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2012年10月の記事
自交総連本部が第35回定期大会開く
2012/10/25
さらに減車闘争強化
消費税増税阻止必ず
自交総連は10月16〜17日、「たたかう労働組合の役割を発揮し、まともな労働条件の確立、組織の強化拡大」を中心スローガンに、第35回定期大会を東京都内で開き、新年度の運動方針案など議案4本を満場一致で採択。また役員選挙も行われ、新委員長に高城(たかしろ)政利氏(東京地連)を選出しました。
乗務員の数による
適正台数維持を
自交総連第35回定期大会は、舞弓(東京)・北垣外(大阪)両氏を議長に選出して議事を開始しました。
飯沼委員長はあいさつで、「(再指定を受けた特定地域では)新たな地域計画を策定するにあたり、これまでの自主的な協調減車ができるのか、また強制的な減車が可能なのか、ということが議論になってくる」「規制緩和で失われた需給調整と適正運賃を復活させるのは当たり前なことであり、乗務員の賃金を担保する適正な原価が保障されなければならない。しかし、単に元に戻せばいいというものでもない」との見通しや考えを述べ、「いまこそタクシー運転免許制度による乗務員の質の向上と、乗務員の数による適正台数維持が求められている」「減車闘争の強化とともに、消費税増税を実施させず、景気回復の運動との連結によって賃金増をめざさなければならない」と強調しました。
1車2人への改善
避けて通れない
議案の提案を行なった今村書記長は、「1車1人や2車3人制から1車2人制に改めることで、労働時間の適正化と経営の効率化を図る──減車闘争を進める上でこの問題は避けて通れない。労働組合が研究して地域全体で変えていく必要がある」「高年齢者雇用安定法が改正され、原則として65歳までは希望者全員の継続雇用が義務づけられた。不当な継続雇用拒否や雇い止め、労働条件の低下など問題が起こってからあわてるのではなく、早急に労使協定整備や定年延長に取り組んでいただきたい」と強調。
また、「タクシー活性化法=万能薬ではなく、緊急事態における限定版であることは間違いない。同法改正案(自民党)やタクシー事業法(民主党)の動きがあるが、活性化法の附則※から言うと、施行後5年の段階で欠陥が明らかになれば、それを補う措置として道路運送法改正も含めた新しい方向性を確定しなくてはいけない、という宿題が残っている」「我々はすでにタクシー運転免許構想を提示し、運転者登録制度の高度化を求めている。この1、2年は大変な動きになると思うが、よく注視していただきたい」と述べました。
さらに、バスの運動については「今年度中に政策集を策定する」としました。
※附則抄
2 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
3 政府は、この法律の施行の状況、(中略)供給過剰の状況等を勘案し、(中略)道路運送法に基づく制度の在り方について早急に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
被災者の悲しみ
いまも深く
討論では13地方組織から20人が発言。福島地連の代表は被災地・相馬市の現状を報告、行方不明だった身内が今年5月に発見されたことや、同僚とその家族が亡くなった当時の回想を涙ながらに話し、「福島第1原発のそばを通る国道6号は復旧のメドがたたない。元に戻るには何十年という月日がかかると思う。政府には一日も早く原発をなくしていただきたい」と訴えました。
また、役員選挙(任期2年)では高城新委員長をはじめとする23人の新役員を選出。大阪地連からは園田委員長が副委員長に、庭和田書記長が常任執行委員に選出されました。
本流逆流(10月15日付コラムより)
2012/10/16
これは私が10年前に経験した実話である。当時、会社からの切り崩しによって職場の自交組合員が私1人だけになると、営業部長からの個人指導が度々(たびたび)行われるようになった。
ある日、部長は私にこう問うた。「タクシー運転手にとって乗務日とはどのような意味を持つか」。私が“公共交通としての云々(うんぬん)”などを頭の中で整理できずに答えあぐねていると、部長は苛立(いらだ)ちをあらわにしてこう言った。「乗務日とは銭儲けの日だ!」。
この時のやり取りをビラにして、最寄り駅で配るべきであったといまにして思う。利用者がこの発言を知ればどう思うか。いま一度、自分の職業について考えたい。
自分の持てる技倆(ぎりょう)で社会に貢献し、その報酬として生活の糧(かて)を得る、これが社会人の正しいあり方だと私は思う。我々の職業は血眼(ちまなこ)で“客”を探し回ることなのか。
いま、現場では走行距離や労働時間の規制に対する不満が渦巻いているが、これらの規制は我々の運動の成果であることを忘れてはならない。問題は大幅減車や運賃統一より規制が先行した点にあるが、これを是正するのは事業者と行政の責務だ。運動は道半(なか)ば、これからが私たちの頑張り時である。
常執&交通政策基金理事・監事合同会議 歴史と役割を引き継ぎ発展を
2012/10/16
職場組織救った基金
