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2010年11月の記事
岡田委員長あいさつ(16日・要旨)
2010/11/25
構造改革推進勢力の巻き返し許すな
「消費税10%」に審判
昨年の9月、政権交代で誕生した鳩山・民主党政権は、旧態依然とした政治とカネ・疑惑、沖縄・普天間基地無条件撤去を求める沖縄県民の声に耳を傾けない政策決定への批判などの前に、わずか8か月で退陣に追い込まれました。
しかし、次々と国民の期待と公約を裏切った政権の閣僚として、その失政に共同責任がある菅首相には、全く反省がみられないうえ、消費税10%への大増税や法人税率引き下げを打ち出すなど自公政権以上の乱暴な政治を推し進めてきました。
7月の参議院選挙では、民主・国民新党の連立与党が過半数を割り込む大敗を喫し、普天間基地の「県内タライ回し」押しつけや後期高齢者医療制度の廃止先送りなどの公約破り、さらに消費税増税の突然提起に対して厳しい審判が下されました。自民党は改選第一党となりましたが、比例代表は過去最低の議席数にとどまっています。
10議席を獲得した「みんなの党」は構造改革の推進を公約に掲げており、タクシーの規制緩和見直しが進められているいま、この流れを逆戻りさせることにつながらないよう、注視しなければなりません。
遊休車の整理だけでは
さて、アメリカ発の世界経済危機に端を発した日本経済の深刻な悪化が、労働者・国民のくらしに重大な打撃を与える中で、タクシー需要は依然として回復の兆しをみせていません。今年に入ってからも運送収入は対前年同月比マイナスの状況が全国各地で続いており、賃金低下はいっそう深刻化しております。
一方、経営危機は一段と深まり、大都市、地方都市、郡部を問わず倒産・廃業による全員解雇やリストラ「合理化」など、生き残りへの新たな提案が各地で相次いでいます。
大阪では昨年の秋頃から極端に営収が落ち込み、昨年末も忘年会シーズンにも関わらず夜の街は閑散とし1日1車当たり3万円にも届かず、年明け以降、今月まで2万6〜7千円台が続いています。
このために乗務員の健康破壊が進み、過労死につながっています。また、貧困化に伴う乗務員の資質やモラルの低下も起こり、乱暴運転、接客態度不良、乗車拒否、地理不案内など利用者からの苦情は依然として減少していません。
このような状況を打開し、利用者の安心・安全を守るためにも大幅減車は待ったなしの状況となっています。
稼働率も年間を通じて低く、昨年12月においても80%を切っており、常に20%以上が休車状態にあります。このような状況のもとで20%に満たない減・休車を行なっても、遊休車両の整理をするだけで、私たちの賃金アップに結ぴつくとは思えません。
昨年の定期大会において7千〜1万台のタクシーを減らさなければならない、と申し上げました。いまもその考えに変わりはありません。大阪地連は引き続き、適正な賃金を得るために大幅減車の実現と、下限割れ運賃の一掃を最重要課題として運動を強めていかなければならないと思っています。
マスコミ・行政に変化
観光バスの現状については、7月に「週刊東洋経済」や「日本経済新聞」が観光バスの問題を取り上げ、「あづみ野観光バス事故後も一向に改善しないバスの安全対策…いつまた同じような事故が発生してもおかしくない状態だ」「安値競争が現場に過労を強(し)い、事故を引き起こしている」と指摘しました。
そのような中、総務省は9月10日、貸し切りバス事業者の半数以上で法違反があるとして、国交省にバス事業者や旅行会社への指導を「勧告」しています。
規制緩和で「安心・安全・快適」が崩壊しているバスの現状を打開するために、引き続き運動を強め、必要な規制強化に向けて闘わなければなりません。
一斉地方選挙で奮闘を
最後に申し上げておきたいのは、規制緩和政策の復活を虎視眈々ともくろむ勢力が存在しているということです。労働組合をはじめとする国民の厳しい目がなければ、悪政が繰り返されます。それだけに労働組合の果たす役割は重要であり、大衆行動で国民的要求の実現と、来春に行われる一斉地方選挙で、地方政治革新をめざす勢力を前進させることが必要です。
園田新委員長が決意表明(17日・要旨)
2010/11/25
就任あいさつで決意を述べる園田委員長と(左から)山本副委員長・秋山副委員長・畑副委員長、庭和田書記長(最右)
最大の課題は大幅減車
この執行部が2年間で取り組む最大の仕事は、本当に効果のある減車を実現させることです。1年かかってやっと減車の段取りができました。来年の1月末には1回目の減車の期限がきます。でもそれだけでは我々の目的は達せられません。第2次、第3次の事業再構築で7千〜1万台の減車を実現させる、それができるのは大阪では自交総連しかありません。
