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2008年11月の記事
大阪地連第63回定期大会 大幅減車を運動の柱に
2008/11/25
「大阪では最低でも5千台の減車が必要」とあいさつする権田委員長
新たに岡田委員長を選出
大阪地連は11月11〜12日、第63回定期大会を東大阪市の「ホテルセイリュウ」で開き、2009年度の運動方針などを決定しました。
あわせて役員選挙を行ない、委員長に岡田紀一郎氏(前副委員長、朝日自動車労組)を選出し、新役員体制を確立しました。
中心スローガンは『日本社会の確かな再生、生活危機突破への運動構築、大阪のタクシー、観光バスの安心・安全・快適を守り、実勢5千人の回復を』。
大会はまず、議長団に宮川(朝日)と藤本(関中親和)の両氏を選出。
権田委員長のあいさつに続き、4氏が来賓あいさつに立ちました。
自交本部の飯沼委員長は、今秋から来春闘にかけてのたたかいはタクシー・観光バス再生の足掛かりを築くうえで重要な局面になる、として「道運法改正の動きだけに委ねるのではなく、さらなる運動で世論を喚起し、新たなタクシーシステムを確立しよう」と呼びかけました。
続けて大阪労連の川辺議長、第一交通闘争弁護団の藤木弁護士、日本共産党大阪府委員会の宮本副委員長が祝辞と連帯のあいさつを述べました。
議案の提案を行なった庭和田書記長代行は08年度の運動について「劣悪な労働環境に置かれている未組織労働者の組織化や、新たななかま2組合を迎えることができました。運動面では継続した力と、行動力、政策力で業界の閉塞感を打破する光明を見い出し、潮目を変える闘争に取組めた1年でした」と総括。
また、09年度の運動方針については「私たちの営収を増やすには多い車を減らす以外ありません。大幅減車を運動の一番の柱に据えて奮闘しなければなりません」と強調しました。
役員選挙では岡田委員長(朝日)、満留副委員長(茨木)、池田副委員長(大阪東洋)、堀川副委員長(佐野南海)、庭和田書記長(佐野南海)、松下書記次長(東豊観光)のほか、執行委員15人、会計監査2人を選出。
岡田新委員長は「タクシー再生、政治革新、憲法改悪反対などすべての行動の先頭に立ってがんばります」と決意表明しました。
大阪地連第63回定期大会・委員長あいさつ(要旨)
2008/11/25
現行制度大胆に改め大幅減車を
規制緩和強行した政党に痛打を
みなさん。
いま、自公政権が掲げる政治目標と、生活悪化、貧困と格差の拡大、将来不安にあえぐ国民との矛盾が激化しています。
それは自公政権が、「低賃金・無権利の派遣労働者の拡大などの雇用破壊」、「毎年2千億円もの社会保障費の削減」、「“うば捨て山”の後期高齢者医療制度の強行」、「原油・物価高騰、投機マネーへの無策」など、「構造改革」の名で大企業の儲けを優先し、国民の雇用・くらしを破壊し続けてきたからです。
国民のたたかいによって追い込まれた自公政権は、2代続けて政権を投げ出しました。この前代未聞の事態を受けて麻生政権が発足しました。
政権を受け継いだ“四面楚歌”状態の麻生首相は、解散・総選挙を先送りしました。しかし、政治は一寸先は闇です。いつ解散・総選挙になるかは流動的です。
みなさん。いま、多くの国民が「今の政治はおかしい」と思っています。総選挙は政治を変える絶好のチャンスです。
その時には、タクシー・観光バスの規制緩和を強行した政党に痛打を与えるとともに、国民的運動で自公政権を追い詰め、政治革新へ大きな前進を勝ちとるよう、奮闘しようではありませんか。
私たちの運動が政府追い詰めた
国土交通省は、タクシー事業に対して、規制の再強化に向け、大きくカジを切りました。それは、新規参入や増車を制限し、計画的な減車方法を検討するというものです。
第1段階として、今年の7月11日付けの「通達」で、増車の動きをチェックする「特別監視地域」の指定や、実質的な増車を事実上抑え込む「特定特別監視地域」の指定を、全国6地域から大阪を含む109地域に拡大し、増車の抑制策を打ち出しました。
そして、第2段階として来年の通常国会で道路運送法改正も視野に、減車を進める仕組みをつくる方針だと言われています。
このような行政の変化は、私たちが規制緩和の弊害を告発し、見直しを迫る運動の高揚が政府を追い詰め、行き過ぎた規制緩和策を、見直しせざるを得ない方向に追い込んだからです。
法律で強制的に減車させるべき
こうした状況のもと、大阪地連は「大阪のタクシー再生」めざし、下限割れ運賃の是正、名義貸し行為の撲滅に向けた点検・摘発闘争や抗議集会、行政交渉、労使共同闘争の追求などに奮闘してきました。
その集大成として9月3日、大タ協と自交総連大阪地連など労働5団体が労使共同で、需給調整規制及び「同一地域同一運賃」の確立を求め、「大阪タクシー業界危機突破・総決起集会」合同パレードを府庁周辺で行ないました。参加者は2900人を超え、タクシー57台が集結しました。
