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2015年11月の記事
業界存亡の危機、白タク許さない
2015/11/25
秋山民夫委員長あいさつ
昨年の大会以降、安倍政権の暴走ぶりは眼に余るものがあります。憲法学者の大多数が憲法違反であると指摘し、多くの国民が反対していた安保法制を9月19日未明に強行採決で成立させましたが、これは民主主義を否定する暴挙であり、専制政治そのものです。さらには沖縄県民の民意を踏みにじって名護市・辺野古への新基地建設を強行、日本をアメリカの言いなりで戦争する国へと変貌させようとしています。
国民大多数の心配・反対の声を無視して原発再稼働を推進、派遣法・労働法制改悪、社会保障切り捨て、TPPへの参加、消費税増税など、労働者・国民の「生存権」を奪い、日本を破局に導く安倍政権を一日も早く退陣させなければなりません。
そして我々はいま、5月17日の住民投票を「憲法改正の予行演習」と言い放った橋下維新との闘いの最中(さなか)にあります。橋下大阪市長は福祉を切り捨て、教育現場を混乱させ、異常なまでに労働組合を敵視し、「タクシー自由化特区」を提案するなど、大阪市民にとってもタクシー業界にとっても“百害あって一利なし”です。安倍政権と改憲タッグを組み、大阪に対立と混乱を招いた維新政治と決別し、まっとうな大阪を取り戻そうではありませんか。
改正タクシー特措法が施行されて2年近く経過し、今月1日にようやく大阪市域交通圏が特定地域に指定されました。今後は特定地域協議会での地域計画策定が焦点になりますが、労働条件を改善するためにはすべての事業者による実効性のある大幅減車や運賃適正化が必要です。
しかし、特定地域に指定されるための地域協議会の同意を得るまで一部事業者のエゴで紛糾に紛糾を重ね、公定幅運賃も守られていないのが大阪の現状です。労働条件を改善してタクシーの安全と公共交通機関としての機能を維持するために、特定地域指定の3年間で供給過剰や「低額」運賃を強制力をもって是正することが必要です。
劣悪な労働条件が働き盛りの求職者から敬遠されて運転者の高齢化が止まらず、大阪地域の運転者証交付数は毎年1000人以上も減少しています。稼動率が低迷し、全体の総営収は大きく落ち込んでいます。
そうした中で、将来のタクシー業界存続がいっそう危ぶまれる問題が起きています。二種免許を持たずに旅客輸送を行う白タク運転者と利用者をスマホで仲介するウーバー、リフトなど「ライドシェア」が合法化されようとしています。過疎地の交通確保に悩む京都府京丹後市、秋田県仙北市、兵庫県養父市が国家戦略特区諮問会議に「ライドシェア」の導入を求めており、楽天の三木谷社長(リフト役員)が代表理事を務める新経済連盟が道路運送法改正を強く求めています。
また、安倍首相も国家戦略特区諮問会議で、「ライドシェア」を可能にする規制緩和を検討するよう指示しています。そうした状況の中で、経営意欲をなくした事業者の廃業・身売りが現実に起きています。
タクシー業界が今後どのような展望を持って危機を乗り越えていくのか、事業者・行政双方を追及しなければなりません。場当たり的な、その場しのぎの対応は通用しません。いまこそ規制強化と、我々が提唱する「タクシー運転免許制度」が必要な時です。
また、観光バス労働者の権利と社会的地位の向上、事業の将来のためにも新公示運賃違反や脱法的手数料値上げの是正、日雇い・アルバイト運転者の一掃、低運賃や無理な運行を押しつける旅行会社の規制、運転時間・交替運転者配置基準の改善、過労防止措置など、労働条件の改善に向けての環境整備を重視していかなければなりません。
自交本部 危険な白タク ライドシェア問題 日本共産党に要請し協力求める
2015/11/25
自交総連の要請を聞く穀田衆院議員(左から2人目)と本村衆院議員(同右)=11月9日
問題点を共有、危険性を国民に
白タク合法化問題で自交本部(高城中央執行委員長)は11月9日、衆議院第2議員会館で日本共産党国土交通部会と懇談。同党から国土交通委員会所属の穀田恵二、本村伸子両衆院議員と辰已孝太郎参院議員(代理、川野秘書)が出席し、菊池書記次長、川崎東京地連書記長が協力を要請しました。
危険な白タク=ライドシェア問題は、安倍首相が10月20日の国家戦略特区諮問会議で「自家用車の活用を拡大する」と発言し、実施の意向を示したことによって、現実化する危険性が高まっています。