大阪地連(園田公作委員長)は10月5日、常任執行委員と交通政策共闘基金理事・監事の合同会議を自交会館で開き、該当役員や同基金事務担当者ら15人が出席(委任2)。同基金の1年間の総括と次年度事業計画などを協議しました。
園田委員長(交通政策理事長)は、「交通政策共闘基金が設立されたのは、1973年5月。なかまの連帯の力で民主的交通政策確立闘争の前進を図ることや、争議で組合員の生活補償などの必要が生じた場合の融資、組合員共済、福利厚生活動の促進などを目的とし、70年代後半の不況下では、経営危機に陥った職場を基金の融資によって存続させるなど絶大な力を発揮してきた」と、先輩たちの功績に言及し基金の意義を強調しました。
過去の大争議にも
つづけて「記憶に新しい所では、あの無法を極めた第一交通産業との足かけ9年の闘いでは、佐野南海労組の奮闘もあったが、この基金が果たした役割抜きには語れない大闘争だった。新しい仲間も加入しているので、政策の歴史と役割を引き継いで行かねばならない」と、あいさつしました。
次に基金の事業総括、決算報告、次年度事業計画などを庭和田書記長(同常任理事)が提案したなかで、同書記長は、大阪地連が会員・組合員の福利厚生を目的に行っている西基地内の直営店について、「西基地再編が俎上に上る中、今期赤字決算だった。大阪地連としては所期の目的を継続していく立場で、今後具体的な方向性が出た場合、協同組合と協議していく」との方針を示し理解を求めました。
各提案について、理事・監事、常任執行委員から出された意見をまとめ、理事会を経て、11月1日開催予定の第48回評議員会で議決することを決めました。
大阪タクシーセンターと乗り場問題で意見一致
2012/10/05
チャブリ取り締まり強化、乗降場所の秩序回復など諸問題の改善を大阪タクシーセンターに要請する大阪地連のなかま(こちら向き、9月24日、鶴見区で)
公共性訴え乗降場所を
大阪地連(園田公作委員長)は9月24日、大阪タクシーセンター(小池俊二会長)への要請行動に取り組み、チャブリなど違法行為取り締まりの実効性をもっと上げることや、指導力を発揮して乗降場所の秩序回復などを求めました。
客引き現認難しい
交渉に組合側からは福井・秋山・山本各副委員長ら9人が参加、タクセン側は田中俊幸専務理事ら6人が応対しました。
無法状態が相変わらず改善されていないチャブリの問題について組合側が「タクセンの指導件数は依然としてゼロのままだ。真面目に働く乗務員の憤懣(ふんまん)は頂点に達している」と指摘し「法律に問題があるのか、タクセンの運用に問題があるのか」と質すとタクセン側は「街頭指導を随時行なっているが、行為(呼込み・客引き)の現認が難しく具体的指導(=違反点数の加算)に至っていない。不法駐停車など他の措置要綱違反が認められれば指導を行なっている」とした上で「指導員が情報を得て頻繁に現場に出向き、集中的に街頭指導を行うことによって違法行為はなくなる」と見解を述べました。
人員が足りない
組合側は「堺東駅前で違法営業が行われているとの情報を得て9月19日に実態調査を行なったが現場では指導員が監視していて違法車が皆無だった。動きの早さに驚いた」と評価した上で「タクシープールの乗務員に話を訊くと“取り締まりを毎晩徹底的にやってほしい”とのことだった。実効性がともなっていないという現場の不満がある」と指摘。さらに「北新地ではチャブリと指導員がなれあい、真面目な乗務員だけが泣かされている」というなかまの声を紹介しました。
タクセン側は「堺東については(大阪地連からの)要請書を受けて、ただちに各事業者に対する注意喚起を行なった。合わせて指導員による巡回指導を実施した。警察にも取り締まりを要請している」「街頭指導は、基本的には輸送秩序確立連絡協議会(一水会、座長=土井眞三・大阪運輸支局長)が策定した計画書に基づいて行うが、市民などから苦情申告・指導要請があれば指導員を現地に派遣している」とした上で、「タクセンの人員に限りがある。苦情の8割を占め、一水会の指定地域でもあるキタやミナミを優先せざるを得ない」「我々には警察ほどの権限がない」などと苦渋を滲(にじ)ませました。
またチャブリと指導員のなれ合い疑惑については「チャブリが指導員を丸め込みにくることがあるようだが、それがつるんでいるように見えるのではないか。再点検する」「“なれ合い”は絶対にない」と強調しました。
「労組からも要請を」
組合側はタクシー乗降場の改善について「JR大正駅ではマナーの悪い新免会社乗務員と地元商店の間でトラブルが頻発してタクシー乗り場が休止して以後、真面目な乗務員までが敵視される事態になっている。バス停でのバックづけも常態化して非常に危険。ルールを守ろうにもきちっとした乗り場がない」「大阪駅ではタクシー乗り場が東口1か所だけで、降り場がないためにタクシー・市バスの乗務員、利用者ともに困難を強いられている。大阪府、大阪市がタクシーを交通政策の中に位置付けていない」として関係自治体、行政への働きかけを強めるよう要請。
タクセン側は「自治体は“タクシーに乗り場なんかいらない”という姿勢だ」「タクシー乗り場増設をJRに何回求めても応じてくれない」と共感を強く示し、「労働組合からも乗務員と利用者の切実な声を行政、自治体に届けて改善を働きかけてほしい」と要望しました。