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2017年12月の記事
第72回定期大会討論まとめ(抜粋)
2017/12/05
キーワードは一人ひとりの自覚
庭和田裕之書記長
タクシーの将来像に関して、はっきりとこうなるであろうと現時点では言えないと思っています。ただ、自動運転になろうと、本当に我々を必要としてくれる利用者、いわゆる交通弱者が今後も一番最重要の利用者という点は変わりません。手助けも含めて、人間しかできない仕事だというふうに私自身は思っていますので、絶対になくなることはないだろう、ただ規模がどうなるかということです。
他産業でいえば公衆浴場は、技術が進み家庭の風呂が増えていって、どんどんなくなっていきました。しかし、スーパー銭湯という形で、リゾート型みたいな形も含めたものが反対に増えています。タクシーも“スーパータクシー”として残るということも十二分にあり得るのではなかろうか、そういう意味でいえば、まさに関中自の尾崎さんが指摘していた、利用者が満足するサービス、この視点を労働組合としても考えなければなりません。
しかし悲しいかな、100%真実はわからないにしても、大阪タクシーセンターの苦情集、あれを見るたびに情けなくなります。特に女性や子ども、そういう交通弱者、弱い立場の人に対して、暴言を吐いているようなことが書かれています。毎度のことです。
実際問題、安心・安全・快適なタクシーといえるのかという視点は、我々はつねに襟を正して持っておかなければなりません。いくら利用者のことを考えて、安心・安全という面においてライドシェアを入れてはいけないと言っていても、タクシーが本当の意味で安心・安全・快適な乗り物でなかったら、市民には支持されない、そういう事態を迎えかねないということが、一番大きな問題です。
我々は地域公共交通ということと同時に、サービス業である、その自覚を一人ひとりが持つ、これは言うは易く行うは難しで、一人ひとりの自覚が問われる問題です。
東洋の坂本さんの発言の中で、坂本さんご自身が、一組合員から執行部になって、三役の一角を務めるということで、ものの見方を含めて、行動が変わってきたということを自ら仰っていました。
その中で、キーワードになる言葉が「組合員の自覚の必要」と。これなくして労働条件だとか、労働環境、働きやすい職場、またライドシェアという問題を、本当に自分たちの利益につながる解決へ導くことはできないと指摘していましたが、私もまったく同感です。
7人の方からさまざまな角度で、質問等を含めてありましたが、大阪地連は、ライドシェアの問題、これは絶対に、妥協して認めてしまうというような方向には進めさせないために奮闘します。
中心スローガンにも書いた「守ろう職場 社会的水準の労働条件を」、これは結果と内容を問うたたかいを進める決意です。この厳しいたたかいに福井委員長を先頭に大阪地連、2018年度も精一杯たたかうということとともに、皆さんと職場活動も活性化させて、新しいなかまも迎え入れて、組織の強化拡大、これをぜひとも成し遂げたい。来年またこの会場で、たくさんのなかまが本当に一年たたかって、頑張れたなということが総括できるたたかいをしたいということの決意を述べまして執行部を代表しての答弁とさせていただきます。
山添拓参院議員がジャスタビ対策を要請
2017/12/05
国交省から説明を受ける(左から)東京地連・川崎書記長、本部・高城委員長、山添議員
国交省は監督責任果たせ
山添拓参院議員(国土交通委員、日本共産党)は11月28日、議員会館に国交省の担当者を呼び、ジャスタビ(レンタカー利用者への運転者マッチングサービス)に対する監督責任などについてレクチャーを受けた上で、国交省が責任を果たすよう要請しました。自交総連から本部の高城委員長、菊池書記長、東京地連の川崎書記長が同席しました。
(自交総連本部「自交労働者情報」11月28日付)
自交総連から、11月8日の国交省交渉でジャスタビについて国交省は監督責任を負わず利用者の自己責任に任せていること、中国人相手の白タク横行の背景にも規制緩和でタクシー類似行為の事業を容認している実態があることなどを事前に議員に説明してからレクチャーを受けました。
タクシー類似行為
現地調査も未着手
国交省自動車局旅客課の坂井英隆企画調整官は、レンタカー会社が運転者を斡旋(あっせん)しないように通知しているなどと説明しましたが、山添議員が「実際に沖縄など現地に行って、レンタカーの受け渡し場面など違法性の有無を確認する調査はしているのか」と訊くと、現場の調査はしていないことが判明しました。
自交総連からは、実態として運転者がレンタカーの受け渡しをしている例なども指摘して、「実際に利用者を乗せて運行しているのだから国交省が監督、対策を考えるべきだ」と要請。
山添議員は、「レンタカー業を監督するというだけではなく、タクシー類似行為をしているという側面からの対策が必要で、国交省も今後の経過を注視するというのならば、きちんと注視して対策をとるべき」と指摘しました。
省からは、レンタカーを他人に運転させる行為については、事故の場合にレンタカー会社の責任が問えないこと、第三者を怪我させたときには利用者が運行供用者として責任を問われることなどを周知するようレンタカー事業者に通知し、利用者に徹底するようにしていると説明がありました。
レク後、山添議員は、今国会は別件の質問があるので、来年の通常国会で今回説明を受けた件、ジャスタビの危険性などについて質問したいと意欲を語っていました。
労使共同で「ライドシェアを考えるシンポジウム」
2017/12/05
「白タク合法化を絶対阻止する」と決意表明する全自交大阪地連・加藤委員長(11月28日、大阪市中央区で)
白タクが招く雇用破壊
在阪タクシー労働5団体※と大阪タクシー協会は11月28日、白タク合法化阻止に向けた労使共同の取り組みとして「ライドシェアを考えるシンポジウム」を大阪市中央区で開き、タクシー労働者、法人・個人事業者を中心に300人以上が参加しました。
主催者代表あいさつを行なった大阪タクシー協会・三野文男会長(商都交通社長)は、「ライドシェアは事業主体が運行に関する責任を負わず、運転者は二種免許を持っていない、まさに道路運送法で禁止されている白タクそのもの。導入されれば利用者の安全が損なわれることは火を見るより明らか」と指摘し、「このシンポジウムを契機としてライドシェア導入を許さない運動をさらに強めていきたい」と述べました。
講演を行なった首都大学東京・戸崎肇特任教授は「“働き方改革”で雇用破壊が浸透していく。ライドシェアは雇用破壊につながる」「会社制度のもとで社員の福祉を確保しながら行なってきたタクシー事業が、個人請負に完全に変わってしまう。運転者は保険もない、年収も確保されない」と警鐘を鳴らしました。
各界代表あいさつでは、法人事業者代表として南都交通・木元健司社長(大タ協広報・サービス委員長)、労働組合代表として全自交大阪地連・加藤直人委員長、個人事業者代表として全大阪個人タクシー協会・和田廣一会長のほか利用者代表、障害者団体代表が登壇。全自交大阪地連・加藤委員長は、「シェアリングエコノミーの波及でハイタク以外にも多くの産業で労働者としての権利が根底から崩されようとしている。若い人たちにもそのことをしっかり訴えていく」と力を込めました。
※在阪タクシー労働5団体=全自交大阪地連、交通労連関西地総ハイタク部会、私鉄関西ハイタク労連、私鉄関西ハイタク協議会、自交総連大阪地連。