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2009年12月の記事
自交総連関西ブロック2009年度総会
2009/12/15
実車率50%実現する大幅減車を
関西ブロック(大阪・京都・和歌山の各地連・なら合同労組で組織、岡田紀一郎議長)は12月7日、「2009年度総会」を自交会館で開きました。
各組織は地域協議会での議論の内容を報告。「運輸局が提示したとおり規制緩和直前の実車率に戻したところで意味はない。現在の需要でも実車率50%になる減車への議論を提起する」(京都地連)などと報告しました。
なら合同労組は、12月から「みえ・なら合同労組」と呼称変更したことを表明するとともに、「三重県下の三交タクシーでは労組結成後4か月が経過したにもかかわらず会社は団交に応じていない」と報告し、宣伝行動の必要性を強調しました。
総会は、3月中旬に本部の組織拡大キャラバンの一環として、三重県内で宣伝行動を行うことを確認しました。
佐野南海交通の新規事業許可を求め宣伝行動&局交渉
2009/12/15
ビラを手渡し支援を呼びかける佐野南海労組の組合員と支援者たち(3日午前、谷4で)
新法は諸手挙げ賛成
だが公権で佐野南海の雇用奪うな
無法行為で奪われた職場回復の申請
3日午前8時、佐野南海交通労組(堀川卓夫委員長)の組合員と大阪地連のなかま36人は、合同庁舎4号館前(谷町線谷4)で、「公権で雇用奪うな!!国土交通省・近畿運輸局は1日も早い許可を」としたビラを出勤途上の職員や市民に手渡し、運動への理解と支援を呼びかけました。
堀川委員長と岩永書記長は、新規営業許可申請を行うことに至った経緯を説明する中で「私たちは10月1日に施行になった『特定地域における一般乗用旅客自動車事業適正化・活性化特措法』(タクシー活性化特措法)は諸手を挙げて賛成していますが、この申請は最高裁も認めた第一交通産業の不法行為によって奪われた職場の回復が目的です」と述べ、他とは違う特別な事案であることを強調しました。
近運局の指導通り進めてきたのに…
また、事業所設立に向け局に再三相談していた経緯について、「局が9月末までに申請するようにとの指導でしたが、私たちは1日も早く事業所を立ち上げるため指導に基づき、書類を整え8月26日に事業許可申請を行いました。その後も9月10日に法令試験(合格)を受け事業資金書類などの提出も指示通り済ませました。ところが局は突然、新法の審査基準を主張し対応を一変させ、今日に至っても許可しません」と説明しました。
さらに岡田委員長は「佐野南海労組の申請は、第一交通の無法行為によって破壊された職場の回復で労働者の雇用問題です。局は8年2ヶ月にも及んだ熾烈な第一交通闘争の経緯もよく理解されているはず、その局が公権で雇用破壊をすることだけは避けなければなりません」と語気を強め、自交総連が進める運動上の政策(減車)と一線を画してでも許可を求めなければならない特別の理由があることへの理解を求めました。
局交渉は午前10時から行われ、田村旅客二課長他2人と組合は21人が出席し早期許可を要請、同課長は「今日の要請内容を国交省に報告します」と約束しました。
「タクシー活性化特措法学習会」討論
2009/12/07
やりたい放題の1人1車 一掃して大幅減車実現
大阪地連が11月24日に開いた「タクシー活性化特措法学習会」では、講義(第1=関西中央グループ・薬師寺代表、第2=自交本部・今村書記長)終了後に質疑応答を行いました。要旨を掲載します。
大幅減車は2人1車で
関中G・薬師寺代表
――利用者のニーズに対応する地域公共交通の役割をどう追求していくのか。
タクシーは公共交通と位置付けられたが、現実的には何も変わらないのではないか。昔も今も売上が多いのは新米だ。希望を持てる職種であるのか、我々にも大いに責任はある。ベテランがベテランらしい働きができる業界であって、はじめて常識的なことが消化できるのではないか。
タクシーの問題はタテマエでは解決できない。
労働組合が弱くなりすぎたらタクシーがいまより悪くなってしまう。
――経営側としてどの程度減車が必要だと思っているのか。
万博の頃と比べ利用者は半減したが台数は大幅に増えた。売上が上がるわけがない。協議会で決まった減車を受け入れる準備をしなければいけない。1人1車を2人1車に変えることで、何千台かの空車ができる。100人で100台動かしている状態で減車と言われても受けつけにくいが2人1車なら50台で済む。
――営収を上げるには遠割をやめるのがてっとり早いと思うが。
遠割りは好きでやったわけじゃない。5千台も安い車が走っている中で増車が自由になった、利用者が安い方へ流れる、それを放置するのか、対抗して流れを止めるのか。
