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2017年10月の記事
静岡地連・石川タクシー富士宮争議 なかまに支えられ勝利
2017/10/25
会社解散、従業員が全員解雇されて以来、7年半にわたる争議を、8月10日に中央労働委員会での勝利和解で終結した静岡地連・石川タクシー富士宮労組の諏訪部みゆき委員長は、自交本部第40回定期大会の討論で次の通り謝辞を述べました。
石川タクシー富士宮労組
諏訪部みゆき委員長
いままでゼロ回答だった会社との和解成立を迎えることができたのは、卑劣な解散解雇は絶対許さないという信念を共有し、私たちの闘争に結集してくださった多くの地元の支援者の皆さまや、多くの自交総連のなかまの皆さまのご支援・ご協力があったからです。5人の組合員は闘争を続ける中で、皆さまから苦難に立ち向かう大きな勇気をいただきました。親会社・富士急への抗議、要請行動では、自交本部、そして多くの自交総連のなかまの支援者が遠方から100人近くも駆けつけていただき、皆さまの熱のこもった力強い訴えを聴くたびに大きな感動を覚えました。
いろんな人たちに支えられたからこそ闘争が続けられました。7年半の闘争は苦難の道のりでしたが、得たものはたくさんありました。多くの皆さまとの出会いがあり、その優しさに触れ、なかまの大切さ、そして大きな感動と、たたかう勇気をいただきました。
私は初めて自交総連の定期大会に参加した時、自分がずっと探していた生き方にやっと出会えた、そんな気がしました。つねに自交総連の一員であることに喜びを感じ、闘争中も自交総連に誇りを持って行動してきました。人は信頼でき、そして尊敬できる生き方を見つけた時、強い力が湧いてくるものだと思います。
委員長を20年務めましたがその中で、自交総連からいろいろなことを学ばせていただき、育てていただきました。自交総連としてなかまとともに信念を貫き、たたかえたことにいまは満足を覚えています。どんなに苦難があっても正義を信じ、決してあきらめずに貫けば結果は必ずついてくる、そう自分に言いきかせながら闘争を続けてきました。それは自分自身の生きていくための指針でもあります。それを教え、導いて下さったのは自交総連のなかまの皆さまです。
日本の明るい未来のために自交総連がますます発展することを切に願います。長い間のご支援、ご指導、そしてご協力に対しまして、石川タクシー富士宮の組合員を代表いたしまして心から感謝申し上げます。
たたかいは正念場─自交総連本部第40回定期大会で意思統一
2017/10/25
総力あげ白タク阻止
自交総連本部(高城政利委員長)は10月17〜18日、東京都内で第40回定期大会を開き、ライドシェア反対、白タク合法化阻止のたたかいに「組織の総力をあげてとりくむ」などとする2017年度運動方針を全会一致の賛成で決定しました。
あいさつを行なった自交本部・高城委員長は、全タク連が「ライドシェア対抗策」として「初乗り距離短縮運賃」や「事前確定運賃」など11項目の活性化策を進めていることについて、「川鍋会長は“ウーバーでできることはすべてやる”と述べているが、富田前会長の頃から言われ続けてきた“運転者の労働条件改善”に触れなくなっていることに不満を感じている」「労働条件が脇に置かれているということは、利用者の安心・安全も脇に置かれて、利益のみを追求する形になっているのではないか」と述べ、「(全タク連は)運転者の賃金・労働条件がどのように改善できるかを具体的に示す義務がある」「そのことが利用者の安心・安全を守り、ライドシェアに決して負けない日本のタクシーを示すことにもなる」との考えを示しました。
全労連・橋口紀塩事務局長代行、交運共闘・安藤高弘副議長、自交本部顧問弁護団・田辺幸雄弁護士が来賓あいさつ。田辺氏は、ウーバーなどライドシェアの運転者が「個人事業者」として扱われ、労働者としての権利や社会保障をすべて外されていることや、厚生労働省・労働政策審議会に新設された部会でライドシェアのような「非雇用の働き方」が検討されようとしていることを紹介。自交総連の運動が「日本の労働環境、労働政策を正しい方向に向けていく先頭に立つ」と評価し、いっそうの強化を訴えました。