議員からは、スマホ配車企業が自家用車と二種免許を持たない一般ドライバーを使って他人を輸送するのは、道路運送法違反の白タク(無許可のタクシー行為)に他ならず、これを規制緩和の名の下で行おうとしているが、こうした行為は利用者の安心・安全を担保しない無責任なもので、同時に、タクシー需要を奪い、労働条件を切り下げるものだとの見解を示し、問題点を共有しました。同時にタクシー業界も含め、この危険性を国民に広くアピールすることも確認しました。
懇談の中で、白タク解禁ということになれば、かつての規制緩和以上の問題になる、規制改革会議などの新自由主義の潮流は強引に押し通そうとしてくる危険性があり、道運法改正以前に、特区法を改正して進める可能性があるなど、危機感を共有しました。そして議員から「労働組合も業界も共同して反対しているのなら、国会内で各党の議員を呼んで集会なども考えたらどうか、世論へのアピールが大切だ」との意見も出されました。
《大阪地連第70回定期大会》白タク合法化阻止、維新政治打破を決意
2015/11/25
共同の力で大運動を
自交総連大阪地連(秋山民夫委員長)は11月11〜12日、第70回定期大会を池田市内で開き、自家用相乗りの白タク解禁など「新たな規制緩和や規制撤廃の動きに対しては断固反対し、たたかっていく」などとする2016年度運動方針を全会一致で決定しました。
大会は、11月7日に死去した大阪地連元委員長・岡田紀一郎氏をしのび黙とうを捧げた後に開会。議長団に横田(茨木)・小澤(大宝)両氏を選出し議事を開始しました。
あいさつに立った秋山委員長は、「一部事業者のエゴ」で「公定幅運賃も守られていない」として「供給過剰や『低額』運賃を強制力をもって是正することが必要」と訴えました。また、労働条件改善が進まない中で運転者の高齢化・大幅減、白タク合法化の動きなど「業界存続が危ぶまれる問題が起きている」と警鐘を鳴らし、「その場しのぎの対応は通用しない。いまこそ規制強化と、我々が提唱する『タクシー運転免許制度』が必要な時だ」と強調しました。
自交本部・今村天次書記長、顧問弁護団・藤木邦顕弁護士、大阪労連・川辺和宏議長が来賓あいさつ。今村書記長は「白タク合法化の問題では労使の枠や労働組合の違いを超えて反対運動に一致団結できる」「大阪では労使ともに“橋下維新ノー”」として「従来の枠にとらわれない共同を拡げて奮闘していただきたい」と述べました。
議案提案を行なった大阪地連・庭和田書記長は「白タク合法化の問題でまず危機感を持つべきは事業者だ。反対の声は聞こえてくるが、何か具体的に行動しているのか」「東京で大きな行動を起こさなければ勝てる道理がない」と強調。橋下維新について「『自由化特区』だけではなく彼らの存在を許していると白タク合法化が大阪から動き出す危険性がある。業界労使が大同団結しなければならない」と力を込めました。
交通政策闘争基金が第51回評議員会
2015/11/16
自由化特区構想打ち上げた橋下維新
タクシー産業に百害あって一利なし
交通政策闘争基金(秋山民夫理事長=大阪地連委員長)は10月29日、第51回評議員会を自交会館で開き、「2015年度事業活動報告」「2016年度事業活動計画案」など全議案を全会一致の賛成で可決しました。
あいさつを行なった秋山理事長は「タクシー産業にとっておおさか維新は百害あって一利なし。橋下大阪市長・松井大阪府知事が昨年提案した『大阪タクシー自由化特区構想』に対して我々は一貫して反対運動を続けている。維新を終わらせるためにW選挙に全力を尽くそう」と呼びかけました。
安倍首相が白タク解禁指示
2015/11/05
「過疎地」「観光客」を手始めに交通の安心安全を破壊
各報道によると安倍首相は10月20日、国家戦略特区諮問会議で「過疎地などで観光客の交通手段として、自家用自動車の活用を拡大する」(時事)と述べ、ライドシェア(=二種免許を持たずに自家用車で旅客輸送を行う登録運転者と、利用者を仲介するスマホ配車サービス)を可能にする規制緩和を検討するよう指示しました。
安倍首相の言う「過疎地」「観光客」とは白タク拡大の第一歩にすぎません。
「ラクダの鼻」という寓話があります。テントの外に繋いでいたラクダが寒さに耐えかねて鼻先をテントの小さな穴にねじ込みます。中の人は哀れに思って放置します。すると頭、首、肩と徐々に穴が拡がってテントを乗っ取られた─というものです。法制度の改悪や悪法の制定を最初は“○○限定”で始めて次第に範囲を拡大していくのは、派遣法を見てもわかるように政府与党の常とう手段です。
ライドシェアは“利用者による事後評価システムがあるから悪質運転者は排除される”といいますが、利用者への計画的な犯罪行為を未然に防ぐのは不可能です。交通の安心安全を自己責任化する「白タク」解禁は断じて許されません。