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2013年11月の記事

「11・14中央行動」 厚労省
2013/11/25

「11・14中央行動」 厚労省 国交省に「交通運輸の安全確保、労働条件改善を求める請願書」を提出するなかま

停車時の休憩扱い 客観的理由が必要


 厚労省交渉には組合側から石垣副委員長をはじめとする10人が参加、省側からは労働基準局労働条件政策課・川崎係長、監督課・五十嵐係官ら5人が応対しました。
 組合側からは以下の5項目を要請しました。
 (1)労働基準監督官を増員すること。
 (2)時間外、休日及び深夜労働の割増賃金の適正な支払いを徹底させること。
 (3)最低賃金の確実な支払いを確保するため、歩合制であっても最賃を固定給部分で保障するなど、賃金制度の見直しを含めた指導、助言、啓発を実施すること。
 (4)停車時間を一律に休憩時間とみなすなど、手待ち時間を休憩時間として扱わせないようにすること。
 (5)自動車運転者の労働時間等の改善基準を、労働者の健康と利用者の安全を確保できる拘束時間、休息期間に改正すること。
 省側は(2)について「出来高払い賃金の場合でも、割増賃金が適切に支払わなければならない。(組合側が例示した)裁判例も参考にしながら指導していく」、(3)については「賃金制度自体を変えるという点でも、モデルを示すことも検討している」と回答しました。

プログラム変更も指導

 組合側は(4)について「自動日報などで○分以上の停車を一律に休憩扱いするものは、おかしいのではないか」「グループ会社全体が同じ自動日報のプログラムで、一律に休憩扱いしている例がある。そういうプログラムを組むこと自体が法違反を狙うものといえるのではないか」と指摘。
 省側は「一律に休憩にするのはおかしい。休憩時間というためには客観的な理由を使用者が示すことが必要」「自動的にということであれば、(休憩扱いする)客観的な証拠にはならない。個々の事例については何ともいえないが、法令遵守に関して望ましくないとわかればプログラムの変更も指導できる」との見解を示しました。
 (5)について省側が「改正の社会的要請は高まっていないと考える」と答えたのに対し、組合側は「改善基準の長時間労働容認が過労死を招いている。認識を改めるべき」と強く要請しました。

「11・14中央行動」 国交省
2013/11/25

「11・14中央行動」 国交省 「くらしと経済をこわす消費税増税、TPP参加反対!」「交通運輸の安心・安全を守れ」と横断幕などでアピールする交運共闘のなかま(11月14日、東京・国土交通省前で)  自交総連(高城中央委員長)は11月14日、交運共闘のなかまとともに東京・霞ヶ関で「中央行動」を実施し、全体で800人、自交総連から444人が参加。大阪地連からは秋山委員長(中央副委員長)と庭和田書記長(中央常執)が参加しました。
 午前10時30分から国土交通省前で決起集会を行い、同省と厚生労働省に請願署名(国交省=交通運輸の安全確保、労働者の労働条件改善を求める請願書・6,658通、厚労省=交通運輸労働者の労働条件確保に関する請願書・6,683通)を提出。午後からは国交省、厚労省、全タク連とそれぞれ交渉を行いました。


新特定地域の指定 今より基準厳しく


 国交省交渉には組合側から高城委員長をはじめとする18人が参加、省側からは自動車局旅客課・坂田タクシー事業活性化調整官ら4人が応対しました。
 組合側はタクシー特措法改正案(14日の時点では参議院審議中)について、「特定地域、準特定地域の指定基準はどうなるのか」「新しい公定幅運賃の幅は現行と同じ5%程度になるのか」と質問。省側は「“特定地域の指定基準は改正後厳しくなる”と提案議員が答弁しており、附帯決議でも“今より厳しい基準でやれ”としているのでそれを踏まえていきたい」「運賃の幅についてはこれから検討する。特定・準特定以外の地域については附帯決議で“従前どおり”としているのでそれを踏まえる」と回答。組合側が「附帯決議でも触れている運転者負担の廃止などは通達で示すことを検討してほしい」と要請すると省側は「要望は承った」と応じました。
 また省側は、障害者割引制度で一部の事業者が運転者に割引分を負担させている問題について、「運賃改定の審査の際には、割引を実施した後でも運収が適切かどうか(原価)を審査している。そのうえで、運転者人件費の割合を維持したうえで健全な経営が成立する改定を認可しているので、各事業者において改善が実施されるべきだ。非改善の場合は事業者名を公表している」との見解を示しました。

控訴審で適切な主張を

 今年5月の最高乗務距離に係る名古屋地裁判決、6月の特定地域での増車申請に係る東京地裁判決など、タクシー規制に関する行政訴訟で国が敗訴していることから、組合側は「控訴審では適切かつ十分な主張・立証を行い、安全確保のために必要な規制が否定されることのないよう努めてほしい」と要請。
 さらに組合側は、消費税が8%になった場合の運賃への転嫁などについて、「歩合給制度が中心である運転者の賃金が不当に減少することのないよう適切な指針を示し、事業者を指導していただきたい」と要請しました。
 省側は行政訴訟の今後について「現在、全国で27件の訴訟があるが、一つひとつ丁寧に対応していく。処分の正当性を適切に主張していく」、消費税増税時の運賃転嫁については「現在検討中で、適切に転嫁できるような方針を出していきたい」と応じました。