議案提案を行なった自交本部・菊池和彦書記長は「白タク合法化阻止のために我々の主体的な力量をもっと強くしなければいけない。自交総連が組織的に大きくなれば経営者や他の労働団体との共同はさらに拡がる」と組織拡大の必要性を説き、「地道に宣伝・対話を積み重ねてなかまを増やさなければ要求は実現しない」と強調しました。
大阪市域交通圏の特定地域計画認可
2017/10/16
供給削減「まず8〜12%」
近畿運輸局は9月29日、大阪市域交通圏の特定地域計画を認可しました。供給輸送力の削減目標について、適正車両数(2015年11月11日公表)上限値と特定地域指定日(同年11月1日)車両数との乖離(かいり)率である「12%」と設定していますが、「まずは全体として8〜12%程度」の削減をめざすとしています。
適正車両数の上限値と、特定地域指定日時点の保有車両数の差は、法人事業者が1622両、個人事業者が378両。乖離率はいずれも12・0%で、これを「削減すべき供給輸送力」と設定していますが、「各事業者の経営規模や経営状況により、事業に与える影響の大きさを考慮」し、供給輸送力の削減を円滑に進めるため「まずは全体として8〜12%程度」の削減をめざすとしています。
当初、地域協議会に提案されていた「一律12%減」から後退し、削減ゼロでも近運局に処分を要請することはない、との安部誠治会長の発言も議事録に残されています。全体で協力してタクシーの労働条件改善を図るという考えに否定的な一部事業者、そして規制強化に反対する維新・松井一郎知事の大阪府も同協議会に参加する中で、地域計画の合意にたどり着くまで紆余曲折を経た結果であり、実効性のある労働条件改善策を求める私たちの運動に終わりはありません。
南西地協「2017年度総括会議」開く
2017/10/16
白タク・ライドシェア合法化阻止にむけ
危険性周知さらに強化
南西地区協議会(吉田栄二議長=大阪地連副委員長)は10月1日午後、自交会館で「2017年度総括会議」を開催し、同年度の運動総括と決算報告を全会一致で承認。新年度役員として議長に吉田(未来都)、副議長に松原(朝日)、役員に藤田(東洋)・黒井(未来都)、会計監査に杉山(佐野南海)、山本(東洋)の各氏を選出しました。
あいさつを行なった吉田議長は、堺市長選挙(10月10日)や地連・地協の運動に奮闘しているなかまに向けて謝辞を述べるとともに、さらなる団結と協力を呼びかけました。
また同議長は白タク合法化問題について、「スマホアプリを介したライドシェアはタクシー事業や運輸産業にとどまらず、ヤミ民泊のように浸透する恐れがある」と警鐘を鳴らすとともに、大阪府南部で交通空白地を抱える自治体(千早赤阪村・河南町・岬町・阪南市・泉南市)に、南西地協として今年5月から8月にかけて要請行動に取り組んだことを報告しました。
認識浅い自治体
さらなる運動を
一昨年10月に安倍首相が国家戦略特区諮問会議で「過疎地等での観光客の交通手段として、自家用自動車の活用を拡大する」との意向を示し、昨年5月からは京都府京丹後市でNPOが交通空白地対策として運行している「ささえ合い交通」※に、ライドシェア企業のウーバーが配車・決済システムを提供しています。
それらのことを念頭に南西地協が取り組んだ自治体要請行動では、ライドシェアの危険性をくわしく説明した上で、「交通空白地対策には慎重な対応を」「利用者の安心・安全を守るためにもバス・タクシーを活用していただきたい」と要請しています。総括会議で吉田議長は「各自治体ではまだライドシェアについての認識が浅く、さらなる運動が必要」と訴えました。
