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2011年11月の記事
大阪地連第66回定期大会 委員長あいさつ
2011/11/25
賃下げ、共済潰し…TPPは我々の問題
格差是正・独裁ストップへ大きな共同を
私たち自交総連は、「タクシーの規制緩和は安心・安全の破壊、生活の破壊につながる」として運動をずっと続けてきました。粘り強く、あきらめないで、しかも職場に根ざしてひとつひとつのたたかいをつくってきた結果、国交省はタクシーの規制強化に転じました。ところがいま、運動の成果を根こそぎ流してしまうような暴走が始まろうとしています。TPP(環太平洋経済連携協定)です。
多くの国民はTPPの危険性をまだ知りません。そのひとつとして、外資の保険会社が日本に進出する際に、競争の条件が“公平ではない”として米国などの基準に変えられる、つまり郵政の簡易保険や、我々がつくってきた自主的共済が潰される恐れがあります。
11月8日付の日本経済新聞は、TPPが労働の分野で日本にもたらす「メリット」として、「事業コストが相対的に上がるのを防止」と書いています。事業コスト、つまり労働者に払う賃金が上がるのを防止する、ということです。相対的ということは、環太平洋地域の中で最も低い賃金に集約していかざるを得ません。ですからTPPは農業だけの問題ではなく、医療だけ、保険だけの問題でもない、我々自身の問題だということを正確に捉える必要があります。
もうひとつの暴走は「維新の会」です。彼らが出した「教育基本条例案」は“格差の中で勝ち抜く人材をつくる”としています。“国家のための人材づくり”という点では戦前の日本の教育と同じです。格差を認めるところから出発する教育など、我々は絶対に認めるわけにはいきません。格差と貧困から生活を守るのは私たち労働組合運動の基本です。我々はいま争われている大阪府知事選挙では梅田章二さん、大阪市長選挙では独裁、強権政治を止めるためにも平松さんを積極的に支持すべきだと思っています。
TPPや「維新の会」の暴走を止めるためのたたかいには、日本ではいままで経験したことのないような大きな共同ができる要素も含んでいます。それができるならば、我々の目指す本当に安心・安全なタクシー・観光バスの未来に向けて、必ず大きな力になると思います。私たち自交総連はそこに確信を持って、たたかいの先頭に立ちたいと思っています。
大阪地連・第66回定期大会で新年度運動方針を決定
2011/11/25
TPPが農業問題だけでなく自交産業にも及ぼす問題点を述べながらあいさつする大阪地連の園田委員長(11月15日、伏尾温泉・不死王閣)
法違反が前提のタクシー業界
我々が声上げて正常化を
大阪地連(園田公作委員長)は11月15〜16日、『すべての自交労働者のもてる力を結集し、要求闘争の確かな前進、組織の強化拡大を』とする中心スローガンのもと、第66回定期大会を池田市・不死王閣で開き、2012年度運動方針、同予算案など議案4本と大会アピールを採択しました。
乗務員数による
需給調整が必要
大会は平井(関中旅守口労組)、永井(朝日労組)の両氏を議長団に選出して議事を開始。園田委員長のあいさつに続けて来賓あいさつに立った自交本部・飯沼委員長は、「いま、一部の事業者からも乗務員の数による需給調整、何らかの資格が必要ではないかとの声が上がっている。真の問題解決を図るためにも、私たちはさらに奮闘して、事業者がタクシー運転免許制度の検討を余儀なくされる流れを作り出さなければならない」と呼びかけました。
最賃割れまん延
責任逃れするな
議案を提案した大阪地連・庭和田書記長は「言うに事欠いて“タクシー乗務員は年金者が多いので最低賃金法から除外すべき”などと堂々と言う大阪タクシー協会の役員がいる。乗務員が最賃すら得られない状況に陥ったのは、規制緩和に乗じて勝手に車を増やし、乗務員にさまざまな経営リスクを押しつけてきた事業者の責任だ」と厳しく批判。「我々がしっかりアンテナを張り巡らせて声を上げ続けなければ、手待ち時間を休憩時間扱いにして最賃違反を免れようとする動きなど、さまざまな問題が今後起こってくる」と強調しました。