の趣旨

   本件を速やかに不起訴処分にされたい。

 第2 意見の理由

 1 改正屋外広告物法29条及び奈良市屋外広告物条例3条の趣旨と運用実態


 (1)上記の法及び条例の条文では、法律及び条例の適用に当っては、「国民の政治活動の自由その他国民の基本的人権を不当に侵害しないように留意しなければならない」と規定されている。これは法及び条例の解釈の基本指針であるとともに、運用(処分)の基本指針でもあることは言うまでもない。

 本件の処分に当っては、正にこの点が問われているのである。そして、「政治活動の自由」が例示されているが、本件のような労働組合活動は同様に憲法上重要な結社の活動であり、その他民主主義社会の基礎となる表現の自由が特に尊重されるべきことが上記の規定の趣旨である。

 (2)弁護人らが知りうる範囲でも、ここ10数年の間、奈良・大阪のみならず全国的にも、労働組合活動や政治活動等に関して、本件のような屋外広告物条例違反で処分された例は聞かない。この事実は、上記の条文の趣旨に沿った実務の取扱が定着していることを示している。

 (3)奈良市屋外広告物条例は平成13年に制定された新しいものであるが、捜査方法においても、逮捕事例は、深夜のピンクちらしやヤミ金等のちらしの貼付か又は昼間の不動産業者等の貼付に関して事前の警告を行っても繰り返している場合に限定されているとのことである。

 (4)従って、本件のような労働組合の表現活動について逮捕されたことも異例であれば、罰金といえども万が一にも処分されるようなことがあれば、全国的にも特異な事例となり、断じて許されるべきではない。

 2 本件行為は法及び条例等の規定からみて相対的に違法性が軽微である

 本件行為の違法性を検討するに際して、更に次の点が考慮されるべきである。

 (1)景観法制定に連動する改正屋外広告物法の改正

 景観法制定に連動する平成16年の屋外広告物法改正は、第1に、違反広告物の主たる原因となっている不良業者を規制するために、従来の届出制から登録制に改め、第2に、これらの業者の違反に対して懲役刑を含む重罰化を図った(改正法30条、32条等)。しかし、一方では、業者の登録に関わらない本件のような貼付行為のみの場合は、依然条例に罰金又は過料のみを科する規定を設けることとした(改正法34条)。

 奈良市屋外広告物条例第6章の罰則規定も、明らかに業者に重く、業者でない者の行為については罰金刑のみである。

 (2)隣県の大阪府屋外広告物条例は、現在でも、本件のように電柱を広告物表示の禁止物件とはせず、単に表示方法を制限しているに過ぎない(同条例4条、5条参照)。後述の伊藤正巳裁判官の補足意見でも指摘されているように、「『電柱』類はかなりの数の条例では掲出禁止物件から除かれている」ところ、規制に地域差があることを考慮しても、大阪府と比較して、奈良市全域において全ての電柱への広告物の掲示等が一律に禁止される特段の立法事実があるか否か、いささか疑問である。

 (3)条例上も違法性は薄弱である

 奈良市屋外広告物条例は、確かに電柱への広告物の表示を禁止しているが(6条2項)、一方で、@短期間の表示又は設置で表示期間と責任者の住所・氏名を記載したもの等は許可の対象外とし(9条6項、規則6条)、A電柱広告物も一定の場合には(突き出し広告・巻付け広告)許可が認められる(11条、規則7条・別表第2)。

 本件のビラには発行責任者と連絡先及び発行日(月)が記載されており、従って、本件行為はもう少し工夫すれば条例上許可も当然に不要だったか、少なくとも許可された筈である。よって、奈良市屋外広告物条例上も違法性は相対的に弱いと言うべきである。

 (4)なお、本件事案とは異なり政党の政治活動に関するものではあるが、昭和62年大分県屋外広告物条例事件最高裁判決の伊藤正巳裁判官の補足意見や下級審の無罪判例に見られるように、法及び条例の前記の留意事項に関連して、本件行為のような表現の自由に属する事柄は基本的人権の体系の中でも極めて優越的な地位を有し、憲法上も特に配慮されるべきであることを強調したい(岩波書店刊・芦部信喜著『憲法』163頁も参照されたい)。

 3 その他の事情

 本件行為に先立つ昨年のビラ貼り行為(2005年6月7日)は、当局においても特段捜査もされす、ビラの名義人に対するビラ貼りについての警告等も一切無かった。すなわち、一見明らかな違法性を有する行為とはみなされなかった。