そして、それを我々が本当にやり切るためには、数の力が必要です。ここを反転攻勢の場にして自交総連の数の力を増やす、これが2つ目の課題です。
TPPの企てを許すな
3つ目の課題として、いま規制強化の流れを根こそぎ押し流してしまうような新しい動きが出てきています。その最大のものがTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)です。その目的には貿易の自由化だけではなく、労働力の移動の自由化も含まれています。いまの日本の経営者は、中国やベトナムの労働者を研修名目でしか雇えませんが、TPPが結ばれると低賃金の外国人労働者を自由に雇えるようになります。小泉構造改革で派遣労働が自由化された結果、正社員と非正規労働者の賃金は競うように下がっていきましたが、もっとひどいことが企まれているんです。
だからこれを押しとどめるためには、自交総連としてもタクシーの部分だけでたたかってもダメなんです。ひとりでも多くの労働者・国民と連帯して新自由主義の動きを止めなければなりません。柔軟さもこの執行部には要求されます。
大阪地連 第65回定期大会
2010/11/25
役員選挙後の新執行部紹介で新年度の決意を表明する各役員(11月17日)
責任感欠く事業者・行政
運動はこれからが正念場
大阪地連は11月16〜17日、第65回定期大会を大阪府池田市内で開き、新年度運動方針を決めました。岡田委員長、満留副委員長、池田副委員長が勇退し、大会は園田委員長(大阪東洋)、畑副委員長(関中旅守口)、秋山副委員長(大宝)、山本副委員長(商都)を中心とする新執行部を選出し、大幅減車・同一地域同一運賃の実現をめざす体制を固めました。
大会は議長に田中(佐野南海)・久保(関中親和)の両氏を選出。岡田委員長のあいさつに続いて、自交本部・菊池書記次長、大阪労連・宮武事務局長、大阪交運共闘・芦崎事務局長、顧問弁護団・小林弁護士、日本共産党大阪府委員会・清水国民運動本部長が連帯あいさつ。菊池書記次長は「タクシー運転免許制度の確立」が自交総連の政策要求の要であることを強調。「乗務員になるためのハードルが上がり人的資源が限られることにより、経営者に対する立場を強化できて、減車にもつなげることができる」などの利点を挙げ、力を合わせて同制度を確立しよう、と呼びかけました。
議案の提案を行なった庭和田書記長は「我々と事業者、行政との間には大きな乖離がある」として、行政が供給過剰になったのは事業者が勝手に増車したから≠ニの立場をとっていることや、事業者が最賃の大幅引き上げについて支払い能力≠理由に反対したことを紹介しました。
そして同書記長は、近運局が規制緩和前に府下で3800台の供給過剰を認めていた事実を述べた上で、いま乗務員が最賃を割る事態に陥っているのは事業者が累進歩合を背景に増車した結果だけではなく行政の不作為にもあることを指摘し、「事業者も行政もタクシーの現状に対する責任感が欠けている」と断じました。
そのうえで「労働組合として業界を正常化させるために奮闘しなければならない。これからが正念場。新執行部の任務は重大だ」と力を込めました。
自交本部 第33回定期大会
2010/11/05
大会の最後にガンバロー三唱する大阪地連のなかま(10月27日)
減車は最低限の社会的公約運動の力で必ず完全実施を
自交総連本部(飯沼博中央執行委員長)は10月26〜27日、第33回定期大会を東京都墨田区内で開き、「CSR(企業の社会的責任)運動と政策闘争とを結合した闘いを推進する」などとした新年度の運動方針を確立。あわせて役員選挙も行われ、新執行部(任期2年)を選出しました。
大会議長には東京地連・片岡氏と大阪地連・吉田氏を選出。
飯沼委員長はあいさつで、「地域協議会で決められた減休車に基づく申請状況は、適正車両数との関係においても不充分と言わざるを得ない。地域全体で減休車ができなければ問題解決にはならない」と指摘。「タクシー活性化法の下で設置された地域協議会で合意された減休車の実現は最低限の社会的公約であり、事業者の資質と社会的責任が大きく問われている」として、行政の指導頼みではなく私たちが全事業者に減休車の完全実施を求めていく運動の必要性を訴えました。
議案の提案を行なった本部・今村書記長は、“支払い能力”を口実に最賃引き上げに反対する事業者について「最賃に問題意識のある会社なら、なぜ減車しないのか。最賃割れを起こさない運収を実現するには減車に進むしかない」と批判。「実利実益確保のたたかいと減車闘争を結合するうえで、最賃法は強力な武器になる」と強調しました。
討論で、大阪地連からは畑(はた)・山本両氏が発言。各地方組織へのバス部会設置を訴えた山本氏に対し、今村書記長は「規約上はタクシー・バス・自教は組織化の対象だ。各地方がそれを方針に明確に掲げることが大事」と答えました。
役選では大阪地連から園田氏が中央副委員長(新)に、庭和田氏が中央執行委員(再)に選出されました。