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2015年10月の記事
特定地域 大阪市域を指定
2015/10/26
11月1日から3年間、全国19区域
国土交通省は10月20日、札幌交通圏、大阪市域交通圏、福岡交通圏を改正タクシー特措法に基づく「特定地域」に指定することを発表しました。
これまでに仙台市域や広島など16交通圏が指定されており、これで地域協議会が同意した19交通圏のすべてが指定されることになります。
「特定地域」では11月1日から3年間、新規参入・増車が禁止され、今後は各地域協議会で減車計画を策定、実行に移すことになります。ただし減車計画には車両ベースで事業者の3分の2以上の賛成が必要とされ、さらに関係自治体の長の承認が必要です。大阪は橋下維新政治がはびこっているため適正化は困難を極めます。
大阪市域のみならず北摂、河北、河南、河南B、泉州交通圏は依然解消されない供給過剰状態の中で、新たに惹起する「白タク合法化」問題もあり、業界がいっそう厳しい状況に追い込まれる懸念が強まっています。
自交総連本部が第38回定期大会ひらく
2015/10/26
過疎地が白タクの標的に
地方交通政策の議論必要
自交総連本部(高城政利中央執行委員長)は10月14〜15日、東京都内で第38回定期大会を開き、「白タク解禁や二種免許の取得規制緩和など、新たな規制緩和の動きに対しては断固として反対し、たたかっていく」などとする2015年度運動方針を全会一致で決定しました。
高城委員長はあいさつで、国交省が10月1日に6地域の準特指定解除を決定し、増車・新規参入を可能にしたことについて「我々の主張した通りに改正特措法の限界が早くも露呈した」と指摘。また、特定地域指定候補29地域のうち、10地域協議会が指定に「不同意」としたことについて「総論賛成・各論反対という、自社さえ良ければというタクシー経営者の悪しき実態が表れている。この1年は減休車がほとんど進んでいない」と批判しました。
同委員長はさらに、ウーバーやリフトなど白タク行為を正当化しようとする経済界の動きを紹介し、「行き着く先はタクシー業界の崩壊だ。“新たな規制緩和”ではなく“規制崩壊”と捉えて運動を強化し、すべてのタクシー労働者を結集する必要がある」と強調しました。
13地方17人が登壇した討論で東京地連の代表は、「過疎化や高齢化が進む地方で住民の足をどう守るか、交通政策の議論が必要。住民同士での自家用車相乗りは現実に行われている。財政難の自治体ではデマンドタクシーもまかなえずウーバーが拡がる恐れがある」「白タクを禁じる道路運送法を崩すのが『特区』。橋下大阪市長が提案する可能性もある」と警鐘を鳴らしました。
低額運賃事業者による公定幅運賃訴訟 11月ワンコインドーム、12月寿タクシーに「判決」言い渡し
2015/10/15
大阪地裁 許すな略奪運賃
MKやワンコイングループなどの低額運賃事業者が国・国土交通省を相手取り起こしている「公定幅運賃訴訟」の公正な判決を求め大阪地連(秋山民夫委員長)は10月8日早朝、大阪地方裁判所前を皮切りにJR新大阪駅・大阪駅、南海なんば駅で両社の不法な実態を告発する宣伝行動に取り組みました。
8日早朝、大阪地連の秋山委員長をはじめ組合員らは大阪地裁前と大阪高裁前に分かれ、裁判所に勤める職員や通勤途上の市民に「MK・ワンコインのブラックな手法許すな」と題したビラを配り両社の実態を告発しました。
現在、「公定幅運賃訴訟」はワンコインドームが先行する形になっています。同社が11月20日、次いで寿タクシーが12月16日に判決の言い渡しが大阪地裁第2民事部(西田隆裕裁判長)で行われます。
また、エムケイグループの近畿地区4社と個人タクシー「MKパートナー」も同様の訴訟を係争中ですが、裁判官の異動等で期日が決まらない状況で、おそらく判決は年を越えることになります。
本末転倒な主張!!