第2部の学習会では、広島・長崎の原爆や、ビキニ環礁での水爆実験で被害を受けた第5福竜丸事件などを記録したDVD「核も戦争もない世界を」を鑑賞して核兵器廃絶、平和への思いを共有し、最後に吉田議長発声の「団結がんばろう」三唱で締めくくりました。
※京丹後市の「ささえ合い交通」=NPOに登録した地元住民がマイカーで旅客運送を行う。乗車地は同市の丹後町、降車地は同市内に限定。
北東地協 悪政、ライドシェア白タク合法化問題など
2017/10/05
どの運動も負けられない
北東地区協議会(福井勇議長)は9月18日午後、浪速区の自交会館で2017年度総括会議をひらき1年間の運動総括や同決算及び18年度の役員体制を提案し、原案通り全会一致で承認されました。
午後1時、新子副議長(高槻労組)が司会を務め、主催者を代表し福井議長は、堺市長選挙やライドシェア白タク合法化阻止の運動に奮闘している組合員に対し謝辞を述べた後、「どちらも絶対に負けられないたたかい。大阪地連が提起する運動に今後とも大同団結して乗り越えていこう」と語気を強め呼びかけました。
市民の注目度が低い
そして、同議長は「ライドシェア・白タク合法化は、私たちの職場が奪われる問題なのに、職場では管理職も含め危機感が感じられない。宣伝行動は大阪タクシー協会や労働5団体が共同して闘争するところまできているが、市民の注目度はまだまだだと感じている。来年度はこうした問題を解消させて飛躍的に運動がすすむようがんばっていきたい」と決意を語りました。
なみはや争議が終結
最後に、「なみはや争議は結成当時から自身としても関わり、争議になってからは北東地協としても全面的に支えてきた。裁判上の和解から時間がかかったが9月の支払いで争議が事実上すべて終結した、このことが報告できる段階に至った。本当に大変な状況を何度も迎えながらの勝利終結である。9月26日に自交会館で勝利報告集会を開催するのでみんなで喜び合いたいと思う」と述べ、感無量といった表情を浮かべあいさつしました。
その後、庭和田地協担当が17年度運動総括や同会計決算を提案後、片岡会計監査(大商労組)が決算報告を行いました。ひきつづき庭和田担当が18年度の役員体制(議長・福井勇、副議長・新子拓也、会計監査・片岡邦和各氏)を提案。
質疑応答の後、議案採決が行われ、原案通り全会一致で承認されました。
学習会では、「永遠なる平和を」と題したDVDを鑑賞後、労働運動の原点・平和運動について意見交換し、最後に福井議長の発声で「団結がんばろう」を三唱し閉会しました。
なみはや不当解雇事件 組合側勝利で争議終結
2017/10/05
支援の謝辞を述べるなみはや交通労組・松岡委員長と同労組のなかま(9月26日)
組合つぶしに運動で勝利
2014年2月に会社から組合員全員解雇の攻撃を受け、裁判の組合側勝訴後も会社側の責任逃れによって3年半を越えた、なみはや交通労組のたたかいは9月10日に組合側勝利で争議終結。同26日には「勝利報告集会」が自交会館で開かれ、同労組と争議を支えてきたなかまが勝利を喜びあいました。
なみはや交通・乾義彦社長は大阪地裁が解雇無効の仮処分決定を下した後も組合員を職場に戻すことなく、同住所に設立した別会社・オアシスに営業譲渡。2015年5月に本訴で勝利した組合側は同年9月、オアシスに賃金支払いと損害賠償を求めて提訴。昨年11月に和解が成立し、今年9月10日に和解内容の完全履行が確認されたことから争議が終結しました。
「勝利報告集会」で大阪地連・福井勇委員長は、「原告組合員が最後まで心折れることなく団結してたたかい抜いてこられたことは、地連や北東地協としても支援してがんばったかいがあった」と喜びをかみしめるとともに、「今後も不当な組合攻撃に対しては裁判闘争のみならず運動で勝利していく」と強調しました。
なみはや交通労組・松岡共吉委員長は支援の謝辞を述べるとともに、「長いようであっという間の3年半でした。これから私たちは自交総連・関中グループの組合員としてがんばっていきます」と決意表明。大阪地連のなかまはねぎらいを込めた温かい拍手で応えました。