 それにもかかわらず、本件ビラ貼り行為について、逮捕さらには労働組合、三和交通労組委員長自宅への強制捜査に及んだのであり、前述したように、奈良市屋外広告物条例違反事件において、従前は、逮捕事例が深夜のピンクちらしやヤミ金等のちらしの貼付か又は昼間の不動産業者等の貼付に関して事前の警告を行っても繰り返している場合に限定されて来たことに照らして、著しく恣意的なものであるとの非難を免れない。当該労働組合が、本件逮捕等を警察による労働争議への介入であると指摘したのはこの点にある。

 また本件ビラに書かれている労働争議は当事者間で既に和解が成立しており、今後本件行為が繰り返される可能性は全く消失した。

 4 よって、本件を速やかに不起訴処分にされたい。
                                           以上 

大阪タクセン指導権限強化
2006/10/05

規制緩和のツケ 乗務員に転嫁


 近畿運輸局は大阪タクシーセンターの権限強化策「タクシー乗務員等の違法行為に対する措置要綱」(9月1日付け通達)を制定し10月1日から実施しています。

 通達によると、要綱では乗務員・事業者の違法行為事案と違反点数、構成要件を下記の表のとおり定め、センターは街頭指導や苦情処理で違法行為を現認・確認したときに事案に応じた点数を「原簿」に登載。違反点数の累計が20点に達すると近畿運輸局に報告され行政処分が行なわれる、と定めています。違反点数は最終現認・確認日から1年が経過すると消滅します。

 通達では、同要綱の制定を「タクシー事業の適正化とタクシーサービスの向上に資するため」としていますが、今回の取り締まりの対象になるような悪質乗務員のまん延や、客待ち駐停車があふれかえる事態を招いたのは、政府・運輸行政による規制緩和です。

 行政責任を乗務員への取り締まり強化という形で転嫁するのは、筋ちがいというものです。

【弾圧事件】全国的に見ても逮捕は異例
2006/10/05

不起訴求め弁護団


 4・8奈良学園前不当逮捕弾圧事件が奈良地方検察庁に送致され2ヶ月が経過。弁護団(小林保夫、出田健一、横山精一、坂田宗彦、佐藤真理、高橋和宏弁護士)は9月12日午後7時、同庁(丸山検事)に対し、逮捕された3人を不起訴処分にするよう「弁護人意見書」(別掲)を提出しました。

 丸山検事に対し、出田、横山、坂田、高橋弁護士の4氏は、改正屋外広告物法29条、奈良市屋外広告物条例3条の趣旨と運用実態を述べ、「本件のように労働組合活動で逮捕されたことは全国的に見ても異例であり、民主主義の基礎となる表現の自由が尊重されなければならない。罰金といえども万が一にも処分されるようなことがあれば断じて許されるべきものではない」と不起訴処分にするよう求めました。

 これに対し丸山検事は「送致された3人から事情聴取したい…」と打診するなど事件の決着は依然不透明です。

07年運動方針の概要固まる
2006/10/05

07年運動方針の概要固まる 07年度の運動方針を討議する大阪地連の役員・幹部ら(9月25日、河内長野荘で)

国民に「激痛」もたらす安倍政権と対峙


交通政策闘争基金理事・監事&常任執行委員合同研修会

 大阪地連(権田正良委員長)は9月25〜26日にかけて、河内長野荘で2006年度交通政策闘争基金理事・監事&常任執行委員合同研修会を開催し、第61回定期大会に提案する議案書一次案(06年運動総括と07年運動方針、一般会計決算、予算)とともに、第41回交通政策闘争基金評議員会への提出議案を討議しました。

交通政策闘争基金が担う役割と意義

組合員のくらしと権利守る


 25日、10月13日の第6回執行委員会に提案する第61回定期大会関連議案(06年運動総括と07年運動方針案など)について、運動を進めていく視点で様々な角度から討議し補強しました。

 とくに「構造改革」と称して国民・労働者に痛みだけを押しつけた小泉政権を継承し、「戦争する国づくり、人づくり」を進めようとする安倍新政権の誕生が秒読みだったことから、今後どうたたかっていくのかに議論が集中しました。

 それとともに、タクシー・観光バスの規制緩和の弊害改善への運動や交政審・タクシー将来ビジョン小委員会「報告書」を、大阪的にどう活かし今後の運動に結びつけていくのか、また、第一交通闘争、4・8奈良学園前不当逮捕弾圧事件、組織拡大問題など重点的に話し合われました。

 06年決算報告案(05年10月1日〜06年8月31日)、07年予算案もおおむね変更なく原案どおり確認しました。

 26日は、第41回交通政策闘争基金評議員会へ提案する議案書(第1次案)=06年度の交通政策闘争基金の事業活動報告、07年度の交通政策闘争基金の事業活動を読み合わせし、決算、予算とも確認し、10月23日の第3回理事会を経て、11月7日に東映ホテルで開催する評議員会に提案することを決め散会しました。