違法搾取を許すな
地裁西門前でマイクを握った秋山委員長(写真)や吉田副委員長は「両グループとも国が定めた5%の公定幅運賃が、憲法22条で保障する職業選択の自由をもって、経営の自由を阻害し憲法違反だとの主張ですが、彼らの言う経営の自由・努力とは、労働者からの『違法な搾取』であって、自らの営業スタイルを守ろうとしているだけ、公共の福祉に反する行為だ」と指弾しました。
つづけて「ブラックな手法を用い“他社から利益を略奪する”やり方が許されて良いはずがない。労働者の労働に対する正当な賃金や、事業者が負担すべき経営コスト・リスクを労働者に転嫁するやり方を背景に『安売り』を武器に営業を続けている。西田裁判長は、この実態を直視し『公正な判断』を下して欲しい」などと訴えました。
新大阪駅等では、同様の訴えとともに、特定地域や準特定地域の現状も報告し、「実効ある適正化に向けともに声を上げていこう」と呼びかけました。
大阪府最低賃金 10月1日より858円に
2015/10/05
大阪地方最低賃金審議会は、大阪府最低賃金(時給)を20円引き上げるよう大阪労働局長に答申(8月5日)。これを受け大阪府最低賃金は10月1日より858円に、深夜労働(22〜5時、25%割増)では1073円になります。
最賃引き上げに反対する事業者がその理由とするのが「賃金支払い能力」ですが、この「支払い能力」を示す具体的指標は明らかにされていません。また、最賃額の決定に「支払い能力」が加味されているのは先進国では日本だけで、米国や英国では生計費原則に基づいて金額決定が行われています。
858円でフルタイム働いても月収12万円弱。乗務員の減少・高齢化が止まらないタクシー業界を正常化し利用者の信頼に応えるためには、働き盛りの年齢の労働者の必要生計費に基づいた賃金を設計し、それを実現できる労働環境改善に取り組むべきです。最賃法違反などもってのほかです。
第2回大阪府タクシー準特定地域協議会開く
2015/10/05
河北の供給過剰深刻
大阪府下の準特定地域4交通圏(北摂、河北、河南、河南B)の合同協議会(会長=安部誠治関西大学社会安全学部教授)が9月25日にホテルプリムローズ大阪(大阪市中央区)で開かれ構成員41人が出席。4交通圏のタクシー事業の現況報告や、活性化事業の取り組み状況について説明が行われました。
4交通圏の現況について報告した近畿運輸局自動車交通部・藤本和往旅客2課長は「北摂、河北は総走行キロ、総実車キロともに右肩下がりで厳しい状況」「日車実車キロ、日車輸送回数ともに北摂、河北は右肩下がりが顕著に表れている」などと報告。2014年度末の輸送実績をもとに適正車両数を算定、8月19日に公示(別掲)したことも報告しました。
国の地域公共交通政策について報告を行なった近畿運輸局自動車交通部・金指和彦部長は「10年前と比較してタクシーだけが需要25%減、そこから上向きになる兆しが見えていない。需要をどう拡大すべきかが課題」と指摘、「自治体には(交通空白地の)移動手段確保に関してタクシーも重要な選択肢の一つとして考えてほしい」「事業者には自らの特性(ドアツードア、24時間体制など)を活かして自治体の交通、観光政策に貢献してほしい」と訴えました。
今後の協議会の進め方について提案した足立堅治事務局長(大阪タクシー協会専務理事)は、4交通圏の準特定地域計画案(改正前特措法下で策定された特定地域計画に修正を加えたもの)を提示。10月末まで意見・質問を受け付け、次回協議会で承認を得たい、としました。
安部会長は「特に河北の需給バランスがかなり悪い。そのことが日車輸送回数や稼働率に表れている。事業者には事業再構築に協力していただき適正化についても具体化を進めてほしい」と注文をつけました。