いま、大阪のタクシー業界が全力で取り組むべき喫緊の課題は、多すぎるタクシーを減らすことです。最低5千台以上の減車が必要です。事業者の自主的減車では、まったく効果はありません。効果的な減車を実現するためには、現行制度を大胆に根っこから改めて、法律で強制的に減車させるシステムを構築すべきです。
バスの安全確保へ国交省も変化
あの「あずみ野観光」の大事故で、観光バスを取り巻く状況は大きく変化しました。そして、この事故は皮肉にも「バスの安全確保」をめざすたたかいが大きく前進する条件を与えました。
その一つの変化として、国交省が、貸切バス事業者の安全性評価・公表制度に向けた、「評価制度検討委員会」を立ち上げました。
同時に、総務省行政評価局も動きだしています。
最後に私事ですが、本定期大会をもちまして、委員長を退任させていただくことになりました。
40年間のタクシー労働者人生。33年間の組合役員、そのうち23年間は大阪地連の専従役員としての任務を終了することになりました。
本当に長い間、大変お世話になりました。ありがとうこざいました。
【第一交通闘争】雇用契約確認・賃金仮払い仮処分裁判
2008/11/17
第一、法律を争点に「争う」
佐野南海交通労組(堀川卓夫委員長)は、雇用契約関係確認裁判(有限会社佐野交通・申立)と賃金仮払い仮処分裁判(同組合・申立)の審理を前に11月5日早朝、堺東駅前で宣伝行動に取り組みました。
堺支部で争われている雇用契約確認裁判で、組合側代理人は「出向に関する法律関係が争点になっているが、裁判自体を維持するのか」と、原告(会社)に質すと「争う」とし、被告(組合)の答弁書に反論する旨表明。これに対し組合側代理人は「この事件の反訴を岸和田支部に申し立てた」と裁判官に報告しました。
閉廷後、賃金仮払い仮処分裁判も行われ、職権で裁判所が10月30日に示した和解案の具体的な考え方を述べ、双方に歩み寄るよう求めました。会社側代理人は和解案を11月10日に書面で双方に示すとしました。
三和交通労組の救済申立を棄却
2008/11/17
大阪府労働委員会
三和交通(新家照正社長)による一連の組合つぶし攻撃に対し、大阪府労働委員会(高階叙男会長) に救済を求めていた事件の「命令書」が11月4日に交付され、組合側主張が認められず棄却されました。組合側は、今回の「申立」で、@団体交渉ルールに係る労働協約の遵守、A平成19年3月27日の団体交渉における合意事項の履行、B謝罪文の掲示を求めていました。
この事件の発端は、組合を嫌悪する新家社長が団体交渉に1度も出席しないばかりか、社会保険などの不正経理が明らかになり申し立てた事件です。今回、大きな争点となったAの「合意」が問題で府労委は、不適切(不正)な経理処理と、走行費5%問題で組合と協議せず、一方的に行われたことは認定していますが、不正経理に伴う3月27日の団交での合意(和解金)を組合側が主張していましたが、認定できないとして棄却されました。
規制緩和賛成した政党に審判下そう
2008/11/04
大阪では低く見積もっても5千台が供給過剰(イメージ)
麻生首相が解散を先送りする意向を固めた、との報道が流れていますが、大阪地連の権田委員長は年明けの実施が予想される総選挙に向け、本紙に次のとおりコメントを寄せました。
反省もおわびの言葉もなく
02年2月にタクシーの需給調整、運賃、参入などを原則自由化した規制緩和が実施されて6年、大阪は全国で最もタクシーの経営も労働者の生活も深刻と言われる地域になりました。
規制緩和による供給過剰、低運賃競争、その上に燃料価格の高騰の下で、経営者団体である大阪タクシー協会とタクシー労組5団体が初めて「大阪タクシー業界危機突破総決起集会」(9月3日)を開き、2900人が決起しました。全政党の国会議員が来賓として出席したのはことの重大さの表れです。
00年の国会で規制緩和が審議された時、自民、公明、民主党など、日本共産党と社民党以外の各政党がこれに賛成しました。しかし、「総決起集会」では賛成した政党からは誰ひとり反省もおわびのひと言もなく、「苦労している皆さんのために頑張る」などと言ってのけました。これを聞いていて、本当に「信用ならない」と思いました。
大阪のタクシー台数は規制緩和後6年余りで、減るどころか逆に増え、いまでは低く見積もっても5千台は供給過剰です。
規制強化確実に実現させる
タクシーは増えても利用者は増えない、そして運賃値下げ競争。その結果、労働者の賃金は大幅にダウンし、長時間労働を強いられる。過労や速度違反などで事故が増える。客引きや白タクなどの違法行為が増える。乗務員の急死、生活破たん、自殺も後を絶たない――こんな状態です。
こうした深刻な実態の中で、私たちの運動や日本共産党の国会での追及で、政府も「規制緩和が行き過ぎた」と認めざるを得なくなり、来年の通常国会に規制強化策を盛り込んだ「改正」道路運送法を提出しようとしています。
大幅減車や同一地域同一運賃など規制強化を確実に実現させる流れをつくるためにも、年明けとも予想される総選挙では、規制緩和に賛成した政党に審判を下さなければなりません。私たちはそのために大いに奮闘する決意です。