大阪地連第68回定期大会 あいさつ・発言要旨
2013/11/25

大阪地連第68回定期大会 あいさつ・発言要旨

秋山民夫委員長代行あいさつ


公共交通にふさわしい賃金を

 大阪地連第68回定期大会(11月12〜13日)で行われた秋山委員長代行あいさつを一部省略して掲載します。


 規制緩和から11年、タクシー特措法の施行から4年が経過し、7、8月の大阪市域の日車平均は2か月連続で3万円を超え、若干効果が出てきたかと思われましたが9月にはまた3万円を割り、我々の労働条件の改善はまだまだほど遠いものがあります。こうした状況を脱するには、よりいっそうの減車と景気回復が必要です。
 そうした中で安倍首相は10月1日、消費税を来年4月から8%に上げることをを表明しました。
 97年に消費税が3%から5%に増税された時には著しく営収が落ち込み、翌年には私たちの年収が65万円も下落しました。それ以降、規制緩和、またリーマンショックの影響などもあり、15年間一度も年収が前年を上回らないという状況が続いています。
 今回、消費税が8%に増税された場合、97年以上に利用者が減って営収が大幅に落ち込むことが想定されます。消費税の増税は私たち労働者のみならず、事業者にとっても消費税は赤字でも納税しなければならず、事業の存続自体を危うくするものであります。
 大阪地連は安心・安全なタクシーの実現、労働者の生活安定を目指す上で、健全な経営に努力する事業者と共通の考えに立てると考え、タクシー事業の将来展望に深く関わる消費税の増税を阻止するための労使協力、共同の取組みが必要と考えています。
 また、大阪のタクシー労働者は60歳以上の労働者が65%を超えて、50歳代と70歳代がほぼ同じといういびつな年齢構成になっており、非常に深刻な状況になってます。低賃金、劣悪な労働条件ゆえに就職先としてのタクシー産業が若者から敬遠される中、事業者が乗務の担い手を年金受給者に依存しタクシー産業のシルバー化を容認してきた結果であります。加齢による病気や、身体能力の低下による事故が数多く見られ、このままではタクシー業界全体が衰退してしまいます。
 若者をタクシー業界に迎え、業界全体のイメージアップを図るためにも、自交総連が提唱するタクシー運転免許の法制化、また、社会的水準の労働条件、公共交通にふさわしい賃金こそが若者がタクシー業界に入ってくれる唯一の道と考えます。関係団体の本気の取組みが必要と思います。
 また、バス部会の問題は全産業の労働者と比較しても非常に長い労働時間、このことは重大事故、過労死と直結します。長距離運行の規制にもつながる改善基準告示改正に向けた運動を強めていく必要があると考えます。
 皆さん、安倍政権は消費税増税だけでなく、TPP参加、原発の再稼働・輸出と暴政の限りを尽くしています。憲法改正に突っ走り、集団的自衛権の憲法解釈変更、日本版NSC法案、特定秘密保護法案と、まさに戦争前夜のような危機感を作りだしています。我々としても一瞬たりとも目が離せないような状況が続いています。
 今大会で皆さんの英知を結集していただき、労働条件改善、そして平和憲法を守るたたかいに私も先頭に立ってがんばることを決意いたしましてあいさつにかえます。共にかんばりましょう。

交通政策闘争基金が第49回評議員会開く
2013/11/15

交通政策闘争基金が第49回評議員会開く 議案を提案する庭和田常任理事(10月31日)

府下的減車が必要


 大阪地連交通政策闘争基金は10月31日、第49回評議員会を自交会館で開き、理事・監事11人、評議員18人が出席(委任14人)。「2014年度事業活動計画案」など全議案を全会一致の賛成で可決するとともに、秋山民夫理事長をはじめとする新年度の理事11人・監事2人を選出しました。
 議案提案を行なった庭和田常任理事は大阪のタクシー労働者を取り巻く情勢について、「まじめに減休車に取り組んだ事業者と、まったく協力しない事業者が内在することで不公平感が渦巻いている」「直近(8月)の大阪市域交通圏・中型車の日車平均が30,325円と2か月連続で3万円を超えたが、少なくとも規制緩和直前の平均売上35,000円に戻すためにも府下的な減車が必要なのは明らか」と指摘しました。

交通運輸政策研究会が「第7回交通問題研究集会」開く
2013/11/15

交通運輸政策研究会が「第7回交通問題研究集会」開く 開会あいさつする安藤会長(10月26日、静岡県伊東市・ハトヤホテルで)

幸福のための交通政策を


 交通運輸に関わる官民の労組・団体・研究者で構成する交通運輸政策研究会(安藤陽会長=埼玉大学教授)は10月26〜27日、第7回交通問題研究集会を静岡県伊東市で開催し、今後の政策課題について議論しました。
 「運輸交通労働者の健康・安全問題」をテーマに記念講演を行なった理学博士・佐々木司氏は、睡眠・眠気、疲労のメカニズムを解説。
 続けて基調報告を行なった関西大学教授・西村弘氏(交運研副会長)は、大阪交運共闘が10月に行なった海外調査行動で訪れたベトナムの交通事情を紹介した上で「日本の状況は正反対だが課題の困難さでは等しい」と指摘。将来の交通政策について「人口減を前提に効率を考える必要があるが、それは経済のためではなく、幸福のためでなければならない」と強調しました。
 2日目は、弁護士・尾林芳匡氏が「交通運輸労働の委託・下請け・民営化」をテーマに講演を行なった後、参加者が5つの分科会に分かれて討論しました。
 今回大阪地連からは5人が参加。「労働時間等のあり方」について討論に参加したなかまは「タクシーの現場では賃金が歩合制である上に、供給過剰やバラバラ運賃の是正ができていないため、なかまから労働時間短縮の要求が出てこない」と発言。国土交通労組のなかまからは「タクシーの場合は、歩合制が諸悪の根源ではないかと私は考えている」との意見表明がありました。