茨木高槻では遠割をやめている。三菱に対して命がけで対抗し、勝負がついた。必要がなくなったら、やめたらいい。(他地域では)まだ必要だ。
商売上の対抗は必要だ。同じ商品で、隣より高くして売れるわけがない。対抗するということは我々が生き物の本能として忘れてはいけないことだと思っている。
自治体に担当部局を
本部・今村書記長
――運輸行政は適正車両数をはじき出すにあたって、走行距離、実車率などの指標を規制緩和直前の数字を用いているが、これでは我々の求める生活できる賃金にはほど遠い。運賃のキロ単価を上げるための方策をどう考えているか。
現行の乗務距離規制はあってもなくても一緒じゃないかというぐらい長い。バブルの頃でも大阪の平均走行距離は260〜70`だった。
いま最大の問題は、やりたい放題の1人1車。連勤しながら隔勤なみに走れるとなればとんでもない話だ。
隔勤は21時間拘束、日勤は13時間拘束が原則で例外的に16時間拘束となっている。日勤の最高乗務距離について各地域協議会では(隔勤の最高乗務距離)×16/21で270`前後の数字を出しているがいかがなものかと。私は13/21でやれと主張してきた。
キロ単価を上げるためには走りやすさ≠ニ労働管理上の問題と両面から見る必要がある。タクシーを公共交通と位置づけて、交通ルール上の優遇策(優先レーンなど)を考えなければならない。大阪府や大阪市に要請しに行っても、たらい回しにされるのが現状で、担当部局を作らせる必要がある。
――自交総連が提案しているタクシー運転免許制度は国の制度としての位置付けがあると思うが、今後の地方分権の動きをふまえて自交総連としてどう取り組んでいくのか。
結論は出ていない。実態に合致した資格制度としての機能を持たせるために、所管をどこにすれば良いのかといった事柄について考えていきたい。同時に定年制についても研究したり意見を受ける場を作るのでご理解願いたい。
大阪地連「タクシー活性化特措法学習会」
2009/12/07
「活性化法の施行は利用者との合意を獲得するチャンス」と講義する自交本部・今村書記長(11月24日、天王寺区内で)
事業者は最賃法違反 大幅減車で一掃せよ
大阪地連(岡田紀一郎委員長)は11月24日、大阪市天王寺区内で「タクシー活性化特措法学習会」を開催。労働側から自交本部の今村天次書記長、経営側から関西中央グループの薬師寺薫代表を講師に招き、タクシー再生に向け活性化法をどう活かしていくべきかを考えました。
開会あいさつで岡田委員長は「先日発表された大阪市域の09年上期輸送実績は営収が1日あたり25258円、実車率39%という驚くべき数字だった。なかまは大幅減車と下限割れ運賃撲滅に向けて新法に期待する一方で、監査基準の厳格化に不安も感じている」と指摘し、学習の必要性と運動強化を呼びかけました。
労組はパワーアップを
第1講義では関中G・薬師寺代表が、1980年の小型車大量導入から現在に至るまでの運賃を中心にした業界の流れと、自身がどのように主張してきたかを紹介。「遠割がなければ利用者はもっと低運賃会社に流れていた」などと持論を展開しました。
また、活性化法が定める「地域協議会」について、「表面上は法的拘束力がなく、不参加の事業者は関係ない≠ネどとかなり甘く見ている」と指摘。そしてタクシー適正化・活性化に関する基本方針を定めた国交省告示1036号の中で、事業者に対する監査や処分基準の強化、処分の実効性の確保を盛り込んだ部分を読み上げ、「これをどう理解するかだ」と問題提起しました。
最後に大阪地連について「理論、団結力ともに抜群の組織だと思っている。皆さんと敵対する発想はない。もう少しパワーアップしたほうがいい」と率直に述べました。
増車の蛇口は止まった
第2講義を行なった本部・今村書記長はまず、「我々は評論家でも悲観家でもあってはならない。活性化法の意義、役割、方向性をちゃんと理解して、なかまにわかりやすく知らせていくことが重要」と強調しました。
大阪の特徴として車両数と運賃の問題が二重の負担になっており、運賃のキロ単価が東京より80円安い点を指摘。さらに景気の問題も合わせて取り組む必要性も指摘しました。
地域協議会でこれから行われる議論については「10月1日以後、増車・新規参入の蛇口は止まった。我が社が減車しても他社が増車したら損≠ニいう理屈はもう通用しない」として、「現行法を活用して突破できる可能性が高まっている」との考えを示しました。
監査や処分が強化されたことをふまえ「事業者は最賃法や累進歩合制など賃金問題を放置できない。減車以外に逃げ場はない。できなければ最賃の差額を払え≠ニ我々は主張できる」「稼働率が下がっている現在、1車2人制で効率を高めて一人ひとりの売上を上げるよう提案することも我々の役割」と述べました。